《目
次》 ■はじめに ■専用線一覧 ■駅別の貨物取扱量推移 ▼1964(S39)年度 ▼1967(S42)年度 ▼1971(S46)年度 ▼1976(S51)年度 ▼1982(S57)年度 ▼1985(S60)年度 ▼1995(H7)年度 ▼2000(H12)年度以降 ■最後に |
2006.8竜王駅 |
山梨市 |
石
和 |
酒
折 |
甲
府 |
竜
王 |
南
甲府 |
東
花輪 |
|
石
油 |
エッソ石
油(株) シェル石油(株)※5 |
日本石油(株)※5 |
丸善石油
(株)※3 共同石油(株)※3 ※8 大協石油(株) 鈴与(株) 山光石油(株) 山梨共栄石油(株) |
三
井物産石油販売(株)※2 ゼネラル物産(株)※1 (株)ミ ツウロコ※4 共同石油(株)※6 |
|||
ガ
ス |
東
京瓦斯(株)※2 |
岩谷産業
(株) |
東京瓦斯
(株) 鈴与(株) 山光石油(株) |
(株)ミ
ツウロコ※4 |
|||
セ
メント |
日本セメント(株)※6 秩父セメント(株)※5 |
小野田セ
メント(株) 三菱鉱業セメント(株)※6 |
住友セメ
ント(株)※5 |
||||
砕
石/砂利 |
甲州砕石
(株) |
(株)甲
石社※1 (株)甲石社※5 |
龍王産業
(株) |
小田急砂
利(株)※3 |
|||
飼
料/穀物 |
坂本産業
(合名)※3 |
白麦米
(株)※6 |
|||||
倉
庫 |
山梨倉庫
(株) |
坂本産業
(合名)※3 甲府倉庫(株)※7 |
|||||
そ
の他 |
日
本カーボン(株)※1 |
山梨県経
済連 |
三
信産業(株)※4 ※9 坂本木材(株)※7 |
日
本軽石ブロック(株)※2 |
「専用線一覧表」に存在する期間(昭和
39年版以降) |
|
※1
S39年版まで ※2 S42年版まで ※3 S50年版まで ※4 S42年版〜S58年版まで ※5 S45年版〜S58年版まで |
※6
S50年版〜S58年版まで ※7 S58年版のみ ※8 S39年版では東亜石油(株) ※9 業種不明、S58年版では(株)信栄 ※印無しは、S39年版〜S58年版まで |
この項では、『山梨県統計年鑑』より貨物取扱量を入手した1964
(S39)年以降で、「専用線一覧表」が発行された年、即ち「昭和39年版」「昭和42年
版」「昭和45年版」「昭和50年版」「昭和58年版」と同じ又
は近い年度で、駅別の取扱量を見ていく。 また、『山梨県統計年鑑』は1986(S61)年度〜1994(H6)年度は、貨物取扱量のデータに欠損があるため、1985(S60)年度と1995 (H7)年度の取扱量を見ることにした。因みに1995年度は、筆者が最初に山梨県内に鉄道貨物の調査に訪れた年でもあり、このページの大半の写真はその 時に撮影したものである。更に1995年度は、JR貨 物の石 油・セメント輸送の大幅な集約が行われた1996(H8)年度以降〜2000年代前半直前のデータになるという意味でも、ちょうど良い≠ニ言えそうだ。 そして、山梨県内における一連の鉄道貨物集約化が終了し、甲府都市圏はおろか県 内の貨物取扱駅が竜王駅に集約された2000(H12)年 度以降の数字も纏めておく。 |
1995.9竜王駅 日本石油(株)甲府油槽所 |
山
梨市 |
石
和 |
酒
折 |
甲
府 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
16,852 |
31,126 |
47,978 |
48,614 |
18,965 |
67,579 |
33,384 |
55,600 |
88,984 |
82,319 |
197,622 |
279,941 |
竜
王 |
南
甲府 |
東
花輪 |
合
計 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
168,104 |
41,504 |
209,608 |
62,239 |
194,925 |
257,164 |
36,490 |
15,488 |
51,978 |
447,912 |
555,230 |
1,003,142 |
1964年までの油槽所開設等の経緯は、下記の通りである。下表では
便宜上、LPGも含めている。
|
1995.9南甲府駅 鈴与(株)甲府支店 |
南甲府駅以外にも石油系の専用線は設置されており、東花輪駅には
1960(S35)年8月に開所したゼネラル物産(株)甲府貯油所(『ゼ
ネラル石油三十五年の歩み』ゼネラル石油株式会社、1982年、p267)と
三井物産石油販売(株)の専用線があった。三井物産石油販売(株)は歴史的にもゼネラル物産(株)〔後のゼネラル石油(株)〕と関係が深く、両者は油槽所
も一体となっていた可能性がある。尚、ゼネラル物産の専用線は、「昭和39年版専用線一覧表」をもって姿を消しているが、作業キロが同じ(株)ミツウロコ
の専用線が入れ替わるように「昭和42年版専用線一覧表」で現れており、ゼネラル物産は油槽所をミツウロコに譲渡したと思われる。尚、ミツウロコはゼネラ
ル物
産と取引をしており、その可能性は高いと言えるだろう。 また、ミツウロコは、1965(S40)年9月に甲府LPガスプラントを新築移転(『ミツウロ コ五十年史』株式会社ミツウロコ、1976年、p336)したとのことで、譲渡はこの頃かもしれない。 更に酒折駅には、昭和30年代後半に開所したエッソ・スタンダード石油(株)甲府油槽所の専用線があった。 『山梨県統計年鑑』には1971(S46)年度まで、「国鉄府県別貨物発送及び到着トン数」が掲載されており、1964年度の「鉱油」と「揮発油」の到 着トン数を下記の通り纏めた。これによると、神奈川県と静岡県が発送元の大部分を占めていることが分かる。 |
1995.9南甲府駅 山梨共栄石油(株)南甲府油槽所 |
1964年度 |
総
数 |
千
葉 |
東
京 |
神
奈川 |
静
岡 |
愛
知 |
三
重 |
和
歌山 |
そ
の他 |
鉱
油 |
66,333 |
307 |
270 |
44,656 |
15,672 |
341 |
4,207 |
215 |
665 |
揮
発 油 |
45,459 |
740 |
55 |
34,549 |
8,730 |
‐ |
1,325 |
‐ |
60 |
合
計 |
111,792 |
1,047 |
325 |
79,205 |
24,402 |
341 |
5,532 |
215 |
725 |
発
荷主 |
発
駅 |
着
駅 |
着
荷主 |
備
考 |
日本石油
(株)根岸製油所 |
根岸 |
南甲府 |
山梨共栄
石油(株)南甲府油槽所 |
1964
年6月に根岸線は貨物取り扱いを開始 |
日本石油
(株)横浜製油所 |
入江・新
興 |
南甲府 |
山梨共栄
石油(株)南甲府油槽所 |
|
三菱石油
(株)川崎製油所 |
扇町 |
南甲府 |
鈴与
(株)甲府支店 |
|
東亜石油
(株)川崎製油所 |
水江町 |
南甲府 |
東亜石油
(株)甲府油槽所 |
|
出光興産
(株)川崎油槽所 |
水江町 |
南甲府 |
山光石油
(株)南甲府油槽所 |
京葉臨海
鉄道の前川駅は1965(S40)年6月開業 |
丸善石油
(株)千葉製油所 |
浜五井 |
南甲府 |
丸善石油
(株)甲府油槽所 |
浜五井駅
は1963(S38)年9月開業 |
丸善石油
(株)横浜油槽所 |
新興 |
南甲府 |
丸善石油 (株)甲府油槽所 | 千葉県か
らの石油到着トン数が少ないため、メインはこちらか |
大協石油
(株)川崎油槽所 |
水江町 |
南甲府 |
大協石油
(株)甲府油槽所 |
三重県か らの石油到着トン数が少ないため、メインはこちらか |
大協石油
(株)四日市製油所 |
四日市 |
南甲府 |
大協石油 (株)甲府油槽所 | |
ゼネラル
物産(株) |
清水 |
東花輪 |
ゼネラル
物産(株)甲府貯油所 |
清水駅に
ゼネラル物産(株)の専用線あり |
東亜燃料
工業(株)川崎製油所 |
浮島町 |
酒折 |
エッソ・
スタンダード石油(株) 甲府油槽所 |
浮島町駅
の東亜燃料工業(株)専用線は1964年11月営業開始 |
東亜燃料
工業(株)清水製油所 |
清水 |
酒折 |
エッソ・
スタンダード石油(株) 甲府油槽所 |
発
荷主 |
発
駅 |
着
駅 |
着
荷主 |
備
考 |
大協石油
(株)四日市製油所 |
四日市 |
竜王 |
岩谷産業
(株) |
四日市駅
の第三者使用に岩谷産業(株)あり |
三菱液化
瓦斯(株) |
扇町 |
南甲府 |
鈴与
(株)甲府支店 |
|
ブリヂス
トン液化ガス(株)川崎工場 |
末広町 |
南甲府 | 山光石油
(株) |
末広町駅
のブリヂストン液化ガス(株)専用線は1964年3月営業開始 第三者使用に出光興産(株)あり |
1964年度 |
セ
メント(トン) |
比
率(%) |
想
定 荷 主 |
総
数 |
165,178 |
100.0 |
‐ |
福
島 |
3,728 |
2.2 |
住友セメ
ント(株)田村工場、住友セメント(株)四ツ倉工場 |
茨
城 |
7,775 |
4.7 |
日立セメ
ント(株)日立工場 |
栃
木 |
294 |
0.2 |
住友セメ
ント(株)栃木工場 |
埼
玉 |
55,511 |
33.6 |
秩父セメ
ント(株)熊谷工場、秩父セメント(株)秩父工場、日本セメン
ト(株)埼玉工場 |
東
京 |
30,259 |
18.3 |
日本セメ
ント(株)大久野工場 |
神
奈川 |
11,989 |
7.3 |
第一セメ
ント(株)、小野田セメント(株)川崎SS |
新
潟 |
17,756 |
10.7 |
電気化学
工業(株)青海工場、明星セメント(株)糸魚川工場 |
静
岡 |
12,145 |
7.4 |
小野田セ
メント(株)清水SS、住友セメント(株)浜松工場 |
愛
知 |
6,677 |
4.0 |
小野田セ
メント(株)田原工場 |
三
重 |
1,617 |
1.0 |
小野田セ
メント(株)藤原工場 |
滋
賀 |
15,060 |
9.1 |
大阪セメ
ント(株)伊吹工場、住友セメント(株)彦根工場 |
そ
の他 |
2,367 |
1.4 |
秋田県
(1,308トン)、宮城県(601トン)、山口県(162ト
ン)など |
1995.9南甲府駅 秩父セメント(株)甲府倉庫 撮影時は気付かず、残念ながら酷い写真しか残っていない |
小野田セメント(株)は、南甲府駅に専用線はあったもののSSの開設
は1970(S45)年で、一般倉庫に袋詰めセメントが到着していたと思われる。ただそ
の発送工場は、上記表でも小野田セメント(株)は4カ所もあり、特定はできない。後年、ホッパ車によるバラ輸送は、巴川口(小野田セメント(株)清水
SS)
〜南甲府間で行われたことは確認されているので、メインはこの当時から清水SSだったのかもしれない。 また南甲府駅に隣接して、1955(S30)年9月に秩父セメント(株) 甲 府倉庫が開設(『秩父セメント五十年史』秩父セメント株式会社、1974年、p472)され、1995 (H7)年時点では、この倉庫の鉄 道輸送は廃止になっていたと思われるものの、倉庫自体は残っていたのを確認しており、かつては専用線こそ無かったが南甲府駅の貨物側線で秩父鉄道所有の有 蓋車から袋詰めセメントが積み下されていたのであろう。尚、この倉庫には最後までSSが新設されることはなく、山梨県の秩父セメントのバラ積み輸送の荷下 ろし拠点は、石和駅に1968(S43)年に設置された石和SSのみである。 また南甲府駅に専用線を持つ山梨共栄石油(株)は、 1949(S24)年11月に秩父セメント(株)の特約店に なっており、この秩父セメント(株)甲府倉庫は、このような特約店向けのセメント保管に活用されていたのかもしれない。 このような地場の特約店向けの袋詰めセメント輸送は、駅頭荷役でのトラック積み替えや営業倉庫保管が大部分を占めると思われ、輸送体系の解明には、情報 が全く足りていない。 |
発
駅 |
清水港駅 鈴与倉庫(株)専用線 豊年サイロ積込 |
着
駅 |
南甲府駅 坂本産業(合名)専用線取卸 |
荷
送人 |
全購連東
京支所 |
荷
受人 |
坂本産業
(合名) |
荷
役 |
清水運送
(株) |
荷
役 |
甲府倉庫
(株) |
使
用車 |
有蓋車(ワム) |
||
取
卸方法 |
輸入トウモロコシを貨車からベルトコンベヤにより横移動 昇降機によりバラ保管サイロ上方より落下、累積させる |
||
輸送開始 |
試験輸送の後、1964年8月から本格輸送を予定 |
1964年度 |
総
数 |
茨
城 |
栃
木 |
埼
玉 |
東
京 |
神
奈川 |
静
岡 |
そ
の他 |
麦
類 |
31,793 |
3,399 |
1,910 |
2,092 |
815 |
12,278 |
10,077 |
1,222 |
1964年度 |
総
数 |
岩
手 |
千
葉 |
東
京 |
神
奈川 |
新
潟 |
愛
知 |
そ
の他 |
飼
料 |
16,044 |
619 |
1,708 |
1,806 |
8,454 |
569 |
1,228 |
1,660 |
山
梨市 |
石
和 |
酒
折 |
甲
府 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
10,615 |
28,628 |
39,243 |
35,241 |
25,065 |
60,306 |
18,122 |
76,997 |
95,119 |
64,305 |
170,935 |
235,240 |
竜
王 |
南
甲府 |
東
花輪 |
合
計 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
244,807 |
53,722 |
298,529 |
47,257 |
210,620 |
257,877 |
26,438 |
21,023 |
47,461 |
446,785 |
586,990 |
1,033,775 |
1967年度 |
総
数 |
千
葉 |
東
京 |
神
奈川 |
新
潟 |
静
岡 |
愛
知 |
三
重 |
和
歌山 |
そ
の他 |
鉱
油 |
95,028 |
2,547 |
137 |
63,748 |
167 |
16,348 |
280 |
11,431 |
354 |
16 |
揮
発 油 |
68,810 |
1,598 |
39 |
43,175 |
757 |
15,265 |
‐ |
7,943 |
‐ |
33 |
合
計 |
163,838 |
4,145 |
176 |
106,923 |
924 |
31,613 |
280 |
19,374 |
354 |
49 |
2021.7東花輪駅 (株)ミツウロコ 山梨支店 |
石油関係は、荷主がゼネラル物産からミツウロコに代わった程度である
が、その量は1964年度は鉱油+揮発油で計11.8万トンであったも
のが、1967年
度は計16.4万トンと約1.5倍に増えている。 また発地も神奈川が7.9万トンから10.7万トン、静岡が2.4万トンから3.2万トン、三重が0.6 万トンから1.9万トン、千葉が0.1万トンから0.4万トンといずれも増加しており、新潟県からの到着も年間1千トンに満たないが発生しているのも気に なる。日本石油(株)が京浜地区からの供給だけでは不足し、新潟方面(柏崎製油所、新潟製油所)からも山梨に供給していたのであろうか。 参考データとして、1968(S43)年度の酒折駅の到着トン数82,185トンの内、石油は72,650トンを占めることが分かっている。 (『貨 物資料 昭和43年度運輸概 況』東京西鉄道管理局など、p78) |
1967年度 |
セ
メント(トン) |
比
率(%) |
想
定 荷 主 |
総
数 |
300,815 |
100.0 |
‐ |
福
島 |
7,153 |
2.4 |
住友セメ
ント(株)田村工場、住友セメント(株)四ツ倉工場 |
茨
城 |
8,644 |
2.9 |
日立セメ
ント(株)日立工場 |
埼
玉 |
85,777 |
28.5 |
秩父セメ
ント(株)熊谷工場、秩父セメント(株)秩父工場、日本セメン
ト(株)埼玉工場 |
東
京 |
33,773 |
11.2 |
日本セメ
ント(株)大久野工場 |
神
奈川 |
15,881 |
5.3 |
第一セメ
ント(株)、小野田セメント(株)川崎SS |
新
潟 |
49,357 |
16.4 |
電気化学
工業(株)青海工場、明星セメント(株)糸魚川工場 |
静
岡 |
68,074 |
22.6 |
小野田セ
メント(株)清水SS、住友セメント(株)浜松工場 |
愛
知 |
98 |
0.0 |
小野田セ
メント(株)田原工場 |
三
重 |
7,730 |
2.6 |
小野田セ
メント(株)藤原工場 |
岐
阜 |
15,403 |
5.1 |
住友セメ ント(株)岐阜工場 |
滋
賀 |
7,750 |
2.6 |
大阪セメ
ント(株)伊吹工場、住友セメント(株)彦根工場 |
そ
の他 |
1,175 |
0.4 |
秋田県
(101トン)、岡山県(142トン)、山口県(187トン)な
ど |
山
梨市 |
石
和 |
酒
折 |
甲
府 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
6,409 |
24,289 |
30,698 |
67,217 |
128,482 |
195,699 |
62,586 |
89,292 |
151,878 |
46,997 |
117,528 |
164,525 |
竜
王 |
南
甲府 |
東
花輪 |
合
計 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
85,194 |
82,598 |
167,792 |
43,582 |
297,521 |
341,103 |
13,865 |
75,266 |
89,131 |
325,850 |
814,976 |
1,140,826 |
1971年度 |
総
数 |
千
葉 |
東
京 |
神
奈川 |
新
潟 |
静
岡 |
愛
知 |
三
重 |
和
歌山 |
そ
の他 |
鉱
油 |
166,380 |
5,261 |
‐ |
125,176 |
11 |
23,931 |
29 |
11,675 |
209 |
88 |
揮
発 油 |
99,159 |
3,718 |
20 |
71,296 |
‐ |
22,256 |
‐ |
1,854 |
‐ |
15 |
合
計 |
265,539 |
8,979 |
20 |
196,472 |
11 |
46,187 |
29 |
13,529 |
209 |
103 |
|
1995.9石和温泉駅 日本セメント(株)甲府SS |
セメントは1967年度と比較すると、埼玉県と静岡県が大きく増加
し、この2県
だけで全体の約9割を占める一方で、茨城県が無くなり、福島県・新潟県・三重県・滋
賀県など遠隔地が大きく減っている傾向がある。これは、SSの整備が進み遠距離の袋詰輸送が無くなったり、小口輸送のトラック化が進展したためと考えられ
る。 1968〜1971年の3年間にSSが次々と開設された。石和駅には秩父セメント(株)石和バラ倉庫が1968(S43)年3月に開設、日本セメント (株)甲府包装所が1971(S46)年9月に開設、東花輪駅は住友セメント(株)東花輪包装所が1968(S43)年8月に開設、南甲府駅は小野田セメ ント(株)甲府SSが1970(S45)年2月に開設された。想定される輸送体系は下記の通り。
|
1995.9南甲府駅 小野田セメント(株)甲府SS |
山梨くみあい飼料(株) 『山梨県経済連30年史』p847 |
飼料輸送は、1964(S39)年度と1971年度を比較すると、麦
類や飼料の到着トン数がいずれも若干減っており、石油やセメントと比べて輸送の伸び
が見られない。 一方で農協が供給する配合飼料の依存度が高まり、1964年度における3万9千トンが1967年度には6万2千トンの取扱高となる一方、全購連と製造委 託 契約を結んでいる坂本産業の工場は老朽化が進行し、畜産経営規模の拡大に対応するためにも全面改築が必要となっていた。 そこで経済連40%、全購連10%、坂本産業50%の出資で、1969 (S44)年2月に山梨くみあい飼料(株)が設立された。所 在地は甲府市南口町1-6、配合飼料の生産能力は月産7,000トン、操業開始は同年4月である。南甲府駅に接続する側線を完備しており貨車による原料受 入、製品出荷が便利な立地となっている。山梨県下唯一の配合飼料工場として、各農家に出荷している。 (前掲『山梨県経済連30年史』p518-519、846-847) 専用線としては、坂本産業(合名)に代わって山梨くみあい飼料(株)の名が現れることは無いが、坂本産業は山梨くみあい飼料に出資していることから専用 線の所有者は変更されなかったのかもしれない。 |
1971年度 |
総
数 |
茨
城 |
栃
木 |
埼
玉 |
東
京 |
神
奈川 |
静
岡 |
徳
島 |
香
川 |
そ
の他 |
麦
類 |
27,853 |
11,393 |
1,148 |
524 |
634 |
2,149 |
1,770 |
4,121 |
4,255 |
1,859 |
1971年度 |
総
数 |
千
葉 |
東
京 |
神
奈川 |
新
潟 |
富
山 |
長
野 |
静
岡 |
そ
の他 |
飼
料 |
12,851 |
557 |
867 |
4,397 |
679 |
603 |
687 |
1,772 |
3,289 |
山
梨市 |
石
和 |
酒
折 |
甲
府 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
3,909 |
16,929 |
20,838 |
27,416 |
252,192 |
279,608 |
53,754 |
111,339 |
165,093 |
13,835 |
76,288 |
90,123 |
竜
王 |
南
甲府 |
東
花輪 |
合
計 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
42,799 |
107,017 |
149,816 |
58,656 |
190,624 |
249,280 |
33,520 |
277,162 |
310,682 |
233,889 |
1,031,551 |
1,265,440 |
1995.9南甲府駅 三菱マテリアル(株)甲府SS |
1995.9東花輪駅 (株)ジャパンエナジー 甲府油槽所 |
1995.9東花輪駅 白麦米(株)のサイロ |
飼料輸送は、ホキ2200形の輸送では、「トウモロコシ・コウリャ
ン」が浜川崎(全農)〜南甲府間で34,500トン(1976年度)、「大豆粕」が新興(味の素)〜南甲府間で6,960トン(同)で、いずれも1971
年度
よりも数量は増加している。(『貨物資料 昭和51年度運輸概況』東京南鉄道管理局、p166-167) 一方、小麦輸送としては、東花輪駅の白麦米(株)〔現、(株)はくばく〕の専用線が「昭和50年版専用線一覧表」から現れる。 (株)はくばくのweb サイトによると、1972(昭47)年に「自然飲料麦茶の生産工場新設、麦原料サイロ新設、収容能力2,500トン」とあり、これが東花輪駅構内 のサイロのことであると思われる。 小麦は、京浜地区の例えば新興駅の食糧庁サイロからホキ2200形によって到着しても不思議ではないだろうが、上掲の『貨物資料』の輸送実績には現れ ず、清水港 線からの到着かもしれない。 東花輪駅は、石油、セメント、LPG、小麦の物資別適合輸送が揃い、甲府都市圏において、南甲府駅に次ぐ専用線ターミナル≠ニなったと言えそうだが、 個別の企業がバラバラに立地してきた感が強く偶然の産物とも言えそうだ。しかしそれでも、総合的な貨物ターミナル駅としてのポテンシャルを仄かに感じる。 |
山
梨市 |
石
和 |
酒
折 |
甲
府 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
435 |
5,472 |
5,907 |
24,946 |
239,646 |
264,592 |
45,307 |
50,078 |
95,385 |
15,006 |
45,395 |
60,401 |
竜
王 |
南
甲府 |
東
花輪 |
合
計 |
||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
15,162 |
101,877 |
117,039 |
24,661 |
215,490 |
240,151 |
23,462 |
175,711 |
199,173 |
148,979 |
833,669 |
982,648 |
石
和 |
酒
折 |
竜 王 |
||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
23,729 |
231,196 |
254,925 |
51,593 |
69,790 |
121,383 |
11,569 |
97,716 |
109,285 |
南
甲府 |
東
花輪 |
合
計 |
||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
9,644 |
98,647 |
108,291 |
13,931 |
131,873 |
145,804 |
110,466 |
629,222 |
739,688 |
酒折駅(1975年10月現在) 地図・空中 写真閲覧サービスより |
酒折駅(1986年5月現在) 地図・空中写真閲覧サービスより |
年 度 |
1985 |
1988 |
1989 |
1991 |
1992 |
1993 |
1994 |
数 量 |
63,400 |
100,600 |
95,900 |
84,500 |
104,900 |
105,400 |
110,000 |
石
和温泉 |
南
甲府 |
東
花輪 |
||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
19,116 |
181,450 |
200,566 |
3,072 |
28,956 |
32,028 |
13,128 |
110,262 |
123,390 |
竜
王 |
||||||||
車
扱 |
コ
ンテナ |
4駅車扱合計 |
||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
17,123 |
174,866 |
191,989 |
13,126 |
25,757 |
38,883 |
52,439 |
495,534 |
547,973 |
1995.9南甲府駅 |
1995.9東花輪駅 |
年
度 |
1995 |
1996 |
1997 |
1998 |
1999 |
数 量 |
111,600 |
108,300 |
88,100 |
34,300 |
‐ |
2000年度 |
2004年度 |
2008年度 |
|||||||||||||||
車扱 |
コンテナ |
車扱 |
コンテナ |
車扱 |
コンテナ |
||||||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
17,664 |
184,236 |
201,900 |
11,857 |
29,790 |
41,647 |
26,512 |
303,684 |
330,196 |
11,424 |
32,840 |
44,264 |
32,379 | 261,483 | 293,862 | 19,773 | 24,208 | 43,981 |
2012年度 |
2016年度 |
2017年度 |
|||||||||||||||
車扱 |
コンテナ |
車扱 |
コンテナ |
車扱 |
コンテナ |
||||||||||||
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
発
送 |
到
着 |
合
計 |
28,992 |
280,876 |
309,868 |
15,460 |
26,132 |
41,592 |
29,396 |
316,007 |
345,403 |
22,891 |
27,415 |
50,306 |
29,794 |
319,705 |
349,499 |
23,634 |
28,965 |
52,599 |
一時的に小康状態に見えた甲府都市圏の鉄道貨物輸送だが、1990年
代後半に入ると大きな変化が
続く。 まずは、1996(H8)年3月に西武鉄道の貨物輸送廃止に伴い、東横瀬〜南 甲府間のセメント輸送が廃止、1997(H9)年3月ダイヤ改正頃に秩父小野田 (株)石和SS廃止に伴い、秩父鉄道〜石和温泉間のセメント輸送が廃止、1998(H10)年9月には(株)ジャパンエナジー甲府油槽所の閉鎖に伴い、北 袖〜東花輪間の石油輸送が廃止、そして1999(H11)年9月に太平洋セメント(株)埼玉工場の貨車輸送廃止に伴い、高麗川〜石和温泉間のセメント輸送 が廃止された。 このように4年弱の間に山梨県の貨物取扱駅は、竜王駅の1カ所に集約された。日本石油(株)甲府油槽所専用線とコンテナ扱いに鉄道貨物輸送が凝縮された のである。 鉄道貨物輸送の合理化と並行し、石油、セメント業界の再編も進んでいった。石油業界では、日本石油(株)は1999(H11)年4月に三菱石油(株)と の合併で日石三菱(株)となり、2002 (H14)年6月には商号が新日本石油(株)となった。2010(H22)年4月に(株)ジャパンエナジーと経営統合、2017(H29)年4月に東燃ゼ ネラル石油(株)を子会社化、JXTGエネルギー(株)となった。更に2020(R2)年6月には社名をENEOS(株)に変更した。 |
2006.8竜王駅 |
発
荷 主 |
発
駅 |
着
駅 |
着
荷 主 |
備
考 |
日本石油
(株)根岸製油所 |
根岸 |
竜王 |
日本石油
(株)甲府油槽所 |
現在も継
続 |
日本石油
(株)根岸製油所 |
根岸 |
南甲府 |
山梨共栄
石油(株)南甲府油槽所 |
|
三菱石油
(株)川崎製油所 |
扇町 |
南甲府 |
鈴与
(株)甲府支店 |
1992
年3月ダイヤ改正で廃止 |
富士石油
(株)袖ケ浦製油所 |
北袖 |
東花輪 |
(株)
ジャパンエナジー 甲府油槽所 |
1998 年9月廃止、油槽所閉鎖 |
東亜燃料
工業(株)川崎製油所 |
浮島町 |
酒折 |
エッソ石
油(株)甲府油槽所 |
1985
年頃廃止 |
東亜燃料
工業(株)清水製油所 |
清水 |
酒折 |
エッソ石
油(株)甲府油槽所 |
身延線
ルートの貨物輸送は1984年廃止 |
出光興産
(株)川崎油槽所 |
水江町 |
南甲府 |
山光石油
(株)南甲府油槽所 |
川崎油槽
所は1973年4月に専用線廃止 |
出光興産
(株)千葉製油所 |
前川 |
南甲府 |
山光石油 (株)南甲府油槽所 | 水江町か
ら前川に発駅変更か |
昭和石油
(株)川崎製油所 |
浜川崎 |
酒折 |
シェル石
油(株)甲府油槽所 |
1985
年頃廃止 |
丸善石油
(株)千葉製油所 |
浜五井 |
南甲府 |
丸善石油
(株)甲府油槽所 |
|
大協石油
(株)四日市製油所 |
四日市 |
南甲府 |
大協石油
(株)甲府油槽所 |
甲府油槽
所は1979年6月閉鎖 |
発
荷 主 |
発
駅 |
着
駅 |
着
荷 主 |
備
考 |
小野田セ
メント(株)清水SS |
巴川口 |
南甲府 |
小野田セ
メント(株)甲府SS |
1984
年2月廃止 |
秩父セメ
ント(株)秩父工場/熊谷工場 |
武州原谷
/ 三ヶ尻 |
石和温泉 |
秩父セメ
ント(株)石和SS |
1997
年3月廃止 |
日本セメ
ント(株)埼玉工場 |
高麗川 |
石和温泉 |
日本セメ
ント(株)石和SS |
1999
年9月廃止 |
住友セメ
ント(株)浜松工場 |
金指 |
東花輪 |
住友セメ
ント(株)東花輪SS |
1984
年8月廃止 |
三菱マテ
リアル(株)横瀬工場 |
東横瀬 |
南甲府 |
三菱マテ
リアル(株)甲府SS |
1996
年3月廃止 |
発
荷 主 |
発
駅 |
着
駅 |
着
荷 主 |
備
考 |
日本石油
(株)根岸製油所 |
根岸 |
竜王 |
岩谷産業
(株) |
|
三菱液化
瓦斯(株) |
扇町 |
南甲府 |
鈴与
(株)甲府支店 |
|
ゼネラル
石油(株) |
浮島町 |
東花輪 |
(株)ミ
ツウロコ |
|
三井液化
ガス(株)川崎製造所 |
末広町 |
南甲府 |
山光石油
(株) |
三井液化
ガス専用線の第三者使用に出光興産(株)あり 三井液化 ガス専用線は1985年6月廃止 前川駅の出光興産(株)千葉製油所から発送の可能性もあり |
2021.7竜王駅 |
2021.7南甲府駅 |