工場名 | 投資内容 | 鉄道輸送駅 |
北海道工場 | ビールから生きた酵母を除去する濾過設備を刷新 | − |
福島工場 | 缶ビールのラインを一系列新設。旧式缶ビールラインを改良、高速化 | 郡山(タ) |
名古屋工場 | 缶ビールのラインを一系列新設。三菱重工製のラインで毎分2,000缶の世界最高速。樽詰め増強 | 新守山 |
茨城工場 | 缶ビールのラインを一系列新設。旧式缶ビールラインを改良、高速化。樽詰め増強。麦芽とコーンスターチなどの原料を混合煮沸する仕込 み釜1基、発酵タンク12基、貯酒タンク30基を増強 | − |
西宮工場 | 西宮で旧式缶ビールラインを改良、高速化 | 西宮 |
博多工場 | 缶ビールのラインを一系列新設。濾過設備を刷新 | 竹下 |
事業者名 |
拠点駅 |
利用運送事業者名 |
許可年月 |
アサヒカーゴサービス名古屋 |
新守山、魚津 |
日本通運 |
1998.10.16 |
アサヒカーゴサービス九州 |
福岡タ |
日本通運 |
2000.2.9 |
アサヒロジスティクス |
札幌タ、東京タ、名古屋タ、大阪タ、福岡タなど14駅 |
日本通運、札幌通運 |
2001.12 |
◆新規の海コン輸送 アサヒビール 内陸の福島工場へ (1996
年10月14日付『運輸タイムズ』2面) アサヒビール(株)原料部は米国をはじめ世界数十か国からビール原料の麦芽を輸入、同社の各工場に調達している。輸入麦芽は工場に近い港に着け、工場に トラック輸送しているが、1996(平8)年初め、福島工場向け輸送を請け負う日本通運(株)から東京〜郡山間をレール利用してはどうかと、同社に提案が あった。 福島工場はその他工場に比べトラック輸送距離が長い(東京港から福島工場は約250km)。鉄道利用するとコストを20%程度削減できるという内容だ。 福島工場用の麦芽は、20ft国際海上コンテナ(17.5トン積み)で1船17個単位で東京港や横浜港に着く。工場にはこれを2回に分けて輸送しており、 1日の輸送個数は8〜9個。工場で麦芽を取り卸した空の海上コンテナを港に返す輸送も必要だ。 アサヒビールは日本通運の提案を受けて、鉄道利用について検討を始め、併せて東京港などより工場に近い小名浜港や仙台港を利用した場合のコストとも比較 したところ、鉄道利用の有利さは明らか。このため7月末、東京(タ)〜郡山(タ)間でテスト輸送を実施した。 麦芽はインナーバッグ入りで海上コンテナに積まれているのでコンテナ自体が多少傷んでも、品質に問題無いが、万一、コンテナに穴や隙間が開くと、そこか ら異物混入の恐れがあるので、トラック輸送時も疵・封印等を絶えずチェックする。この点について、台車積替え作業がコンテナを傷める心配の無いことがテス ト輸送で確認できた。 だが配送については、テスト時、時間的ロスが問題になった。麦芽は工場のサイロにコンテナをトラックシャーシごとダンプアップして投入するが、この間サ イロのコンベアを稼働する必要があるため、8〜9個のコンテナからの投入を切れ目なく行わないと、モーターを無駄に動かす結果になる。 郡山(タ)から福島工場まではトラックで片道40分、作業時間を入れると往復1時間40分で、テスト輸送時は到着側の日本通運が3台のトラックで駅〜工 場間をピストン輸送したが、工場到着が遅れて、投入間隔が開くことがあった。しかしこれは、日本通運が配送車を4台に増やすことで解決。 また輸送日数については、トラックで港から工場に輸送する場合は、発送の2日目朝に工場納入を開始、空コンテナが返るまで3日間なのに対して、テスト輸 送時の鉄道ダイヤは、東京(タ)発8時26分で前日集荷しなければならず、工場納入が発送後4日目、回送まで5日かかった。これを4日に短縮するため、 JR貨物は今月ダイヤを変更。アサヒビールもトラックより1日長い程度なら問題無いとして、今月中旬から鉄道輸送開始の運びとなった。 JR貨物は20ft国際海上コンテナを輸送する時、緊締装置を特別にずらした台車を利用しており、東京(タ)〜宇都宮(タ)間に昨秋からこのような特殊 台車で編成した海上コンテナ列車≠ェ走っている。今回の郡山(タ)行きも宇都宮(タ)までは同列車利用だ。 同列車はこれまで、東京(タ)始発で横浜本牧駅に行き、ここで台車を積み替えて宇都宮(タ)に16時50分に到着していたが、JR貨物は今月ダイヤを調 整して始発を横浜本牧に変更、15時38分発で東京(タ)に向かい、宇都宮(タ)着19時20分とした。郡山行きは、2日目の11時16分宇都宮(タ)発 で郡山(タ)着は13時51分。 アサヒビールの工場作業等の関係で配送は3日目朝だが、その日の19時25分発列車で回送するので、発送後、4日目に空コンテナは返る。 同社原料部は「中旬に鉄道輸送を開始して様子を見ながら、徐々に輸送量を増やす。福島工場に送る麦芽の80%程度は鉄道利用にしたい」「JR貨物は海上 コンテナ輸送に非常に意欲的だ」と評価。また福島以外の工場については、「どの工場も最寄り港に近いので、今のところ鉄道利用は検討していない」とのこ と。 |
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日コンテナ60〜70個 アサヒビール名古屋工場 東京向けに大量輸送 (1990年6月25日付『運輸タイムズ』7面) アサヒビール名古屋工場は、6月上旬から新守山駅発・東京(タ)駅着で、1日60〜70個のコンテナを使って製品(スーパードライ)輸送を行っている。 期間は8月上旬まで。 東京工場の生産量が関東での需要に追い付かないため工場間輸送しているもので、3年ほど前から需要期には大量のコンテナを使っている。一昨年は1日約 60個、昨年は特殊商品(イースト)を主体に輸送したため個数はやや落ちたが、今年は生産設備の増強で今までにない輸送量となっている。 トラック輸送を中心としているが、コンテナは安定輸送できるメリットのほか、昼から午後に時間帯を分散して倉庫へ入れることができる(トラックは朝のほ ぼ同一時間)利点もある、とのこと。配送は日本通運(株)が行っているが、着駅頭でコンテナから取り出し、大型平ボディ車に積み替え搬送している。これは 倉庫内の輻輳を回避し、受け入れ作業の平準化にもなっている。 コンテナはパレット輸送に適合した18Dを中心にC20、C21も使っており、発の日本通運(株)守山支店では大型ウイング車で集荷し、発駅頭でコンテ ナに入れている。 |