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東洋インキ製造株式会社
2017.6.27作成開始

▼東洋インキ、3工場閉鎖 3年後メド 利益率の拡大狙う  (1999年5月3日付『日本経済新聞』11面)

 印刷インキ国内最大手の東洋インキ製造は3年後をメドにする9カ所ある工場を6カ所に統合し、生産能力を最大で3割削減、約2,800人いる社員を1割 減らす。他の工場と地域的に重複する3工場を閉鎖し、稼働率向上や人件費の圧縮で利益率を拡大するのが狙い。長引く不況でインキの国内需要回復が見込めな いため、大日本インキ化学工業や東京インキも生産体制の見直しを進めている。今後、インキ各社の工場閉鎖が相次ぐ可能性もある。


 閉鎖を決めたのはインキを生産する寝屋川工場(大阪府寝屋川市)、天間工場(静岡県富士市)、西神工場(神戸市)の3工場。寝屋川工場と西神工場の生産 設備は原則廃棄し、守山工場(滋賀県守山市)に生産を移管し、天間工場は設備の一部を化成品を生産する富士工場(静岡県富士市)に移す。一連の生産体制再 編でインキの生産能力を2〜3割削減する。

 寝屋川工場は関西の物流拠点に転換、西神工場は塗料樹脂の研究所に衣替えする。天間工場の閉鎖後の活用法は未定。3工場で合計180人いる従業員は原 則、配置転換で雇用を確保する。工場閉鎖によるコスト削減効果は年10億円前後と試算、工場閉鎖に伴う生産移管や用途転換などに約15億円の費用を見込 む。

 従業員の削減も進める。定年退職者の不補充と新規採用の抑制で、約2,800人の社員数を2002年3月までに2,500人に減らす。早期退職者優遇制 度の拡充も検討する。

 長引く不況で98年のインキの国内出荷額は3,300億円と92年以来、6年ぶりに前年比で減少した。東洋インキの99年3月期の最終利益(連結ベー ス)は前期比8割減の9億円となる見通し。インキ業界では、すでに大日本インキが尼崎工場(兵庫県尼崎市)と堺工場(大阪府高石市)の間接部門を統合、東 京インキも田端工場(東京・北)の閉鎖も決めている。


▼東洋インキ製造(株) 500キロ・3.8トンを基準に 鉄道コンテナで月300個発送  (1998年3月2日付『運輸タイムズ』3面)

 東洋インキ製造(株)では、全国10ヵ所に生産工場を持ち、製品の物流は主に、物流子会社の東洋ロジテック(株)が行っている。鉄道コンテナは、生産工 場から製品の販売部門を受け持つ全国の支社のうち、北海道、東北、中部、九州への商品輸送と工場間の原料輸送や製品の移管などに利用しており、月間 290〜300個のコンテナが、各工場から発送されている。安全性を高く評価し、今後も500kmを超える長距離輸送と、3.8トン以上の製品輸送に鉄道 コンテナを利用していくことにしている。

 東洋ロジテック(株)は、東洋インキ製造(株)の100%出資子会社で、それまで東洋インキの生産工場内にあった物流部門を統合し、1996年に分離独 立した。同社は本社を東京・板橋区に置き、東京、埼玉、大阪、静岡、滋賀に7つの事業所を持つ。

 生産工場から商品の販売を行う全国の支社までの製品輸送全般と、東京と大阪の関東・関西両支社が抱える顧客への商品配送を受け持っており、鉄道コンテナ は、生産工場から支社までの製品輸送業務のうち、主に首都圏の3工場(川越工場、埼玉工場、都内・青戸工場)からの商品の遠距離輸送や工場間の原料輸送及 び移管などに利用している。

 コンテナの利用ルートは、これら3工場から北海道、東北、九州の3支社への製品輸送と埼玉工場(川越市)から中部支社(愛知県豊山町)への製品輸送。埼 玉工場〜寝屋川工場(大阪府)間の原料輸送と天間工場(富士市)〜北海道支社(札幌市)間、西神工場〜川越工場間(川越市には3工場ある)の原料輸送と製 品輸送などがある。

 最もコンテナの利用個数が多いのは首都圏3工場から北海道、東北、九州の3支社に送る製品で全体の約8割を占め、これに埼玉工場〜寝屋川工場間の原料輸 送分を含めると約85%が首都圏3工場からの発送となっている。

 東洋ロジテックでは、輸送距離500km以上を目途に鉄道コンテナを利用しており、コンテナの発駅は川越、埼玉、青戸の首都圏3工場のものが新座(タ) と隅田川、東京(タ)。静岡県の天間工場は富士駅、神戸の西神工場は神戸港駅で、着駅は北海道が札幌(タ)、東北が宮城野、九州が浜小倉や熊本駅などと なっている。

 荷姿は1キロ缶10個入りの段ボール箱詰めや一斗缶入り、100リットルと200リットル入りのドラム缶や1トン入り金属製ハードコンテナ(タンク)な ど様々ある。パレットは一斗缶の納まりが良い1,000ミリ×1,000ミリの金属製自社専用パレットを使用している。

 先方に送られたパレットは、自社の工場資産としてそれぞれの事業所内で利用されるが、コンテナに載せて運んだパレットについては、回収に空コンテナを走 らせる場合もある。

 鉄道コンテナは、リードタイムや輸送効率において、トラックほどの融通性は無いが、同社がコンテナを利用するのは、長距離輸送においての運賃コストの有 利さのほか、何よりもトラック輸送に優る安全性を高く評価しているためで、今後も鉄道コンテナについては、500km超の長距離輸送と、3.8トン以上の 積載重量を基準に、さらに積極的に利用し続けていきたいとしている。


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