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東邦チタニウム株式会社
2016.10.31作成開始

■ウチの会社のコンテナ利用 東邦チタニウム(株) (『運輸タイ ムズ』1989年12月11日付、3面)

 東邦チタニウム(株)茅ケ崎工場は、広島と福岡地区へ定期的にコンテナ輸送している。1カ月の利用個数は多くは無いものの、今後も3トン程度の受注は、 鉄道コンテナによる輸送をしていく考えだ。

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 東邦チタニウム茅ケ崎工場は、製鉄過程で精錬に不可欠な各種金属チタンやチタン化成品の「三塩化チタン触媒」などを製造、国内の製鉄工場や電気製品工場 をはじめ、海外にも輸出している。

 茅ケ崎工場の国内物流は全てユーザー直送で、流通在庫は持たない。利用輸送機関はトラック(80%)、船舶(15%)、鉄道コンテナ(5%)。鉄道コンテナによる輸送先は、新日本製鐵(株)八幡製鐵所日新製鋼(株)呉製鉄所で、定期的に出荷している。コンテナ輸送してい る製品は、フェロチタン(1トンフレコンバックや25kgペール缶入り)とスポンジチタン(ドラム缶入り)が主体。

 一本の重量が1.5〜1.8トンあるチタンインゴットは円筒形状なため、運送時の危険防止から緊締が確実に行えるトラック輸送である。
 このほか四塩化チタンはタンクローリーで輸送している。ユーザーの注文は発注翌日納入とスピードが要求されるためで、岩国(山口県)や小松(石川県)な ども翌日納入となっている。

 茅ケ崎工場製品の出荷発注を行っているのが、東邦興産(株)。同社によると鉄道コンテナ輸送について、
「製品特性から流通在庫を一切持たず、全て得意先へ直納している。また特殊な製品なので出荷先は製鉄所や家電メーカーなどに限られており、関西以西への出 荷量が多い。以前は北海道へも鉄道コンテナで輸送していた が、ユーザー側の都合で現在はストップしている」と話している。

 コンテナ輸送している1トンフレコンバック入りのフェロチタン、ドラム缶入りのスポンジチタンは製鉄所で添加物として使う。
「1トンフレコンバックは12ftコンテナに5個積んでいる。当社の試算では、3トン程度に荷物がまとまり、納期の余裕があれば中国や九州はトラックより も有利なため、条件が合えば鉄道コンテナを積極的に使いたい」

 製品は比較的重量物のため手荷役ができず、フォークリフトなどの設備が必要。このためトータル運賃が高くつく。かつて工場内に専用線が引き込まれ、貨車で大量輸送していたが、現在は貨車輸 送は無い。

 今後の鉄道コンテナ輸送について、小ロット、スピード納入がますます求められているため、2トンコンテナに興味をもっているとのこと。問題は運賃である が、12ftコンテナで3トン運ぶのと2トンコンテナで輸送するのとどちらが有利か検討していきたいとのことである。


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