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保土谷化学工業株式会社
2020.1.12作成開始

■保土谷化学工業の会社概要

本社所在地
東京都中央区八重洲二丁目4番1号 ユニゾ八重洲ビル
設立年月日
1916年(大正5年)12月11日
資本金
111億96百万円(2019年3月31日現在)
連結売上高
37,548百万円(2018年度)
セグメント別売上高
(2018年度)
機能性樹脂32.8%、機能性色素29.1%、基礎化学品18.1%、
アグロサイエンス14.1%、物流関連5.4%、その他0.5%
従業員数
731名(連結)(2019年3月31日現在)

■保土谷化学工業の沿革

■保土谷化学工業のトピックス
▽保土谷化学 高収益構造へ転換加速 電荷制御剤など スペシャリティで成長  (2006年12月11日付『化学工業日報』4面)

 保土谷化学工業がスペシャリティケミカルを軸にした高収益構造への転換を加速している。2006年度に入り、多層カーボンナノチューブ(CNT)の新会 社を三井物産と合弁で設立したほか、三菱製紙から有機光導電体(OPC)材料事業を買収。一方で、米アシュランド社との鋳造砂型造型剤の合弁事業からの撤退、エンジニア リング子会社の再編に続き、10月には横浜工場の再構築計画を打ち出した。07年度にかけて新たな成長への基盤を確立し、08年度から拡大戦略へと大きく 舵を切る計画だ。

攻めと再構築で基盤整備

 保土谷化学は今年4月、連結子会社だった日本ポリウレタン工業(NPU)の一部株式を東ソーに売却して持分法適用会社にした。保土谷本体を大きく上回る 売り上げ規模を持つNPUが連結対象から外れたことで、06年度(07年3月期)の連結売上高は370億円と05年度の約3分の1に縮小する見通し。一方で、財務体質は大幅に改善したほか、 株式売却益などで潤沢なキャッシュを得た。

 06年度から5年間の中期経営計画「イノベーション90」では、付加価値の高いスペシャリティケミカルを中心とした事業構造への転換を基本戦略に掲げて おり、精密化学品や機能性樹脂の中のコア製品・事業を一段と強化するほか、CNTなど新規事業の育成に経営資源を集中する。精密化学品では世界市場でトッ プシェアを握るトナー用電荷制御剤(CCA)はじめ、OPC材料、有機EL材料、機能性樹脂ではウレタン塗膜防水材料を特に伸ばす。

 一方、収益性の改善が難しい既存製品・事業については、外部への生産委託や撤退も含めた再構築を実施する。染料や農薬原体、樹脂材料などを製造している 横浜工場の再構築計画では、高付加価値・差別化製品に専念する体制に見直すこととしており、染料についてはプラスチック用など非テキスタイル分野に需要が 伸びている有機溶剤溶解染料に集中していく方針だ。

 中期経営計画では、当初2年間は事業再構築に伴う減収を織り込んで、07年度の連結売上高目標を400億円に設定。08年度以降は成長軌道に乗せ、計画 最終の2010年度に、売上高500億円、営業利益率13%、株主資本利益率(ROE)10%を目指す。

▽保土谷化学 成長基盤整備を加速 (2007年3月12日付『化学工業日報』 4面)

 保土谷化学工業が事業再構築を急ピッチで進めている。昨年4月のグループ再編などで財務体質が大幅に改善したのを受けて、事業の選択と集中を加速。横浜 工場は今月末までに有機溶剤溶解染料を中心とした生産体制への再構築が完了する見通しのほか、今後は郡山工場で不要な老朽停止設備の撤去などを進める。 2006年度からの中期5カ年経営計画「イノベーション90」の中で前半2年間の集中実施を予定していた再構築を可能な限り前倒し、成長基盤の整備を急 ぐ。

 横浜工場では染料、農薬原体、各種樹脂材料など幅広い製品を生産してきたが、品目ごとの収益性や将来性の観点から見直しを進めた。同工場で継続生産する のは需要が伸びている有機溶剤溶解染料と、受託品の鋳物砂型造型剤が中心と なる。これら以外の大半の製品は他工場への移管、外部委託、撤退を行う。設備撤去で空く敷地の有効活用策の一環として、子会社の保土谷ロジスティックスが 危険物倉庫を建設する。

 郡山工場は日本で最初に電解苛性ソーダを製造した工場だが、クロルアルカ リの電解設備は1996年に停止し、電子材料など高付加価値製品へとシフトさせてきた。既に資産から除却した老朽設備のうち、今後の転用が 見込めない設備は撤去していく。

 保土谷化学は「高機能・高付加価値創出型企業」を目指す中期5カ年経営計画で、06−07年度を「成長に向けた経営基盤確立」の期間に位置付け、08年 度以降を成長軌道に乗せるための戦略を推進中。06年度は連結子会社だった日本ポリウレタン工業の一部株式を4月に東ソーに売却して持分法適用会社にした ほか、東ソーへの第三者割当増資で財務体質を一気に改善した。

 また多層カーボンナノチューブの合弁会社設立、三菱製紙からの有機光導電体材料事業買収など攻めの経営の一方で、鋳物砂型造型剤の折半出資合弁会社の保 有株式譲渡、エンジニアリング子会社の再編などを実施。自社生産をやめて海 外メーカーから輸入販売していたクロレート(塩素酸ソーダ)については、昨年末までに完全撤退した。


■工場別の鉄道貨物輸送概況

▼郡山工場

▽サンケ ミカル 塩化ベンジル参入 保土谷化学から営業権 (2014年04月15日『化学工業日報』)

 サンケミカル(東京都中央区、石毛宏一社長)は、塩化ベンジル市場に本格参入した。国内大手の保土谷化学工業と事業譲渡契約を締結、販売・供給体制を構 築し4月から販売を開始した。サンケミカルは新たに受け入れ・小分け拠点を横浜に設置するとともに、専用タンクローリー車などを継承した。今後、医農薬中 間体向けをはじめ幅広い用途に展開する。今年度は年間約2000トンの販売を目指すとともに、将来的に国内シェア50%を目指す。
 保土谷化学工業様が約100年間継続してきた塩化ベンジル事業から撤退するのに伴い、サンケミカル(株)が設備の一部を譲り受け、ベルギーのIneos Chlorotoluenes Limitedの塩化ベンジルをソースとして事業を継承(同社web


▽保土谷化学工業 郡山工場発の鉄道輸送を拡大 九州・四国への出荷が増加  (2018年3月27日付『カーゴニュース』p43-44)

 保土谷化学工業は1916年に日本初の電解法苛性ソーダを製造する企業として発足、同年郡山工場が操業開始した。塩を電気分解すると苛性ソーダのほか、 塩素、水素ができ、塩素、水素の活用技術を基に様々な製品・事業を展開。近年は機能性色素分野・機能性樹脂分野等のスペシャリティ製品を中心とする事業構 造の転換を進めている。

 郡山工場では主に過酸化水素とその誘導体である、過炭酸ナトリウム、過酢酸、養殖魚用寄生虫駆除剤「サカナガード」、コピー・プリンタ用トナーに使われ る電荷制御剤等のイメージング材料を製造。

 「郡山工場は水と電力が豊富で古くから交通の要衝。工場の立地としては最適」とパーオキサイド事業部の分目事業部長は説明する。郡山工場はかつては鉄道 の専用線を使って貨車で出荷していた。コンテナ化で専用線は廃止されたが、鉄道駅との至近な立地を活かし、距離やコストを勘案して輸送モードを選択する。

 最も物量が多い過酸化水素はISOタンクコンテナでの出荷のほか、納品先の設備の条件によりローリー、IBC(1トン)、ブロー缶で出荷する。粉体の過 炭酸ナトリウムはフレコンバッグで、液体の「サカナガード」、過酢酸は各種容器に入れた荷姿で12ftコンテナで出荷される。

 「サカナガード」はフグ目魚類、スズキ目魚類に付着するハダ虫、エラ虫等の外部寄生虫駆除剤として認可された薬剤。2011年に動物用医薬品(水産用) に登録され、これらの魚の養殖が盛んな九州・四国への出荷が増加。これを機に鉄道輸送の比率が更に高まった。

 外部寄生虫は水温が20〜26℃程度になると発生しやすいため、気温の高い時期に需要が集中する。納入先が最も多い鹿児島では、鹿児島貨物ターミナル駅の近くにストックポイント(SP)を設置し、常 時12ftコンテナでSPに送り込む体制。現地で在庫に余裕を持たせることでリードタイムや土日枠の活用も含めて鉄道輸送しやすくなる。

 保土谷ロジスティックス郡山営業所の簿所長は「近場の納品は陸送だが、遠距離では陸送のコストが上昇傾向にあるため、鉄道貨物輸送のメリットがある」と 指摘。リードタイムは長くなるが営業部門を通じて納品先と調整し、東海以西への納品ではできるだけ鉄道を利用する。

 尚、過酸化水素のブロー缶は12ftコンテナに2段で積み付けると250缶積載できるが、半端な2缶にラッシングベルトがかからず、荷崩れが起きやすく なる。そこで納品先の了承を得てオーダーの単位を248缶に変更してもらい、鉄道輸送の品質を維持している。

 同営業所の国分課長は西日本方面への鉄道輸送の増加を見込み、ダイヤの確保を課題に挙げる。簿氏も「トラックドライバー不足で幹線輸送は鉄道にシフトし てくる。輸送枠を増やしてほしい」と話す。また危険物、毒劇物は納品先の制約もあり事前の送り込みに限度があるため、連休に際してもコンスタントに送り込 める運行体制を希望している。


▼横浜工場

▼南陽工場




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