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和賀仙人鉱山株式会社
2017.5.28作成開始

 和賀仙人鉱山(株)は、宮城石灰工業(株)(本社:宮城県登米市)の関連会社である。
 同社は、1999年に日本重化学工業(株)から和賀仙人鉱山(株)の経営を引き継ぎ、2002年には肥料用顆粒消石灰製造設備を新設している。

 北上線・和賀仙人駅には、かつて日本重化学工業(株)の専用線が敷設され、その第三者利用者(真荷主)には和賀仙人鉱山(株)の名も確認できる。おそら くワム車を利用して、北日本各地へ肥料を輸送していたものと思われるが、専用線廃止後も一部はコンテナ化され鉄道輸送が継続していた。

 日本通運(株)水沢支店とJR貨物盛岡支店が協力して、岩手県水沢地 区から新潟地区向け肥料輸送の一貫パレ化に成功した。秋から本格実施され、12ft コンテナで月間20〜40個のペースで順調に推移している。

 一貫パレ化したのは和賀仙人鉱山(株)が従来からコンテナ利用している消石灰で、着駅は新潟貨物ターミナル駅。着地倉庫として新潟市にある日本海倉庫(株)が、同倉庫で保管用に使っている特殊サイズパレット (1200×2400ミリ)をコンテナで発荷主の和賀仙人鉱山まで送り届け、そこから一貫パレで発送されてくる袋詰め消石灰を荷受けする−というやり方で ある。

 これまでは20s入りビニール袋に詰め、1コンテナに250袋を手荷役でバラ積みしていた。このコンテナ積み作業は、荷主戸口から平ボディー・トラック でバラ積みしてきたものを、駅頭で行うケースが主だった。

 一貫パレに際して検討の結果、上記の特殊サイズパレットは12ftコンテナに3枚積んでサイズが合い、5トンちょうど積めることが分かった。更に荷崩れ の防止策として、エアバックによって完全にでき、寿命も長い(50回使用可能)ことから、日通はこれを450枚購入した。

 現在、日本海倉庫は空パレットをコンテナで30数枚ずつ和賀仙人鉱山側に送り、エアバックも一緒に返送している。和賀仙人鉱山ではコンベアと僅かな人力 で出荷量の半分をパレタイズしている。

 これにより集荷所要時間が1時間短縮され、破袋も無くなり、工場構内の混雑が緩和された。着倉庫でも農協などユーザーへのパレット配送が可能となったた め、その普及に努めているという。

(参考文献:1993年11月15日付『運輸タイムズ』2面)


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