日本の鉄道貨物輸送と物流 Indexへ
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◆ 石油基地
2001.12.10作成 2008.1.1訂補 2010.6.27訂補
2010.7.4訂補 2010.7.15訂補 2010.8.9訂補 2010.8.16訂補
<目次>
共同利用石油 基地
1.日本オイルターミナル(株)/(株)オー・エル・エス  
2.東西オイルターミナル(株)
3.ジャパンオイルネットワーク(株)
4.岩手県オイルターミナル(株)
5.帝石トッピングプラント(株)

石油元売・総合商社等の油槽所・基地網
6.新日本石油(株)
7.(株)ジャパンエナジー
8.出光興産(株)
9.コスモ石油(株)
10.昭和シェル石油(株)
11.エクソンモービル(有)
12.キグナス石油(株)
13.三井石油(株)
14.丸紅(株)
15.兼松(株)
16.伊藤忠エネクス(株)
17.全農
全国の油槽所集積地帯
釧路港(西港区)
苫小牧港
室蘭港
青森港
八戸港
秋田港
仙台塩釜港(塩釜港区)
小名浜港
新潟東港
田子の浦港
大井川港
名古屋港(潮見町地区)
伏木港(国分港)
金沢港
福井港
大阪港(梅町地区)
境港
広島港(月見町)
高松港
高知港
博多港(荒津地区)
八代港(大島地区)
鹿児島港(谷山地区)

*西港駅
*石油埠頭駅
*本輪西駅
*青森駅
*本八戸駅
*穀保町駅
*塩釜埠頭駅




*汐見町駅
*伏木駅


*桜島駅
*境港駅


2008.3苫小牧港 鉄道輸送が 廃止された苫小牧港開 発(株)「石油埠頭駅」の跡地付近
。 各社の油槽所・石油基地が集積している

■共同利用石油基地  


1. 日本オイルターミナル(株)/(株)オー・エ ル・エス  

 まずは国鉄時代の日本オイルターミナル(株)(日本OT)黎明期の記述から。

 日本OTは、物資別ターミナルの先駆けとして誕生した「共同着基地方式」の石油基地であり、1973年度の輸送量は7基地の完全 稼働体制となったことから、景気の復調と石油類の需要増によって、開業当初に比べて約5倍の300万トンになった。これは国鉄石油輸送量の約18%に相当 する [1]。

 そして現在では更なる発展を遂げており、日本OTの存在感はより大きなものとして鉄道輸送のみならず、石油輸送全体においても確固たる地位を築い ている と言っ ても過言ではないだろう。

 全国12カ所の製油所から内陸10営業所までは、ブルーの大型タンク車で編成された石油専用列車でピストン輸送が行われている。専用列車は1列車 でほぼ 1200キロリットルの石油を運び、これは20キロリットルタンクローリーの60台分に相当する。2004(平16)年度の1年間で輸送した石油は、東 京ドームの約8倍に匹敵する996万キロリットルになる。これは全国の鉄道による石油輸送の約70%に当たる。(日本OTwebより

▼日本オイルターミナル(株)の会社概要(2009年6月)  (日本OTwebより
本 社
東京都千 代田区有楽町一丁目10番1号 有楽町ビル
設 立
1966(昭 41)年10月14日
資 本金
8億円
株 主
日本貨物 鉄道(株)
日本石油輸送(株)
(株)ニヤクコーポレーション
出光興産(株)
(株)ジャパンエナジー
キグナス石油(株)
コスモ石油(株)
昭和シェル石油(株)
新日本石油(株)
東燃ゼネラル石油(株)
(株)日陸
事 業
内容
1.石油 類、化学製品等の積卸施設及び荷さばき施設の運営
2.石油類、化学製品等の貨物運送取扱事業
3.不動産その他設備・施設の賃貸
4.全各号に付帯し又は関連する事業

日本OTwebより

▼日本オイルターミナル(株)の営業所一覧
営 業所名
立  地
発  駅
利 用荷主
(筆者予想含む)
営 業開始
年月日
設備[1]
(1973.3現在)
備   考
札幌営業 所
札幌 (タ)駅
本輪西
新日石
JOMO
な ど
1968(昭 43)年
12月2日
16基
17,930kl
◆ 「1983年版専用線一覧表」より道内の日本OTが第三者利用者の荷 主
 ・本輪西駅:日石精製、丸善、三石、中卯商会(大協、出光、モービル)
 ・石油埠頭駅:丸善、昭石、ゼネ石、共石、出光、苫小牧埠頭
◆苫小牧港開発(株)の1991年度の荷主[2]p43
 石油類:コスモ石油(株)、三菱石油(株)、共同石油(株)、日本オイルターミナル(株)

1999.8札幌営業所
旭川営業 所
北旭川駅
本輪西
新日石
2004(平 16)年
12月1日

◆新日本 石油の油槽所を移管
 タンク容量は27,543kl(11基)で年間50万klを取り扱う
 (『交通新聞』2004年7月15日付3面)

帯広営業 所
帯広駅
本輪西
新日石
2004(平 16)年
12月1日

◆新日本 石油の油槽所を移管
 タンク容量は16,558kl(6基)で年間30万klを取り扱う
 (『交通新聞』2004年7月15日付3面)

盛岡営業 所
盛岡 (タ)駅
仙台北港
新日石
JOMO
コスモ
など
1981(昭 56)年
10月1日

◆1981 年に本八戸→OT盛岡(営)向け石油専用列車設定[3]p13
◆「1983年版専用線一覧表」より東北地方の日本OTが第三者利用者の専用者
 ・本八戸駅:日石、出光、共石、東西オイルターミナル
 ・塩釜埠頭駅:大協、シェル  ・仙台北港駅:東北石油
◆「'85貨物時刻表」では本八戸→盛岡(タ)、塩釜港→盛岡(タ)に石油専用列車あり
◆1985.10に日本石油(株)は八戸発盛岡(タ)OT着の石油を全面的に仙台北港発
に移行[4]p98-99
◆1987.4に共同石油(株)は八戸発盛岡(タ)OT着の石油を仙台北港発に
転移[4]p99
◆1988.4に日本石油(株)は盛岡OTから一部を残し撤退[4]p101
◆2001.9に仙台北港から日石三菱(株)北上油槽所向け輸送が廃止[12]p126
同輸送は日本OT盛岡に集約され、同年12月には高速石油列車化

2010.10盛岡営業所
郡山営業 所
郡山駅
仙台北港
千葉貨物
川崎貨物
浜川崎
新日石
JOMO
コスモ
昭シェル
エクソンモービル
キグナス
1968(昭 43)年
12月19日
19基
14,840kl

2015.10郡山営業所
◆1999.3確認したタンクローリーは、日石、三石、モービル、ニヤク、全農SS
宇都宮
営業所
宇都宮(タ)駅
千葉貨物
川崎貨物
浜川崎
根岸
新日石
JOMO
コスモ
昭シェル
エクソンモービル
キグナス
1971(昭 46)年
12月10日
9基
24,950kl
◆パイプ ラ インにより隣接する日本石油基地へ接続(白油のみ)[1]
◆詳細は拙web「貨物取扱駅と荷主」の宇都宮貨物ターミナル駅
日本OT宇都宮営 業所の項を参照
高崎営業 所
倉賀野駅
千葉貨物
川崎貨物
浜川崎
根岸
新日石
JOMO
コスモ
昭シェル
エクソンモービル
キグナス
1967(昭 42)年
10月1日
24基
13,900kl
◆パイプ ラ インにより隣接する昭和石油基地へ接続[1]
◆パイプラインにより隣接する全農ぐんま石油基地へ接続
八王子
営業所
八王子駅
千葉貨物
川崎貨物
根岸
新日石
コスモ
エクソンモービル
キグナス
1971(昭 46)年
12月23日
11基
12,200kl
◆1973.3 現在の発送駅は根岸・新興(日石)、扇町(三石)、浜川崎 (昭石)、
末広町(日網)、浮島町(東燃)、浜五井(丸善)、前川(出光)[1]

2011.4八王子営業所
上田営業 所
西上田駅
川崎貨物
エクソン モービル
キグナス
新日石

(利用中止
元売会社)
コスモ
三菱
JOMO
1967(昭 42)年
10月1日
14基
5,050kl
◆パイプ ラ インにより隣接するゼネラル石油基地へ接続[1]
→現在は油槽所廃止。
◆1993.3ダイヤ改正でコスモ石油は田中・西上田向けの発駅を浜五井から四日市
に変更した。1998.4田中行き列車が廃止されたが同時に西上田の利用も中止か?
(拙web:コスモ石油(株)千葉製油所四日市製油所を参照)
◆1999.1扇町駅で扇町(三菱石油)→西上田(日本OT)の石油類のタンク車輸送を
目撃。2000.3ダイヤ改正で扇町→西上田の石油列車は廃止
(拙web:新日本石油 (株)旧 三菱 石油株式会社(関東地方)を参照)
◆2002.2知多駅で知多(JOMO)→西上田(日本OT)の揮発油、灯油、重油の
タンク車輸送を目撃。2002.3ダイヤ改正で知多駅の列車設定は消滅
(拙web:(株)ジャパンエナジー知多駅を参照)
◆2010.11西上田駅で浮島町(東燃ゼネラル)→西上田の揮発油、灯油、軽油の
タンク車輸送(12両編成)を目撃
◆2010.11上田営業所内でエネオスのタンクローリーが荷役しているのを目撃

1996.8上田営業所 手前のタンク車 には三菱石油の マークが見える
松本営業 所
南松本駅
千葉貨物
川崎貨物
根岸
四日市
新日石
コスモ
エクソンモービル
キグナス
1971(S46) 年
10月12日
9基
15,340kl
◆1996.12 多治見駅で塩浜:昭和四日市石油(ゼネラル石油)→南松本(日本OT)
の灯油輸送を目撃(拙web:汐見町駅エッソ石油(株)を参照)
飯田
(飯田線)
元 善光寺駅




◆中津川 線 が開通した際には「石油ターミナル」が建設される予定だった
Wikipedia より
これが日本OTになる予定かどうかは不明だが、その可能性が高いのでは。
草津
(滋賀県)
草津駅




◆1971 (昭46)年度以降に建設が予定[5]p126
◆草津駅は1970年3月にコンテナ扱いを開始(1982年11月廃止)していることを
踏まえると、同駅は滋賀県を代表する貨物ターミナルとしての役割を期待されて
いたのかもしれない。
高知営業 所
高知港

JOMO
コスモ
モービル
昭シェル
ゼネ石
1997(H9) 年
12月1日

◆1997 年7月1日にコスモ、ジャパンエナジーの2社で稼働、8月上旬 にモービル
が加わり、12月1日に昭シェル、ゼネラル石油が使用開始しフル稼働体制となる。
タンクは全体で27基、約22,000キロリットルの貯蔵能力を備える。
(『交通新聞』1997年8月4日付1面)


▼(株)オー・エル・エスの会社概要
本 社
東京都千 代田区丸の内2丁目2番3号 丸の内仲通りビル6階
設 立
1993(平 5)年10月29日
資 本金
6.4億 円
株 主
日本貨物 鉄道(株) 3億200万円
日本オイルターミナル(株) 2億9,800万円
昭和シェル石油(株) 1千万円
(株)ジャパンエナジー 1千万円
新日本石油(株) 2千万円
利 用
荷主
新日本石 油(株)
コスモ石油ルブリカンツ(株)
昭和シェル石油(株)
(株)ジャパンエナジー
三菱商事石油(株)
エクソンモービル有限会社
テクノイルジャポン(株)
キャタピラージャパン(株)
日本サン石油(株)
出光興産(株)
エチレンケミカル(株)
沿 革
1993 (平成05)年10月29日 設立(資本金2億円)
 ・日本貨物鉄道株式会社 1億200万円
 ・日本オイルターミナル株式会社 9,800万円

1995(平成07)年01月27日 第1回増資(資本金4億円)
 ・日本貨物鉄道株式会社 1億円
 ・日本オイルターミナル株式会社 1億円

1995(平成07)年04月26日 第2回増資(資本金4億2千万円)
 ・三菱石油株式会社(現新日本石油株式会社) 1千万円
 ・昭和シェル石油株式会社 1千万円

1995(平成07)年08月10日 第3回増資(資本金4億3千万円)
 ・株式会社ジャパンエナジー 1千万円
1996(平成08)年05月16日 鉄道コンテナによる搬入開始
1996(平成08)年07月01日 福岡、小倉 各取扱所開業
1996(平成08)年08月01日 佐世保、大分、延岡 各取扱所開業
1996(平成08)年09月01日 長崎、八代 各取扱所開業
1996(平成08)年10月02日 第4回増資(資本金4億4千万円)
 ・日本石油株式会社(現新日本石油株式会社) 1千万円
1997(平成09)年04月01日 小名浜、仙台 各取扱所開業
1998(平成10)年05月01日 八代、延岡、佐世保 各取扱所廃止
 小倉、福岡、大分、長崎 各取扱所を(株)サポートオーティーへ移管
1999(平成11)年01月01日 船舶用潤滑油大口輸送開始(九州全域)
1999(平成11)年02月08日 自衛隊専用潤滑油納入開始
1999(平成11)年04月01日 コスモ石油(株)南九州を除く九州全域配送開始
1999(平成11)年11月06日 第5回増資(資本金6億4千万円)
 ・日本貨物鉄道株式会社 1億円
 ・日本オイルターミナル株式会社 1億円

2000(平成12)年02月01日 コスモ石油(株)、北関東地区(栃木県・群馬県)シャトル便配送開始 *シャトル便=工場からの直接 配送
2000(平成12)年04月01日 コスモ石油(株)、北関東地区(福島県)シャトル便配送開始
2001(平成13)年04月01日 日石三菱(株)、宮崎・鹿児島地区配送開始
2001(平成13)年10月01日 北海道・中国地方シャトル配送開始
2002(平成14)年03月11日 フランス製エンジンオイル専用ローリー運行開始
2002(平成14)年04月01日 新物流システム「FOLS」稼動開始
2002(平成14)年10月01日 四国地方シャトル配送開始
2003(平成15)年09月 エクソンモービル(有)の北海道、北東北、四国、九州各地区の配送開始(『交通新聞』2004年2月5日付 3 面)
OLS会社 概要OLS沿革及 び2001.6現在のOLSのwebサイト(沿革)などより筆者作成


▼危険品倉庫の営業開始 サポートOT 九州地区4貨物駅構内で
  (『交通新聞』1998年4月21日付1面)
 JR貨物グループのサポートオーティーは新規事業の1つとして今月から、危険品を預かる倉庫の営業を開始した。九州地区内4カ所の鉄道貨物駅構内にある 石油類用倉庫を有効活用、市中進出を通じてグループの裾野拡大を図っていく。

 日本オイルターミナル(OT)の全額出資で1994年(平成6年)4月に発足したサポートOTは、JR貨物から見れば孫会社。社名通りOTの事業 補完や 荷主サービスの向上、鉄道を中心とする貨物輸送の利用促進を図るのが設立の目的。実際には95年、オイルターミナルから各地区にガソリン類を運ぶタンク ローリーに給油するための軽油専用のガソリンスタンドをJR貨物の八王子、宇都宮の両駅構内に相次いで開設。他に、同じくターミナル内に自動販売機設置な どを進めている。

 その中で今回はニュービジネスの1つとして、危険品倉庫への進出を決定し、3月26日に九州運輸局から営業許可を取得。新年度を期して正式に営業 開始し た。
 倉庫を置くのは、九州地区内の福岡貨物ターミナル東小倉(北九州市)、鶴崎(大分市)、長崎の4カ所のJR貨物駅構内。もともとは同じJR貨物グループで潤滑 油(エンジンオイル)の共同配送を手掛けるオー・エル・エス(OLS)が設けたオイル配送の中継拠点だったが、OLSが「オイル急送便」の名で甘木営業所 から直接スタンドに配送できる体制を整えたため中継施設に余 裕が生じるようになった。そこで、これら4施設の保管機能を有効活用する形で、危険品倉庫業に乗り出すことにした。

 預かるものは、企業を対象にした石油製品のほか化学薬品、塗料などで、4カ所揃って県庁所在地または政令指定都市にある地の利が最大のメリット。 保管だ けでなく配送もこなす。
 サポートOTでは、危険品倉庫業自体がまだ誕生後間もないビジネスであることから、業務内容を紹介するパンフレットを作製して県内の企業などに広く配 布、知名度アップと利用促進を目指していく。

▼(株)オー・エル・エスの物流センター概要
基 地名
所 在地
利 用荷主
取 扱能力
備 考
北海道
物 流センター
北海道苫 小牧市
一本松町
新日本石 油
約 20,000kl/年
2010(平 22)年06月 開業(『苫 小牧民報』2010年4月12日付
盛岡
物流 センター
岩手県盛 岡市
永井30-39
(盛岡(タ)駅構内、
日本OTに隣接)
昭和シェ ル石油
約 30,000kl/年 1998(平 10)年11月02日 開業(配送区域:青森県・岩手県・秋田県)
 利用荷主:昭和シェル石油(株)
2002(平14)年04月01日 設備増強完成

2010.10盛岡物流センター
郡山
物流 センター
福島県郡 山市富久山町
久保田字深田8-1
(郡山駅構内、
日本OTに隣接)
日本石油
三菱石油
コスモ石油
昭和シェル石油
約 30,000kl/年 1994 (平成06)年08月01日 開業(配送区域:福島県全域)
 利用荷主:日本石油(株)、三菱石油(株)、コスモ石油(株)
1996(平成06)年08月15日 川崎貨物−郡山で潤滑油輸送を鉄道コンテナへ転換(下記参照)
1997(平成09)年 利用荷主に昭和シェル石油(株)が加わる(『交通新聞』1997年9月10日付1面)
1997(平成09)年04月01日 設備増強完成(取扱能力1万キロリットルアップ)
 配送エリア拡大(岩手県・宮城県・山形県)

2006.11郡山物流センター この時点で側線は接続 を断たれ、コンテナの側線扱いは中止に
なっていたようだった。
市川
物流 センター
千葉県市 川市
二俣新町20-1
キグナス 石油
約 6,600kl/年
1999 (平成11)年04月01日 開業(キグナス石油(株)市川油槽所内)(下記参 照)
→現在、OLSのwebでは存在せず。また下記のキグナス石油の2008.12現在の油槽所一覧でも
市川油槽所が無いため廃止か?
九州
物流 センター
福岡県朝 倉市
下浦2441-4
日本石油
三菱石油
ジャパンエナジー
昭和シェル石油
モービル石油
コスモ石油
約 100,000kl/年 1996 (平成08)年07月01日 開業(南九州の一部を除く九州全域)
 利用荷主:三菱石油(株)、(株)ジャパンエナジー
1996(平成08)年08年01月 日本石油(株)利用開始
1996(平成08)年11月01日 甘木物流センターを甘木営業所に改称
1998(平成10)年頃 昭和シェル石油(株)とモービル石油(株)を誘致
 (『交通新聞』1999年2月9日付1面)

1998(平成10)年08月01日 合理化実施
 (オーダーの午前中化、配送方法の効率化、システム改善等)
1998(平成10)年11月 コスモ石油(株)利用開始(福岡、熊本両県)
 (『交通新聞』1999年4月20日付1面)

1999(平成11)年02月26日 設備増強完成(取扱能力2万klアップ)
1999(平成11)年04月 コスモ石油(株)が九州の残り5県利用開始
 (『交通新聞』1999年4月20日付1面)

2000(平成12)年08月01日 IBCコンテナ取扱開始
2006(平成18)年04月01日 甘木営業所を「九州物流セ ンター」に名称変更

▼潤滑油輸送 OLSがコンテナ化 川崎−郡山間でスタート  (『交通新聞』1996年5月22日付1面より抜粋)
 JR貨物の関連会社で潤滑油の共同配送を手掛ける「オー・エル・エス(OLS)」は15日、同社の郡山物流センターに搬入する潤滑油製品の輸送手段につ いて、一部をトラックから鉄道コンテナに切り替えた。京浜地区から同センターまでの輸送に利用する。OLSでは物流費の削減や定時輸送による製品の安定供 給などの点で、トラックよりも鉄道利用が優位であると判断。今後も潤滑油輸送のコンテナ化を促進する考えだ。

 OLSが利用するのは川崎貨物発、郡山行きの石油タンク車の専用貨物(車 扱)列車。新たにコンテナ専用貨車を1−2両連結し、ドラム缶などに入った潤滑油を運ぶ。同社が物流センターへの潤滑油輸送に鉄道コンテナ を使うのは初めて。

 列車は京浜工業地帯の精油所で出荷された潤滑油を積み、JR郡山駅構内にある郡山物流センターのコンテナ基地に直接乗り入れる。1日1便の運行で輸送量 はドラム缶約125本(2万5,000リットル)。今のところ12ftコン テナ換算で5個程度だが、来年1月をめどに最大10個ま で倍増させる考え。

 郡山物流センターは94年8月にOLSが初めて開業した施設で、来年1月を目標に取り扱い能力を現行の2.5倍の年間2万5,000キロリットルまで増 強する。このほかにも、今年7月には九州地区を配送エリアとする甘木物流センターを開業予定。今後は北関東地区の高崎と宇都宮、四国地区などにも建設を計 画中で、郡山以外でも潤滑油の搬入に鉄道コンテナを利用する方 針。

※2001年当時のOLSのwebでは、「コンテナ」輸送を推進すると いうページが存在し、「平成8年から郡山物流センターにおいて日石三菱の商品輸送にコンテナを利用している」とある。

「郡山物流センター」におけるコンテナ輸送の 荷役(取卸)状況
(2001年当時のOLSのwebより)

OLSの開発した「潤滑油専用コンテナ」
(2001年当時のOLSのwebより)

▼特集 進展させよう一貫パレ 荷崩れを防ぐ装置 OLS 潟Iー・エル・エス (『JR貨物ニュース』2001年9月1日号、6面より抜粋)
 (株)オー・エル・エス(略称OLS)は、石油元売各社が販売する潤滑油等のパッケージ商品を、生産工場からユーザーの手元まで輸送する、共同物流会社 であ る。
 同社は盛岡・郡山・甘木に3つの物流センターを持ち、ドラム缶から小さなグリス類まで数千種類に及ぶ潤滑油製品を取り扱っている。配送先は大都市から離 島まで。ガソリンスタンド、工場、発電所、工事現場、停泊中の船などあらゆる場所に及ぶ。

 これら潤滑油を同社では、トラック・鉄道を利用しているが、このうち鉄道を利用しているのは、川崎と郡山の間。この区間では、トラックと鉄道とで半々に輸送されている。
 郡山物流センターは県下最大規模の潤滑油物流拠点であるため、もしもの場合に備えて2つの輸送手段を確保しているのだ。コンテナは、物量に応じ20ft私有コンテナ12ftコンテナを使い分けている。

 パレットは、T11型木製レンタルパレットが主。倉庫保管用に自社パレットも保持しているが、これは輸送には用いていない。パレット管理は石油元売各社 が行っていて、郡山物流センターでは、パレット収受枚数を元売各社へ連絡しているのみ。連絡方法は元売会社のパレット管理システムによって異なり、端末か らオンラインでデータ送信するところや、手書きパレット伝票をコンテナ内部にガムテープで貼りつけるところなど様々だ。

 缶の大きさ・形状がまちまちで、なおかつ数量がバラバラである潤滑油をパレット輸送している同社では、荷崩れ防止具「網かけくん」と、独自の工夫を凝ら した、潤滑油輸送私有コンテナとを活用している。


▼潤滑油の共同配送 順調に伸ばす取扱量 OLS
 (『交通新聞』1997年9月10日付1面)
 自動車や機械に欠かせない潤滑油の共同配送を狙いに、まもなく設立丸4年を迎えるJR貨物グループのオー・エル・エス(OLS)が順調に 取扱量を伸ばしている。物流の効率化が立ち遅れていた新分野に着目、注文翌日には製品が配送される体制を作り上げ、本年度4−6月の第一四半期では昨夏新 設の甘木営業所(福岡県甘木市)も含め、前年の9倍増に当たる出荷実績。鉄道貨物で蓄積したノウハウを活用しての市中進出と位置付けられる同社の成功は業 界的にも注目を集め今後、北海道や四国など全国展開を図っていく考えだ。

システム化が実現
 自動車や機械にとっての血液≠ニもいえる潤滑油は、ガソリンや軽油などの燃料油同様、メーカーに当たる大手石油元売各社が生産、ドラム缶や灯油でおな じみのペール缶で出荷している。物流については、これまで各社が独自のルートでバラバラに配送していたため、遠隔地の場合、注文から実際に商品が届くまで 1週間程度かかるケースも少なくなく、石油製品の輸入自由化の流れもあって、コストダウンを目的にしたシステム化と効率化が緊急の課題になっていた。
 その共同配送を目指し、JR貨物とグループの日本オイルターミナル、それに元売各社が出資して1993年(平成5年)10月、設立されたOLS。親会社 のオイルターミナルが、燃料油で蓄えてきた共同配送基地運営のノウハウを生かし、潤滑油について同様の基地運営から配送まで一貫してこなす。鉄道貨物とし てあまりなじみのなかった潤滑油を扱う新会社は、レールから離れた市中進出の期待を集めての船出。
 設立翌年、福島県郡山市に郡山物流センターを開設したのに続き、昨年7月には九州自動車道・鳥栖インターチェンジ近くに甘木営業所を開設。受注やメー カーへの発注は、コンピューターでオンライン化。「オイル急送便」のブランド名を冠したトラックは、郡山に約10台、甘木に約20台を配備。九州一円に は、中継基地になる取扱所も合わせて7カ所設けた。

九州の25%占める
 躍進ぶりを物語るのが出荷数量で、第一四半期を見れば、甘木は9,867トンと早くも1万トンに迫り、九州地区全体の潤滑油流通量のほぼ4分の1のシェ アを確保。新たに昭和シェル石油が加わり、配送エリアを福島県全域のほか宮城、山形両県に広げた郡山も4,707トンに上り、前年に比べざっと3倍に増や した。
 同社では、メーカー側が中小物流拠点の統廃合をもくろみつつあるのを追い風に今後、北海道千歳岩手県北上群馬県高崎岡山県水島、さらに愛媛県豊島の5地区への進出を目指して現在メーカーと折衝中。「一流の ハードに負けないよう、社員一人一人がサービス面にも磨きをかけ、OLSの名を広く全国に浸透させたい」と、原幹人社長は事業展開をめぐって抱負を語る。


▼キグナス石油の潤滑油物流 OLSが一括受託
 (『交通新聞』1999年4月9日付1面より抜粋)
年商、前年の1.5倍強に JR貨物利用促進にも一役
 機械油や自動車オイルの共同輸送を手掛けるJR貨物グループのオー・エル・エス(OLS)は、石油元売り会社のキグナス石油から潤滑油の 物流を全面的に請け負うことで合意。1日から全国ネットで輸送業務を開始した。ここ数年で物流業界のトレンドになったアウトソーシング(外注化)の流れに 沿ったもので、大手企業からの一括受託はJR貨物グループでも初めて。本年度OLSの年商は前年の1.5倍強に増える見通しで、総合物流企業を目指す同グ ループの裾野を広げる取組みとして期待を集めている。

 キグナス石油については従来OLSと取引関係はなく、千葉県市川市の市川 油槽所をベース釧路苫小牧名古屋金沢大阪小松島小倉全国7カ所の中継基地を経由して系列のスタンドなどに潤滑油を自社配送 していたが、物流効率化に向け、これら基地を縮小するプランが浮上。その中で、今年に入ってからOLSに業務委託の打診があり、複数企業とのコンペに勝ち 残った結果、移管が決定した。

 実際の輸送業務では、両社でのホストコンピューターを直結し、注文数量などの情報はキグナス側からオンラインで伝達。OLS側は発送はもとより、450 種に上る商品の在庫管理も受け持つ。また、キグナスの潤滑油は静岡県大井川 町の系列メーカーなどで製品化されているが、OLSはメー カーの工場から市川油槽所までの搬送も担当する。

 原則として毎日12時に注文を締め切り、その日の午後に発送。発送トラックは北海道西濃運輸はじめ各エリアの大手トラック事業者を使い、関東、東北、中 部、近畿地区は翌日、それ以遠の北海道や中国、九州地区は2日目の配送体制を完備。扱い量は年間6,600キロベースでスタートするが、キグナス側が中継 基地を完全に集約すれば1万トン程度まで増える見通し。また、一部地域では 鉄道輸送も併用され、JR貨物の利用促進にも一役買うことになる。

 業務移管に伴って、OLSはキグナス市川油槽所構内市川物流センターを開設。宗形敏彦所長以下社員3人体制で運営する。
 業務スタート前日の3月31日には同物流センターで第1便トラックの出発式が開かれ、原幹人社長(日本OT副社長)はあいさつで、「ほかの新規プロジェ クト効果も合わせ、99年度の年商は15億−16億円程度(98年度約9億円)に伸ばせる見通し。石油業界の物流効率化支援を武器に、引き続きほかの元売 会社の業務受注にも取り組んでいきたい」と、さらなる飛躍を誓った。


▼OLS 潤滑油共配が好調/九州はシェア90%超に 荷主の拠点集約 し効率化貢献
 (『輸 送経済新聞社』2005年8月30日更新
 潤滑油輸送を行うオー・エル・エス(OLS、 本社・東京、原幹人社長)は、石油元売り各社の共同配送に力を入れている。東北・九州地区の計32の物流拠点を、盛岡市・福島県郡山市・福岡県甘木市の3 拠点に集約。積載率向上やトラック利用台数を減らし、CO2排出量も年間749トン低減した。
 同社は、平成5年の設立以来、安全と品質の良さをアピールし続け、取り扱い荷物を増やしている。九州をみると、潤滑油物流の90%以上を同社が手掛けて いる。
 成長の原動力には、徹底された安全輸送がある。同社の事故率は0.0013%。内山昭紀常勤監査役は「潤滑油物流平均の10分の1以下」という。
 また、200キログラムのドラム缶も配送するため、トラックはパワーゲート(電動簡易リフト)付きのみを利用し、安全に荷物の積み降ろしを行う。危険品 の基礎知識を持ってもらうため、危険品取扱免状乙種第四類の取得も推進。同社の社員とドライバーの大半が取得している。
 さらに、誤配送を防ぐため、トラックの積み込み時には、荷物のチェックをドライバーと社員が二人で行う。配送先では、ドライバーと顧客でチェックを行 い、クレームを防ぐ体制をとる。
 内山監査役は「センター立ち上げ当初は大変だったが、経験を積んでチェック時間が早くなっていった」と話す。

実輸送外注し保管業務注力
 倉庫内の保管では、荷崩れ防止のラップを巻いて保管する。ラップの巻き方に工夫があり、16日の宮城沖地震でも、荷物の被害はゼロだった。
 同社の輸送業務は、物流業者に委託している。「輸送業務をプロの物流業者に任せ、人的資源をセンター業務に特化できたことも、安全、品質を確立できたポ イントだった」と内山氏は振り返る。
 輸送業務を委託しているため、勉強会も徹底。ドライバーの研修、物流事業者との安全講習会、元売り各社の商品情報交換などの勉強会をそれぞれ月に一回開 催。新商品の情報や、商品の取り扱い注意点、間違いやすい商品の情報などを共有し、誤配送の防止を図っている。
 今年6月には日本物流団体連合会(栗林貞一会長)から物流環境保全活動賞の受賞を受けた。安全だけでなく環境に配慮する輸送を前面に押し出し、九州・東 北地区以外にも営業を強化していく。 (川崎 勇)



2.東 西オイルターミナル(株) (2003.3.30作成、2010.6.26訂補)  

 東西オイルターミナル(株)(以下東西OT)は日本OTと並んで全国各地に展開する石油共同基地で、近年は株主である新日本石油やコスモ石油から の油槽所譲渡に伴い日本最大の貯油能力を持つ共同油槽会社となった。

 石油の物流は、製油所→臨海油槽所(2次基地)→内陸油槽所(3次基地)→需要家のルート(一部は製油所から直接3次基地又は需要家へ輸送)で輸 送さ れ、日本OTが内陸油槽所(3次基地)主体の石油共同基地だとすれば、東西OTが臨海油槽所(2次基地)主体の基地と言える。そのためタンク車輸送に着目 すると、日本OTは製油所や臨海油槽所(現在は無し)からタンク車で石油が到着する基地である一方、東西OTは(現在は廃止されてしまったが…)タンク車 で石油を内陸油槽所へ発送する基地も存在した。

 また日本OTは現在のところ廃止された営業所(油槽所)は無いが、東西OTは複数の閉鎖された油槽所(旭川、(旧)日立、蒲郡、(旧)福井、下 関、沖 縄)があるのも特徴だ。特に旭川油槽所は鉄道貨物輸送を行っていただけに閉鎖を知った時は衝撃だった。

本社
東京都港 区芝五丁目3番2号(芝第一ビルディング5F/6F)
設立
1970 (昭和45)年3月2日
資本金
4億 8,000万円
株主
三菱石油 (株)、丸善石油(株)、大協石油(株)(1980年現在)
三菱石油(株)50% コスモ石油(株)50%(1998年3月現在)
新日本石油(株)50%、コスモ石油(株)50%(2008年現在)
業績
売上高: 約59億円(1998年3月期)
当期利益:約41百万円(1998年3月期)

<設立の経緯>
 石油製品の流通分野における最新式設備の大型油槽基地を建設し、あわせて石油類の受払いを集約的かつ効率的に実施することにより、流通コストの低減に寄 与 することを目的として、三菱石油と丸善石油は共同出資により、昭和45年3月東西オイルターミナルを設立した。

 同社は、青森・金沢両油槽所を建設、操業を開始するとともに、46年には大協石油の資本参加も得て3社共同油槽会社に発展した。

 さらに同社は、蒲郡、東新潟などの大型油槽所を次々と建設、53年には釧路油槽所を増設しパイプライン出荷を開始 するなど、業務内容の拡大を図るとともに、消防法改正にともなう安全対策にも万全を期し、各地区での石油製品の安定供給に、また流通コストの低減による価 格の安定に貢献している。

・油槽所  釧路、旭川、青森、八戸、酒田、東新潟、日立、金沢、福井、蒲郡、下関、日向、沖縄
・事業所  小名浜
(昭和55年現在)

<東西オイルターミナル設立後の三菱石油[6]・ 大協石油[7]の油槽所に関する年表>
昭和45年03月 東西OT設立
昭和45年04月 三菱、八代油槽所設置
昭和45年10月 東西OT、青森・金沢両油槽所設置
昭和45年11月 三菱、姫路・高知両油槽所設置
昭和45年12月 大協、新名古屋油槽所、尼崎油槽所開所
昭和46年11月 東西OT、酒田油槽所設置
昭和46年12月 東西OT、蒲郡油槽所設置(三菱)
昭和47年02月 東西OT、蒲郡油槽所開所(大協)
昭和47年02月 三菱、塩釜油槽所廃止
昭和47年02月 三菱、大阪油槽所設置
昭和47年03月 大協、中川油槽所閉鎖
昭和47年05月 三菱、下松油槽所設置
昭和47年06月 三菱、日南油槽所設置
昭和47年10月 三菱、彦島油槽所(昭和23年11月設置) 東西OT下関油槽所になる
昭和48年10月 三菱、日立油槽所(昭和37年04月設置) 東西OT日立油槽所になる
昭和48年10月 東西OT、東新潟油槽所設置←これに伴い三菱の新潟油槽所廃止か
昭和48年12月 大協、亀田油槽所閉鎖
昭和49年07月 三菱、高松油槽所設置←1996年8月モービル石油(株)高松油槽所と 共同 利用化(『石油文化』石油文化社、第44巻第4号、1996年)
昭和49年08月 東西OT、八戸油槽所設置
昭和49年10月 東西OT、沖縄油槽所設置
昭和49年12月 東西OT、釧路油槽所設置
昭和49年12月 大協、苫小牧共同オイルターミナル完成
昭和50年11月 大協、塩釜油槽所ほか7ヵ所を四日市油槽に売却 ← 専用線一覧表により確認できる残りの6ヶ所は脇野田(信越本線)水 江町(神奈川臨海)、東富山(北陸本 線)村井(篠ノ井線)、元善光寺(飯 田線)、田中(信越本線)
昭和52年05月 大協、志村橋油槽所閉鎖
昭和52年06月 大協、飾磨油槽所閉鎖
昭和53年03月 大協、京都油槽所閉鎖←新田(奈良線)か?現在コスモ系の京都石 油中継 (梅小路)との関係は?
昭和53年10月 東西OT、旭川油槽所設置
昭和53年12月 三菱、釧路油槽所廃止
昭和54年05月 大協、旭川・甲府両油槽所閉鎖
昭和54年10月 大協、神町油槽所閉鎖←神町に専用線有り(S42現在)
昭和54年11月 大協、武生油槽所閉鎖東 西OT、福井油槽所設置←西武生(福井鉄道)に専用線有り(S42現在)
昭和55年01月 三菱、小名浜油槽所廃止 同年02月 東西OT、小名浜合同油槽所設置
昭和55年05月 大協、盛岡・大館両油槽所閉鎖
昭和55年10月 東西OT、日向油槽所完成予定 また共同石 油は昭和59年10月に土々呂油槽 所を廃止したが、その代替基地は東西OT日向油槽所である[8]。

▼東西OTの油槽所(事業所)一覧
所 名
( )は廃止
所 在地
開 所・閉鎖
貯 油槽能力
利 用元売会社
備   考
(旭川油 槽所)
北海道旭 川市
流通団地一条
5-1
1978 年11月開所
1999 年11月閉鎖

三菱石油
コスモ石油
◆1979 年5月に大協石油(株)旭川油槽所が閉鎖されているためコスモ石油 の
利用の可能性高い
◆「1983年版専用線一覧表」では北旭川駅接続の東西OT専用線あり
釧路油槽 所
北海道釧 路市
西港1-98-26
下記地図参照
(A地 区)
1974年12月開所
1977年12月増強
(B地区)
2004年9月開所
(A地 区)
15基 67,800kl
(B地区)
2基 3,000t
コスモ石 油
新日本石油
◆1974 年12月:第1期工事完成
◆1977年12月:第2期工事完成
◆「1983年版専用線一覧表」では西港駅接続の東西OT専用線あり
◆釧路開発埠頭(株)西港線は1999年9月に営業を廃止
◆2004年4月:旧日本石油(株)分の利用開始、新日本石油(株)から
釧路西港油槽所の一部を借受け集約
苫小牧油 槽所
北海道苫 小牧市
真砂町15
下記地図参照
(A地 区)
1967年11月開所
(B地区)
1966年10月開所
2005年4月借受
2007年4月買取
(A地 区)
12基 45,775kl
(B地区)
3基 15,480kl
コスモ石 油
新日本石油
(2008.3.7確認)
◆ 「1983年版専用線一覧表」では石油埠頭駅接続の丸善石油(株)専用線あり
◆1998年3月にコスモ石油(株)は苫小牧港開発(株)の鉄道輸送を廃止した
 ([13]p54)

◆苫小牧港開発(株)の石油埠頭駅は1998年4月に営業を休止、2001年に廃止
◆2005年4月:コスモ石油(株)苫小牧油槽所を借受け運営開始(A地区)
◆2006年8月:新日本石油(株)が参加、新日本石油(株)苫小牧油槽所を
買取り集約

2008.3苫小牧油槽所(石油埠頭駅跡 付近)
青森油槽 所
青森県青 森市
柳川2-1-9
1970 年10月開所

(A地 区)
11基 35,971kl
東燃ゼネ ラル石油
コスモ石油
新日本石油
ジャパンエナジー
(2006.8.7確認)
◆2009 年4月:青森油槽所のA地区として一元化運営開始

2006.8青森油槽所
(新 青森
油槽所)
青森県青 森市
柳川2-1-3
1965 年6月開所
2005 年4月借受
2009 年3月買取
(B地 区)
19基 68,126kl
新日本石 油
◆ 「1983年版専用線一覧表」では青森駅接続の日本石油(株)専用線あり
◆2005年4月:新日本石油(株)青森油槽所を借受け、新青森油槽所として
運営開始
◆2009年4月:青森油槽所のB地区として一元化運営開始
八戸油槽 所
青森県八 戸市
豊洲2-12
下記地図参照
(A地 区)
1980年10月開所
(B地区)
1974年8月開所
(C地区)
1980年10月開所
(A地 区)
16基 80,700kl
(B地区)
13基 17,890kl
(C地区)
9基 8,466kl
コスモ石 油
新日本石油
◆丸善石 油(株)八戸油槽所を譲受け開所(B地区)
◆1980年10月:八戸新港(A地区)に八戸油槽所を増設し、
大協石油(株)八戸油槽所(C・D地区)を譲受けA地区を中心に統合
◆「1983年版専用線一覧表」では本八戸駅接続の東西OT専用線あり
◆2004年4月:旧日本石油(株)分の利用開始、新日本石油(株)から八戸油槽所
の豊洲貯油所を借受け集約
◆2006年3月:新日本石油(株)から八戸油槽所の豊洲貯油所を買取り
◆2017年4月:JXエネルギー八戸油槽所を借受け八戸油槽所(D地区)として集約

2006.3八戸油槽所
秋田油槽 所
秋田県秋 田市
寺内字後城
322-6
下記地図参照
1965 年12月開所
2005 年4月借受
2007 年4月買取
9基  8,832kl
コスモ石 油
◆コスモ 石油(株)秋田油槽所を借受け運営開始
酒田油槽 所
山形県酒 田市
大浜2-2-48
(A地 区)
1971年11月開所
(B地区)
1969年11月開所
(A地 区)
5基 15,810kl
(B地区)
7基 22,818kl
新日本石 油
コスモ石油
東燃ゼネラル石油
(2004.6.6確認)
◆2001 年6月:旧日本石油(株)分の利用開始
◆2009年4月:(株)ジャパンエナジー酒田油槽所を借受けB地区として運営開始

2004.6酒田油槽所 手前は日石三菱 (株)酒田油槽 所の 跡地
塩釜油槽 所
宮城県塩 釜市
貞山通3-29-10
下記地図参照
1964 年5月開所
2005 年4月借受
2009 年4月買取
28基  41,188kl
コスモ石 油
◆ 「1983年版専用線一覧表」に塩釜埠頭駅に丸善石油(株)、大協石油(株)の
専用線あり
◆1987年3月までに専用線は廃止された模様(Wikipediaよ り)
◆コスモ石油(株)塩釜油槽所を借受け運営開始
小名浜事 業所
福島県い わき市
泉町下川字大剱
1-50
(A地 区)
1979年11月受託
(B地区)
1993年10月開所
(A地 区)
13基 23,870kl
(B地区)
3基 8,490kl
新日本石 油
コスモ石油
昭和シェル石油
東燃ゼネラル石油
(予想)
◆三菱石 油(株)、丸善石油(株)、大協石油(株)、昭和石油(株)、
ゼネラル石油(株)の5社共有の「小名浜事業所」の運営を受託(A地区)
◆2001年4月:旧日本石油(株)分の利用開始

2003.10小名浜事業所
(日立油 槽所)
茨城県日 立市
大みか町5-3-1
1973 年10月開所
1999 年6月閉鎖

三菱石油
コスモ石油
モービル石油
◆三菱石 油(株)・丸善石油(株)の両油槽所を譲受け開所
(日立油 槽 所)
茨城県日 立市
大甕町5-5-15
1962 年6月開所
2005 年4月借受
2007 年3月買取
2011年11月閉鎖
18基  28,509kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)日立油槽所を借受け運営開始

2010.12日立油槽所
川崎油槽 所
神奈川県 川崎市
川崎区夜光
3-2-1
1956 年9月開所
2005 年4月借受
2009 年4月買取
28基  31,249kl
コスモ石 油
(2010.7.25確認)
◆ 「1983年版専用線一覧表」では水江町駅接続の四日市油槽(株)専用鉄道あり
◆1989年12月31日に水江町接続のコスモ石油(株)専用鉄道は廃止 され たに
([14]p139)
◆コスモ石油(株)川崎油槽所を借受け運営開始
東新潟油 槽所
新潟県新 潟市
北区太郎代
字浜辺
2881-22
下記地図参照
1973 年10月開所
21基  120,530kl
コスモ石 油
新日本石油
東燃ゼネラル石油
(2003.5.10確認)
◆開所時 に隣接の丸善石油(株)備蓄タンクの運営管理を受託
◆2001年4月:旧日本石油(株)分の利用開始
2003.5東新潟油槽所
大井川油 槽所
静岡県焼 津市
飯淵字港区
2026
下記地図参照
1971 年11月開所
2005 年4月借受
2009 年3月買取
10基  26,861kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)大井川油槽所を借受け運営開始
(蒲郡油 槽所)
愛知県蒲 郡市
浜町28
1971 年12月開所
2000 年11月閉鎖

三菱石油
コスモ石油
◆1972 年2月に大協石油は東西OT蒲郡油槽所開所
2003.3蒲郡油槽所 閉鎖済み
金沢油槽 所
石川県金 沢市
大野町4丁目ソ3
下記地図参照
(A地 区)
1970年10月開所
(B地区)
2002年7月開所
(A地 区)
19基 76,648kl
(B地区)
8基 29,571kl
コスモ石 油
日石三菱
昭和シェル石油
(2001.10確認)
◆1999 年4月:昭和シェル石油(株)が参加
◆2002年7月:旧日本石油(株)分の利用開始、新日本石油(株)から金沢油槽所
を借受け集約(B地区)
(福井油 槽所)
福井県坂 井郡
三国町新保96
字三里 浜1-2
下記地図参照
1979 年11月開所
1999 年6月閉鎖

三菱石油
コスモ石油
◆1979 年11月に大協石油(株)武生油槽所が閉鎖されているのでコスモ石 油の
利用の可能性は高い
福井油槽 所
福井県坂 井市
三国町新保87
字4-2
下記地図参照
1978 年12月開所
2005 年4月借受
2008 年3月買取
10基  35,880kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)福井油槽所を借受け運営開始
2017.10 福井油槽所
姫路油槽 所
兵庫県姫 路市
飾磨区中島字
宝来3059-1
1965 年10月開所
2005 年4月借受
2008 年4月買取
14基  10,981kl
コスモ石 油
◆コスモ 石油(株)姫路油槽所を借受け運営開始
広島油槽 所
広島県広 島市
南区月見町
2244
下記地図参照
1967 年8月開所
2005 年4月借受
2008 年4月買取
15基  9,213kl
コスモ石 油
◆コスモ 石油(株)広島油槽所を借受け運営開始
境港油槽 所
鳥取県境 港市
昭和町2
下記地図参照

(A地 区)
1991年12月開所
(A地 区)
16基 39,068kl
ジャパン エナジー
コスモ石油
昭和シェル石油
三菱石油
(1998.8.10確認)
◆三菱石 油(株)、コスモ石油(株)、昭和シェル石油(株)、共同石油(株)が参加
◆2009年4月:境港油槽所のA地区として一元化運営開始
(新 境港
油槽所)
鳥取県境 港市
昭和町2-2
下記地図参照
(B地 区)
1977年11月開所
2005年4月借受
2008年3月買取
(B地 区)
8基 28,291kl
新日本石 油
◆2005 年4月:新日本石油(株)境港油槽所を借受け、
新境港油槽所として 運営開始
◆2009年4月:境港油槽所のB地区として一元化運営開始
2018.6 境港油槽所
(高知油 槽 所)
高知県高 知市
五台山タナスカ
4989
1964 年7月開所
2005 年4月借受
2008 年3月買取
2010年9月閉鎖
17基  15,715kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)高知油槽所を借受け運営開始
(下関油 槽所)
山口県下 関市
1972 年10月開所
1983 年7月閉鎖

三菱石油
◆三菱石 油(株)彦島油槽所を譲受け開所
北九州油 槽所
福岡県北 九州市
小倉北区西港町
95-2
2004 年7月借受
2007 年3月買取
16基  91,539kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)北九州油槽所を借受け運営開始
(小倉油 槽 所)
福岡県北 九州市
小倉北区末広
2-2-3
1960 年7月開所
2005 年4月借受
2007 年4月買取
2018年12月閉鎖
20基  34,594kl
コスモ石 油
◆ 「1983年版専用線一覧表」では東小倉駅接続の大協石油(株)専用線あり
◆コスモ石油(株)小倉油槽所を借受け運営開始
福岡事業 所
福岡県福 岡市
中央区荒津
1-3-35
下記地図参照
2004 年7月借受
2007 年3月買取
24基  28,313kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)福岡油槽所を借受け運営開始
◆2010年4月:新日本石油(株)から業務を受託し福岡事業所として
一括業務を受託
佐世保油 槽所
長崎県佐 世保市
大塔町1306-3
1995 年4月開所
11基  12,340kl
コスモ石 油
新日本石油
◆コスモ 石油(株)佐世保油槽所を譲受け開所
◆2001年4月:日石三菱(株)が参加
長崎油槽 所
長崎県長 崎市
小ヶ倉町
1-617-2
1982 年9月開所
14基  19,103kl
コスモ石 油
新日本石油
◆三菱石 油(株)・大協石油(株)の両油槽所を譲受け開所
◆2001年4月:旧日本石油(株)分の利用開始
八代
第一油槽所
熊本県八 代市
大島町5058
下記地図参照
1969 年2月開所
2005 年4月借受
2009 年3月買取
20基  36,874kl
新日本石 油
◆新日本 石油(株)八代油槽所を借受け運営開始
八代
第二油槽所
熊本県八 代市
大島町5062
下記地図参照
1969 年11月開所
2005 年4月借受
2009 年4月買取
15基  18,186kl
コスモ石 油
◆コスモ 石油(株)八代油槽所を借受け運営開始
日向油槽 所
宮崎県日 向市
大字日知屋
字畑浦
5552-497
1980 年12月開所
8基  22,480kl
コスモ石 油
新日本石油
東燃ゼネラル石油
(2006.3.20確認)
◆2001 年4月:旧日本石油(株)分の利用開始

2006.3日向油槽所
(宮崎油 槽 所)
宮崎県宮 崎市
港1-18
2006 年4月借受
2008 年4月買取
2015年12月閉鎖
19基  26,582kl
コスモ石 油
◆コスモ 石油(株)宮崎油槽所を借受け運営開始
鹿児島油 槽所
鹿児島県
鹿児島市
谷山港1-5-1
(A地 区)
1991年10月開所
(B地区)
1997年4月開所
(A地 区)
12基 32,680kl
(B地区)
包装品専用
コスモ石 油
ジャパンエナジー
昭和シェル石油
◆三菱石 油(株)、コスモ石油(株)、共同石油(株)が参加(A地区)
◆1997年4月:昭和シェル石油(株)が参加(潤滑油のみ)(B地区)
◆1998年4月:昭和シェル石油(株)が燃料油の取扱い開始
(沖縄油 槽所)
沖縄県
1974 年10月開所
1998 年3月閉鎖

三菱石油

所名、住所、開所・閉鎖、貯油槽能力等の基本的な情報は東西OT会社概要(2010年4月1日現在)より、 但し閉鎖された油槽所の住所は[9]、
利用元売会社はコスモ石油については2008.12.1現在[10]p19、三菱石油については1981年現在[6]、又は現地確認…( )で明示、一部は上記東西OT会社概要より類推。



3.ジャパンオイルネットワーク(株)  (JONET)   

 昭和シェル石油の物流の効率化を狙って昭和シェル石油及び関連の深い上野運輸、そして上野運輸の船舶部門で後に上野運輸に併合される平和汽船の3 社 によって設立された石油物流会社。昭シェルとJエナジーとの戦略的提携関係によってJ社の利用や出資も検討されるが実現はまだしていない模様。

▼上野運輸商会、油槽所運営で新会社/昭和シェル石油と連携 (『輸 送経済新聞』1997年12月9日付)
 上野運輸商会(本社・横浜市、上野孝社長)は平成10年1月、昭和シェル石油(本社・東京、山崎保社長)と共同で油槽所運営会社を設立する。新会社は昭 和シェル石油の製品だけでなく、他社製品も積極的に取り扱っていく方針だ。

 新会社は「ジャパンオイルネットワーク(仮称)」。従業員は89人で、新社長には、上野運輸商会の上野孝社長が就任する。資本金は4億8000万円、出 資比率は上野グループが51%、昭和シェル石油グループが49%。主な業務内容は、昭和シェル石油の9カ所(苫小牧、青森、八戸、松本、清水、福井、西名 古屋、西戸崎、八代)の油槽所の運営や構内作業の受託など。5年 後の売り上げは、約49億円を見込んでいる。石油取扱量は年間約800万キロリットルを見込んでいる。

 現在、石油元売り各社は油槽所の統廃合など、物流コスト削減策を打ち出している。新会社で計画している他社製品の取り扱いは、石油業界で進む共同化の動 きを一層加速すると予想される。

▼JONETの油槽所一覧(2004年3月現在)
所 名
()は廃止
所 在地
海 上出荷 ロー リー積場
タ ンク
貯蔵能力
利 用元売
会社
備   考
苫 小牧
油槽所
北海道苫 小牧市
真砂町24-1
下記地図参照
A重油  100kl/H
白油  12車線
黒油  2車線
17基
75,240kl
昭シェル
◆ 「1983年版専用線一覧表」では石油埠頭駅に昭和石油(株)専用線あり

2008.3苫小牧油槽所 左側はコスモ石油(株)(現 東西 OT)苫小牧油槽所
青森油槽 所
青森県青 森市
大字野内
字浦島16

白油 7 車線
黒油 1車線
13基
30,033kl
昭シェル
◆ 「1975年版専用線一覧表」では野内駅にシェル石油(株)専用線あり
◆「1983年版専用線一覧表」では廃止されている

2007.10青森油槽所
八戸油槽 所
青森県八 戸市
豊洲2-10
下記地図参照
A重油  140kl/H
白専用   6車線
白・黒兼用 2車線
12基
28,849kl
昭シェル
◆ 「1975年版専用線一覧表」では本八戸駅接続の青森県(第一専用線)の第三者
利用者に昭和石油(株)あり
◆「1983年版専用線一覧表」では廃止されている

2006.3八戸油槽所
松本油槽 所
長野県松 本市
市場11-28

白油   8車線
黒油  4車線
12基
13,194kl
昭シェル ◆南松本 駅に専用線あり
◆タンク車受入設備 2車線7ポイント 荷役能力560kl/H
◆塩浜→南松本でタンク車による石油輸送が行われている

2002.10松本油槽所
清水油槽 所
静岡県静 岡市
清水区横砂
2252-1
A重油  200kl/H
白油  10車線
黒油  2車線
17基
38,918kl
昭シェル
コスモ

2010.8清水油槽所
(西名古 屋
油槽所)
愛知県海 部郡
飛島村
東浜3丁目
不明
不明
不明
昭シェル
1999.3 現地訪問、日石と丸紅エネックスに隣接
2004.3 現在で廃止
福井油槽 所
福井県坂 井郡
三国町新保
テクノポート
1-1-4
下記地図参照

白油    6車線
黒油   2車線
航空製品 1車線
13基
 32,500kl
昭シェル

小倉油槽 所
福岡県北 九州市
小倉北区
西港町97-1
軽油   60kl/H
A重油 200kl/H
白油   6車線
黒油  4車線
ガスパージ専用  1車線
10基
18,135kl
昭シェル

福岡油槽 所
福岡県福 岡市
東区西戸崎
3-4-15
A重油  180kl/H
灯油  450kl/H
白油    4車線
黒油   2車線
航空製品 6車線
23基
97,430kl
昭シェル
コスモ
◆ 「1983年版専用線一覧表」では西戸崎駅接続のシェル石油(株)専用線あり

2003.8福岡油槽所
八代油槽 所
熊本県八 代市
大島町字大島
5057
下記地図参照

白油   6車線
黒油  2車線
15基
22,972kl
昭シェル

2006.3八代油槽所
JONETの油 槽所施設概要一覧(2004年3月現在)より作成、但し利用荷主のコスモ石油については2008.12.1現在[10]p19



4.岩手県オイルターミナル(株)  

 
2007.9岩手県オイルターミナル

本社  [7]p461
岩手県釜石市 大平町4-1-4
設立  [7]p461
1979(昭 和54)年8月30日
資本金  [7]p461
5億 4,000万円
出資会社 (%)
[11]p6
日石ガス(16.6)、コスモ(11.1)、昭シェル(5.6)、 ゼネ石(5.6)、
岩手県(34.7)、釜石市(2.8)、北東公庫(16.6)、 地元金融機関(3.5)、その他(3.5)
[7]では地元金融機関として、岩手銀行、東北銀行あり
利用会社 [11]p6 コスモ、昭シェル、ゼネ石、出光、Jエナ、三菱、日石ガス、全農、 カ メイ、岩谷産業



5.帝国石油(株)  

▼帝国石油 オイルターミナル建設 新潟・直江津港内に
 (『日本工 業新聞』1998年9月8日付、15面)
 帝国石油は7日、新潟県直江津港内に石油製品の貯蔵出荷施設を建設すると発表した。総貯蔵量は4万7,600キロリットルに上り、内航タ ンカーやタンクローリーの出入荷設備を充実させ、来年11月の操業を目指す。設備投資額は30億円。自社製品ばかりでなく、他の元売各社の出入荷業務も請 け負い、日本海側のオイルターミナルとして機能させていく。

 建設するのは、同社の石油精製子会社である帝石トッピングプラント(TTP、社長・磯野啓氏、東京都渋谷区)。直江津港内の約4万7,000平方メート ルの敷地にタンク12基を建設するほか、出入荷設備として3基のマリンローディングアーム、11車線のタンクローリー積み場を設ける。同港から7キロ内陸 部の製油所とはパイプラインを結ぶ。

 TTPは現在も直江津港隣接地に総貯蔵量1万8,000キロリットルの貯蔵出荷施設を保有しているが、規模が小さく、タンクローリー積み場もない。新施 設は貯蔵量が2.6倍に拡張され、出入荷設備も充実、日本海側の交通の要衝であるロケーションを活用し、積極的に他社製品の出入荷業務を受託していく。
 一方、現行の貯蔵出荷施設は新施設の稼働後、土地の売却も含めて撤去する予定。


▼オイルターミナル 直江津港に完成
 (『新 潟日報』1999年11月10日付
 石油製品の貯蔵出荷施設として、帝石トッピングプラント(本社:東京)が上越市の直江津港東埠頭に建設していた「オイルターミナル直江津」が完成し県な ど行政機関と石油業界関係者らが完成を祝った。同ターミナルにはガソリンや灯油、軽油など種類別に22,000−5,000キロリットルのタンク12基 (総貯蔵量47,600キロリットル)や11車線のタンクローリー積載場などが建設された。
 同社では他社製品の入出荷業務にも参入し、同ターミナルでは親会社の帝国 石油をはじめ、日石三菱出光興産コスモ石油ジャパンエナジー日本曹達の6社から受託することになっている。直江津港で製品を陸揚げ し、上越地域だけでなく、北陸や、長野県へのエネルギー供給の拠点化を目指すという。

▼帝石トッピング・プラント(株)オイルターミナル直江津施設概要
所在地
新潟県上越市大字黒井字添2891
貯 蔵設備
製品タン ク
原油タンク
14基(62,300KL)
2基(11,300KL)
ロー リー
受入・出荷設備
原油(コ ンデンセート)受入
灯油・A重油受入
製品出荷
2ステージ 4車線
各1口
6ステージ 12車線
タ ンカー
受入・出荷設備
危険物2 号岸壁
東埠頭5号岸壁
原油・製品受入
原油(コンデンセート)・製品出荷
5,000DWT
5,000DWT
3基
2基
同社webより 作成

 完成時よりも現在は貯蔵設備やローリー出荷設備が増強されていることが分かる。

同社webより転載


2003.5.10 自社ブランドのローリーの他、コスモ石油・JOMO・出光興産などのローリーが出入りしており活気があった。



■石油元売・総合商社等の油 槽所・基地網  

6.新日本石油(株)  

 日石三菱(株)は、日本石油(株)と三菱石油(株)が1999(平11)年4月に合併してできた日本最大級の石油元売会社である。2002(平14)年 6月に新日 本石油(株)と社名変更した。
 同社については、拙webの新日本石油(株)で 各地 区別に旧日本石油、旧三菱石油、新日本石油に分けて油槽所一覧を纏めているので、併せて参照されたい。

▼日石三菱(株)直営油槽所(1999.11時点、日石三菱 HPよ り)
油槽所名
(1999.11)
2003.4
現在
2004.12
現在
立 地
備  考
塩釜
×
×
塩竃市貞山通
塩竃埠頭駅
油槽所集積地帯(塩釜港) 元日本石油

市川


市川市本行徳
元日本石油
千葉
×
×
千葉市美浜区新港
元日本石油
浮間
×
×
東京都北区浮間
元三菱石油
名古屋第1


名古屋市港区潮見町
汐見町駅
油槽所集積地帯 元日本石油
2000.10.1名古屋第一油槽所が名古屋油槽所へ※
名古屋第2
×
×
名古屋市港区潮見町
(汐見町駅)
油槽所集積地帯 元三菱石油
2000.9.30限りで廃止※
大阪

×
高石市高砂
元日本石油
神戸第1


神戸市須磨区外浜町
元三菱石油 2000.10.1より神戸第一油槽所が神戸油槽所へ※
神戸第2
×
×
神戸市灘区灘浜町
元日本石油 2000.9.30限りで廃止※
広島第1
×
×
広島市中区江波沖町
2000.10.31限りで廃止※
広島第2
×
×
広島市南区月見町
油槽所集積地帯(広島 港
2000.11.1より広島第2油槽所が広島油槽所に※
北九州

×
北九州市小倉北区西港町


福岡

×
福岡市中央区荒津
油槽所集積地帯(博多港
三菱石油は福岡の油槽所をモービルと共用
※『石油文化』第48巻第10号、2000年、41頁


1999.4

2000.4

2002.4
(計画)
備考
油槽所数
(内直営)
109
(12)
93
(9)
70
(6)



7.(株)ジャパンエナジー  
 (株)ジャパンエナジーの油槽所については、拙webの(株)ジャパンエナジー<輸送基地の概要>と して纏めているので、併せて参照されたい。

▼(株)ジャパンエナジーの油槽所一覧(2008.12.1現 在)  [10]p42
所 名
所 在地
備   考
釧路西港 油槽所
釧路市西 港1-98-9
◆ 「1983年版専用線一覧表」では西港駅接続の共同石油(株)専用線あり
留萌油槽 所
留萌市塩 見町3690
◆ 「1983年版専用線一覧表」では留萌駅接続の共同石油(株)専用線あり
稚内油槽 所
稚内市新 港町1

八戸油槽 所
八戸市豊 洲2-7
◆ 「1983年版専用線一覧表」では本八戸駅接続の共同石油(株)専用線あり
塩釜 LPG基地
塩竃市貞 山通り3-29-2
◆ 「1983年版専用線一覧表」では塩釜埠頭駅接続の共同石油(株)専用線あり
酒田油槽 所
酒田市大 浜2-2-46

小名浜油 槽所
いわき市 泉町下川字大剣1-52

船橋油槽 所
船橋市西 浦2-17-1
朝霞油槽 所
朝霞市台 字長沼98
河川油槽 所
新潟東港 油槽所
新潟市北 区太郎代字浜辺2881-29

川崎 LPG基地
川崎市川 崎区水江町5-1

京浜油槽 所
横浜市鶴 見区大黒町13-1

田子の浦 油槽所
富士市鈴 川西町21-13

大井川油 槽所
静岡県志 太郡大井川町利右衛門2727-3

大井川 LPG基地
静岡県志 太郡大井川町利右衛門2726-366

金沢油槽 所
金沢市大 野町4-ソ部-5

尼崎油槽 所
尼崎市東 海岸町17

広島油槽 所
広島市南 区月見町2244-16

広島 LPG基地
広島市南 区月見町2244-16

鹿児島 LPG基地
鹿児島市 宇宿2-3-24



8.出光興産(株)  

▼出光興産(株)の油槽所一覧(2009.7.1現在)
所 名
所 在地
備 考
稚内油槽所
北海道稚内市開運2丁目2-3
網走油槽所
北海道網走市港町4-2
釧路油槽所
北海道釧路市西港1丁目98-11 ◆「1983年版専用線一覧表」では西港駅接続の出光興産(株)専用線あり
函館油槽所
北海道北斗市七重浜1丁目3-4
八戸油槽所
青森県八戸市大字河原木字宇兵エ河原10-10 ◆「1983年版専用線一覧表」では本八戸駅接続の出光興産(株)専用線あり
秋田油槽所
秋田県秋田市寺内後城322-4 下記「秋田港」を参照
塩釜油槽所
宮城県塩竃市貞山通3丁目1-11
◆「1983年版専用線一覧表」では塩釜埠頭駅接続の出光興産(株)専用線あり
新潟油槽所
新潟県新潟市北区太郎代浜辺2881-28
日立油槽所
茨城県日立市大みか町5丁目4-2
荒川油槽所
東京都足立区小台1丁目21-2 河川油槽所
東京油槽所
東京都江東区若洲2丁目9-2
八丈島油槽所
東京都八丈島八丈町三根1323

田子の浦油槽所
静岡県富士市鈴川西町21-15

大井川油槽所
静岡県焼津市飯渕2000
伏木油槽所
富山県高岡市伏木磯町1-14 ◆「1983年版専用線一覧表」では伏木駅接続の出光興産(株)専用線あり
大阪油槽所
大阪府大阪市大正区鶴町5丁目6-52

岸和田油槽所
大阪府岸和田町臨海町18

高松油槽所
香川県高松市朝日町4丁目29-1

高知油槽所
高知県高知市五台山4988

広島油槽所
広島県広島市南区月見町2244-2

門司油槽所
福岡県北九州市門司区新門司2丁目8-1

福岡油槽所
福岡県福岡市中央区荒津1丁目2-31

長崎油槽所
長崎県長崎市木鉢1丁目

八代油槽所
熊本県八代市大島町5053

鹿児島油槽所
鹿児島県鹿児島市谷山港1丁目5-7

所名は出 光グループCSRレポート2009(6頁)より、所在地は筆者調査


9.コスモ石油(株)  
 コスモ石油(株)の油槽所については、拙webのコスモ石油(株)で「コスモ石油(株)の油槽所について」とし て纏 めているので併せて参照されたい。

名  称 立 地 製 油所からの
輸送形態
利 用元売り石油会社名
大規模な需要家
  備   考 
コスモ石油(株)
函館物流基地
函館港
(七重浜)
船舶輸送 コスモ、JOMO、日石、ホクレン
太平洋セメント
函館ガス
利用元売りは1999.8.18に 現地でローリー視認。
元亜細亜石油製油所。
国鉄七重浜駅に専用線有り
コスモ松山石油(株) 松山港 船舶輸送 コスモ、日石、出光、JE、
昭シェル、三石、モービル、ゼネ石
三石、モービルはこれに伴い油槽所 を廃止。
元丸善石油製油所
1998.9.17日経新聞に関連記事有り。
1999.11時点のHPでは6社との契約に成功と有る。


▼四日市油槽
 大協石油系の石油物流会社。同社の社史によると1975(昭50)年11月に塩釜等7ヶ所の油槽所を同社に売却とのこと。
「1983年度版専用線一覧表」によると主に中部地方に散見する。

駅  名
路 線名 
  現 況 等
塩竃埠 頭
塩竃線
「専用 線一覧 表」には現れず。
脇野田 信越 本線
1976.11脇野田駅
地 図・空中写真閲覧サービス」 より
水江町
神奈 川臨海鉄道
現在は東西OT川崎油槽所
東富山
北陸 本線
1975.9東富山駅
地 図・空中写真閲覧サービス」 より
村井
篠ノ 井線
1997.3村井駅
元善光 寺
飯田線
(株) 座光 寺協同専用線 センターの第三者利用者にあり
1997.3元善光寺駅
コスモ石油系の(有)板国油店の油槽所現存
田中
信越 本線
1996.8田中駅

▼コスモ石油販売株式会社
コスモアスファルトカンパニー 
http://www.cosmo-as.co.jp/

コスモアスファルトのHPから作成。

@生産拠点
1999年の時点では生産拠点には製品の融通をすると思われる他社の精油所と思われる生産拠点が載っていた。
しかし、2001年の段階では自社以外の生産拠点が全て書かれていない。その理由は未解明である。
発 送元
製 油所名
1999
2001
2004
隣 接駅
備 考
苫小牧
出光興 産



石油埠頭

室蘭
日本石 油精製



本輪西

鹿島
鹿島石 油(Jエナジー)



奥野谷浜

千葉
コスモ 石油



京葉市原

市川




(浜市川)

袖ヶ浦
ジャパ ンエナジー



北袖

川崎
三菱石 油?or
昭和シェル石油?or
東亜石油?





根岸
日本石 油精製



根岸

知多
出光 or Jエナジー



知多

四日市
コスモ 石油


四日市


コスモ 石油


(堺港)

海南
海南石 油精製



(海南)

水島
Jエナ ジー



西埠頭

徳山
出光興 産



徳山

山口
西部石 油?



(浜小野田)

坂出
コスモ 石油


番の洲

大分
九州石 油



鶴崎

「浜○○」は○○の海岸沿いにあると言う程の意味。日石系と日鉱系それに出光系が多い。

A油槽所
地 域
基 地名
所 在
1998
1999
2001
2004
備 考・その他・特記事項
網走
網走AS基地
網走市 港町





留萌






1998 には載っていない。
(旧)共石油槽所を共同利用か?
苫小牧







釧路
東西OT釧路油槽所
西埠頭


×
×

函館
函館物流基地
七重浜



×

青森
東西OT青森油槽所 青森





八戸
東西OT八戸油槽所 八戸港





塩釜
塩釜油槽所
塩釜埠 頭





小名浜
小名浜合同油槽所






東新潟
東西OT東新潟油槽所
新潟東 港





上越




×
×
帝石 トッピングプラント
直江津ターミナル?
ただ時期が合わないか?
金沢
東西OT金沢油槽所
金沢市 大野





大井川
大井川油槽所
大井川 港


×
×

広島
広島油槽所
広島市
南区月見町





福岡
福岡油槽所
福岡市 荒津





長崎
東西OT長崎油槽所






大分
大分油槽所
大分市 豊海


×
×

有明
全農有 明油槽所?




×

八代
八代油槽所
八代市 大島町


×
×

宮崎
宮崎油槽所
宮崎市 港





加治木
加治木AS基地






輸送基地名は1998年のHPに載っている油槽所と1999.11のコスモアスファルトのHPを照合 して判断。



9.昭和シェル石 油(株)  
 上記のJONETも参照。

▼昭和シェル石油(株)の油槽所一覧(2008.12.1現 在)  [10]p25
所 名
所 在地
備 考
釧路西港油 槽所
釧路市西港 1丁目98-9
◆ 「1983年版専用線一覧表」では西港駅にシェル石油(株)専用線あり
JONET苫小牧油槽所
苫小牧市真 砂町24-1

JONET青森油槽所
青森市大字 野内字浦島16

JONET八戸油槽所
八戸市豊洲 2-10

秋田共同油 槽所
秋田市寺内 字後城322-8
◆ 「1983年版専用線一覧表」では穀保町駅に昭和石油(株)専用線(第三者利用者)あり
(株)昭友 秋田共同油槽所
塩釜油槽所
塩竈市貞山 通3-16-2
◆ 「1983年版専用線一覧表」では塩釜埠頭駅にシェル石油(株)専用線あり
高崎油槽所
高崎市倉賀 野町2439
◆日本OT とパイプラインで接続
◆拙web「貨物取扱駅と荷主」の「倉賀野 駅」に「昭和シェル石 油(株)高崎油槽所」の項あり
JONET松本油槽所
松本市市場 11-28

佐渡油槽所
両津市羽吉 594-2

JONET清水油槽所
清水市横砂 2252-1

清水LPG 基地
清水市横砂 2252-1

CI大井川
静岡県志太 郡大井川町
利右衛門2726-2
伊藤忠エネクス(株)大井川油槽所
碧南LPG 基地
碧南市港南 町2-1

三重プラン ト
三重県三重 郡楠町大字
北五味塚字楮410
アスファル ト基地
JONET福井油槽所
福井県坂井 郡三国町
新保96三里浜1-6

高松アス ファルト基地
高松市朝日 町4-17-1

浜田油槽所
浜田市長浜 町1785-15

広島油槽所
広島県安芸 郡坂町小屋浦1-5-19

JONET小倉油槽所
北九州市小 倉北区西港町97-1

JONET福岡油槽所
福岡市東区 西戸崎3-4-15

唐津油槽所
唐津市西大 島町258-3

JONET八代油槽所
八代市大島 町字大島5057



10.エクソンモー ビル有限会社  

▼エクソンモービル(有)の油槽所一覧(2008.12.1現 在)  [10]p46
所 名
所 在地
備 考
釧 路油槽所
北 海道釧路市知人2-13
◆ 「1983年版専用線一覧表」では臨港駅接続のモービル石油(株)専用線あり
函 館油槽所
北 海道函館市海岸町23-3
◆ 「1983年版専用線一覧表」では函館駅接続のモービル石油(株)専用線あり
塩 釜油槽所
宮 城県塩竃市貞山通2-8-1
◆ 「1983年版専用線一覧表」では塩釜埠頭駅接続のエッソ石油(株)専用線あり
清 水油槽所
静 岡県清水市袖師町1900

名 古屋油槽所
愛 知県名古屋市港区潮見町37-4
◆ 「1983年版専用線一覧表」では汐見町駅接続のエッソ石油(株)専用線あり
◆拙webの汐見町駅エッソ石油(株)名古屋油槽所参 照
伏 木油槽所
富 山県高岡市伏木磯町1-13
◆ 「1983年版専用線一覧表」では伏木駅接続のエッソ石油(株)専用線あり
広 島油槽所
広 島県佐伯郡大野町沖塩屋4-4-79

高 松油槽所
香 川県高松市朝日町4-31-1

小 松島油槽所
徳 島県小松島市小松島町字新港1-2

福 岡油槽所
福 岡県福岡市中央区荒津2-3-53

佐 世保油槽所
長 崎県佐世保市沖新町7-1

宮 崎油槽所
宮 崎県宮崎市大字内海986-5



11.キグナス石油(株)   

▼キグナス石油(株)の油槽所一覧(2008.12.1現在)   [10]p68
所 名
所 在地
備  考
郡山 JOT
郡山市富 久山町久保田字前田59-2
日本OT 郡山営業所
宇都宮 JOT
栃木県河 内郡上三川町大字多功字天沼2425
日本OT 宇都宮営業所
高崎 JOT
高崎市栗 崎町字原田724
日本OT 高崎営業所
八王子 JOT
八王子市 北野町586
日本OT 八王子営業所
上田 JOT
上田市大 字下塩尻字渋草361-2
日本OT 上田営業所
松本 JOT
松本市市 場1-57
日本OT 松本営業所
名古屋油 槽所
名古屋市 港区潮見町37-25

金沢油槽 所
金沢市大 野町4-ソ-1

高砂油槽 所
高砂市梅 井5-5-1

 キグナス石油は東日本の油槽所網を日本OTに集約したようだ。上記の営業所には全て浮島町駅(または末広町駅)からタンク車輸送されている筈で、 キグナス石油は2次輸送における鉄道輸送の依存度が高いことが窺える。



12.三井石油(株)   

▼三井石油(株)の油槽所一覧(2008.12.1現在)  [10]p64
所 名
所 在地
備  考
苫小牧油 槽所(共同)
苫小牧市 真砂町24-1
JONET 苫小牧油槽所と住所が一致
八戸油槽 所(共同)
八戸市豊 洲2-10
JONET 八戸油槽所と住所が一致
清水油槽 所(共同)
清水市横 砂字若松2252-12
鈴与 (株)袖 師危険品倉庫と住所が一致
名古屋油 槽所
名古屋市 港区潮見町37-7

堺油槽所 (共同)
堺市西区 築港新町2-2
丸紅エネック ス(株)堺ターミナルと住所が一致



13.丸紅(株)  

▼丸紅(株)の油槽所一覧(2008.4.1 現在) [10] p117
基地名 所 在地
種  別
備  考
函館油槽所
函館市浅野町2-5
石油基地

塩釜油槽所
塩竃市貞山通3-29-2
石油基地
◆「1983年版専用線一覧表」では塩釜埠頭駅接続の丸紅(株)専用線あり
千葉オイルターミナル
千葉市美浜区新港235
石油基地(丸紅エネックス)

千葉LPG輸入基地
千葉市美浜区新港235
LPG基地

名古屋ターミナル
愛知県海部郡飛島村東浜3-3
石油基地(丸紅エネックス)

堺オイルターミナル
堺市西区築港新町2-2
石油基地(丸紅エネックス)

門司ターミナル
北九州市門司区瀬戸町
石油基地(丸紅エネックス)
◆「1983年版専用線一覧表」では外浜駅接続の丸紅(株)専用線あり

2002.8 門司ターミナル 外浜駅の専用線跡地と思われる

▼丸紅エネックス(株)
大手総合商社丸紅直系の石油・LPGターミナル会社。 化学ターミナルに続いて再掲。2001年現在。
 基地名 
取 扱 品 目
 立 地   備 考 
千 葉
石油(灯油、重油)
LPG(プロパン、ブタン)
市原 85,000DWT 級の大型危険物桟橋あり
名古屋
石油(灯油、軽油、重油、航空燃料) 名古屋西港  
 堺 
石油(揮発油、灯油、軽油) 113,000DWT 級の大型危険物桟橋あり
門 司
石油(揮発油、灯油、軽油) 門司港  
大 分
LPG(プロパン、ブタン) 鶴崎 2012年末時点では無くなっている。


14.兼松(株)  

▼兼松(株)の油槽所一覧(2008.12.1現在) [10] p121
基地 名 所在地
備 考
大井川LPG基地
静岡県志太郡大井川町飯淵字港区2002

名古屋油槽所
名古屋市港区潮見町37-12

小倉油槽所
北九州市小倉北区末広町2-2-4




15.伊藤忠エネクス(株)  

▼伊藤忠エネクス(株)の油槽所・基地一覧(2010.7現 在)  (同社webより)
所 名
所 在地
備  考
留萌アス ファルト基地
北海道留 萌市元町3-22
釧路アス ファルト基地
北海道釧 路市海運1-1-1
大井川油 槽所
静岡県焼 津市利右衛門2726-2 石油製品 および化学品タンク10基(合計約1.6万KL)を所有管理(同社webよ り)
桜島油槽 所
大阪府大 阪市此花区梅町2-3-50
江田島油 槽基地
広島県江 田島市
江田島町江南3-1-1
8基(合 計15万KL)の営業タンクを保有 
その内4基のタンクで苛性ソーダを保管し、豪州アルミナメーカー向け輸出用タンクとして利用
その他4基のタンクで灯油、軽油等の石油製品を保管(同社webよ り)
福岡油槽所
福岡県福岡市中央区荒津1-4-16

第1福岡アスファルト基地
福岡県福岡市中央区荒津1-4-16
第2福岡アスファルト基地
福岡県福岡市中央区荒津2-26
長崎ガス石油基地
長崎県長崎市小ヶ倉町1-1022
佐世保アスファルト基地
長崎県佐世保市東浜町521-4

加治木アスファルト基地
鹿児島県姶良郡加治木町港町131

▼伊藤忠エネクス(株)の油槽所・基地一覧(2012.10現 在)   (同社sitecsr_reportアスファルト販売事業よ り)

    

2010年と比較してアスファルト基地が増強されている様だ。
(苫小牧・袖ヶ浦・大阪・桜島・姫路が増えている。
また桜島油槽所が無くなっているがアスファルト基地に再編・転換されたようだ)

ウェブサイトに拠ると同社のアスファルトの全国シェアは15%とのこと。

所 名
所 在地
タンク基数
タンク容量
備  考
留萌アス ファルト基地
北海道留 萌市元町3-22 3,500d
釧路アス ファルト基地
北海道釧 路市海運1-1-1 2,700d
苫小牧アスファルト生地 北海道苫小牧市真砂町20 3,800d
袖ヶ浦アスファルト基地 千葉県袖ヶ浦市 10,000d 2012年度開設予定
大井川油 槽所
静岡県焼 津市 10基 石油製品 (2基)/化学品(8基) 計15千KL
2003年ISO140001認証
桜島アス ファルト基地
大阪府大 阪市此花区梅町2-6-65 2,500d
大阪アスファルト基地 大阪府大阪市此花区梅町2-5 2,500d
姫路アスファルト基地 兵庫県姫路市飾磨区細江字浜万才1306 3,400d
江田島油 槽基地
広島県江 田島市
8基 石 油製品(4基)/苛性ソーダ(4基) 計144千KL
1998年ISO140001認証
福岡油槽所
福岡県福岡市
10基 石油製品 計8.9千KL
2001年ISO140001認証
第1福岡アスファルト基地
福岡県福岡市中央区荒津1-4-16 2,300d
第2福岡アスファルト基地
福岡県福岡市中央区荒津2-26 1,800d
中津ガス支店


長崎ガス石油基地
長崎県長崎市小ヶ倉町1-1022 6基 石油製品 計4.8千KL
2001年ISO140001認証
佐世保アスファルト基地
長崎県佐世保市東浜町521-4
3,000d
加治木アスファルト基地
鹿児島県姶良郡加治木町港町131 2,600d



16.全農石油基地  

全農はJA-SSのブランドでガソリンスタンドを全国展開しているが石油基地の整備も積極的に進めて いる。


2003.1.3 全農石油基地山陽

2003.3.27 全農石油基地東海

県 名 所 在 地 基 地 名 完成年月 タンク容量 タンク基数 備 考
北海道 釧 路 市 全農釧路石油基地 昭和52年5月 15,080kl 7基
佐 賀 唐 津 市 全農唐津石油基地 昭和58年4月 8,450kl 9基
石 川 金沢市大野 全農金沢石油基地 昭和58年10月 68,460kl 10基 H13.10(N+K)
宮 城 仙 台 市 全農仙台石油基地 昭和60年4月 77,730kl 9基 H10.5(Y)
広 島 福 山 市 全農山陽石油基地 昭和62年5月 16,000kl 8基 H15.1(N+Y)
新 潟 北蒲原郡聖籠町 全農新潟石油基地 平成元年10月 23,480kl 12基
愛 知 蒲郡市浜町 全農東海石油基地 平成2年11月 32,150kl 9基 H15.3.27(N)
愛 媛 喜多郡長浜町 全農西日本石油基地 平成5年5月 16,600kl 6基
福 岡 大牟田市 全農有明石油基地 平成12年7月予定 52,000kl 9基
計  9基地 309,950kl 79基 N:■とはずがたり
Y:荷主研究者
K:こまっする

(全農ホームページより引用)



■全国の油槽所集積地帯  

以下抜本的に更新中 ⇒リンク

 以下では、筆者の独断と偏見による全国の油槽所集積地帯を纏めている。過去の集積地帯までも含めると際限が無くなるので、とりあえずは現在においても複 数 (3社以上程度)の油槽所が近接して所在している場所というイメー ジに則って纏めたものである。

 現在そのような油槽所集積地帯は臨海油槽所が殆どになってしまったが、かつては内陸部にも油槽所集積地帯と呼べる場所は存在し、鉄道タンク車輸送が行わ れていた(輸送も油槽所も廃止された駅の例としては札内、漆山、蔵王、西若松、湖山など)。現在でも内陸の油槽所集積地帯と呼べる場所としては、倉賀野や 南松本ぐら いであろうか。これらについては「貨物取扱駅と荷主」で別途纏める予定なのでここでは触れないこととする。

 一方、臨海油槽所による油槽所集積地帯は全国各地に点在している。その一部では鉄道タンク車輸送用に専用線が敷設され、内陸部への輸送に鉄道貨物輸送を 活用していたこともあったのだが、現在はそのような臨海油槽所からのタンク車輸送は姿を消してしまった。しかしここでは油槽所集積地帯と鉄道輸送の関わり というものを纏めておきたいため、相当なスペースを割いて鉄道輸送について詳述している。

 またこのような臨海部の共同油槽所及び油槽所集積地帯は、内陸部に立地する鉄道輸送用の共同石油基地(日本OT)と棲み分けしつつ、一部は競合(OT札 幌vs苫小牧、OT郡山vs新潟東港・小名浜港など)しているようでもあり、今後の更なる油槽所再編にもそういった観点で着目する必要がありそうだ。



▼釧路港(西港区)  

 道東を代表する港湾である釧路港は、東港区と西港区に分かれる。歴史的には東港区の方が古く、明治時代に開港している。一方の西港区の建設は1969 (昭44)年に始まり、1976(昭51)年には第1埠頭が完成している。油槽所が集積する石油基地はかつて東港地区に存在したが、現在は西港区に移 転し巨大な油 槽所集積地帯が存在する。このうち東西オイルターミナル(株)釧路油槽所は1974(昭49)年12月に第1期工事が完成(第2期工事は1977年12月 完 成)、日本石油(株)釧路西港油槽所は1978(昭53)年5月に開所するなどしている。

 2008(平20)年の移入貨物は7,493千トン、その内石油製品は1,604千トンを占める。(北 海道開発局 釧路港webより

『スーパーマップル@ 北海道道路地図』昭文社、2001年5月発行
*西港駅  
 釧路開発埠頭(株)西港線(新富士〜西港)は1977(昭52)年12月1日に開業した。これは西港における石油基地開設に伴うもので、開業当初は道東 各 地の油槽所や製糖工場などの需要家にタンク車輸送を行っており年間50万トンを超える輸送量があった。しかし内陸 油槽所 の閉鎖、石勝線開通に伴う石油輸送のルート変更、タンクローリー輸送への転換などを要因に輸送量が減少し、JR貨物発足後には帯広(三石、日石、JOMO、 日甜など)、中斜里(ホ クレン)、美幌(ホ クレン、日石)の3駅 だけが主な輸送先になり、その後美幌は1991(平3)年3月ダイヤ改正で輸送廃止、中斜里は1997(平9)年3月ダイヤ改正で廃止され、最後は帯 広向けだけが残っていたが1999(平11)年6月に西港駅は石油輸送を 終了 し、同年9月に西港線は廃止された。

 帯広向けの末期は三菱石油ジャパンエナジーが荷主で1日あたりタキ5両程度の輸送となっていた。[20]p26
 尚、輸送量は1990年代は廃止前の数年を除き、年間約14万トン前後で安定していた。当時の釧路港の石油製品の移入量 は不明だが、2008年の値から想定すると釧路港に移入される1割程度の石油がタンク車で内陸に運ばれていたと思われる。

 一方、釧路開発埠頭には1970(昭45)年4月に雄別鉄道から引き継いだ東港へ伸びる埠頭線(1952年9月開業)があり、石油元売各社の油槽所の 専用線が接続する北埠頭駅が存在した。しかしこれら油槽所が西港に移転したことなどに伴い輸送量が減少、埠頭線は1984(昭59)年1月末に廃止され た。

 そこで下記で北埠頭駅と西港駅の専用線推移を見ると、見事なまでに北埠頭駅から西港駅に専用線が移転したことが分かる。また左図からは西港に集積する油 槽所群が近接して設置されていることがよく分かるが、さらに西港駅のヤードが石油基地と一体的に整備されたことも窺える。
 上図の日石三菱油槽所は現在、東 西オイルターミナル(株)釧路油槽所に集約されている。

▽石油系輸送に関 係する北埠頭駅及び西港駅接続の専用線一覧
接続駅
専用者
第 三者利用者
(真荷主又は通運事業者等)
1961
年版
1964
年版
1967
年版
1970
年版
1975
年版
1983
年版
備  考
北 埠頭
日 本漁網船具(株)
日本陸運 産業(株)
日本鉱業(株)





×

日本鉱業 (株)は1964年版以降
北埠頭
三 菱石油(株)






×

北埠頭
シェル石 油(株)






×

北埠頭
日本石油 (株)






×

北埠頭
丸善石油 (株)






×

北埠頭
出光興産 (株)






×

西港
日本石油 (株)
日本石油 輸送(株)







西港
出 光興産(株)
日本石油 輸送(株)







西 港
シェル石 油(株)
共同石油(株)
日本石油 輸送(株)







西 港
東 西オイルターミナル(株)
三菱石油 (株)
大協石油(株)
丸善石油(株)
日本石油輸送(株)







−:未設置 ○:存在 ×:廃止

東 西OT釧路油槽所西港駅東西OTwebサイトより)

釧 路西港石油基地([16]p110)



▼苫小牧港(西港)   

 北海道内の港湾中最大の貨物取扱量を誇る苫小牧港は、1951(昭26)年8月に起工され、更に1960(昭35)年6月には内堀掘込作業が開始さ れた。かつては道内に多数立地した炭鉱からの石炭積み出し港として賑わったわけだが、1967(昭42)年10月に石油配分基地の共用が開始されるなど 石油供給基地としての比重が高まっており、それ以外にも飼料・アルミ・化学・自動車など各産業の生産拠点が立地しており、1975(昭50)年には取扱 貨物量が全道第1位となった。尚、それに先立つ
1963 (昭38)年4月には重要港湾に指定されていたが、1981 (昭56)年5月には特定重要港湾に昇格されるなど名実共に北海道を代表する港湾の地位を築き上げている。(苫小牧港の歴 史を参照)
石 油配分基地[17]巻頭

 工業港区入口南側に設定された石油配分基地に、進出の動きをみせた石油各社は当初20社にのぼったが、正式申し込みの段階で昭和石油、丸善石油、日本石 油、ゼネラル石油、アジア石油、ブリヂストン液化ガスの6社となり、1965(昭40)年、苫小牧港開発(株)からそれぞれ用地の分譲を受けて油槽所の開 設 準備にかかった。([18]p166)

 最初に油槽所を建設したのはブリヂストン液化ガスで、1965年5月着工、翌1966(昭41)年7月に2,300トン収容のLPG球形タンク1基を 完成、操業した。続いて日本石油、アジア石油が1966年に、翌1967(昭42)年には昭和石油、丸善石油、ゼネラル石油の3社がそれぞれタンクを建 設して油槽所 を開設、受入れを開始した。([18]p166)


*石油埠頭駅  
 苫小牧港開発(株)は1968(昭43)年12月3日に新苫小牧駅〜石油埠頭駅間10.2kmを開業させた。石油埠頭駅には多数の石油会社の専用線が敷 設 され、苫小牧港開発は開業以来品目別では石油類が常に第1位を占めてきた。苫小牧港開発の輸送量のピークは1976(昭51)年度で全体では167.7 万トン、そのうち石油類は110.6万トンにも達した。しかし1977(昭52)年度は釧路石油基地の新設に伴う海上輸送への転換で石油類の輸送は 100万トンを下回り([17]p262)、それ以後も急速に石油類の輸送が減少しJR貨物発足時の1987(昭62)年度時点では石油類は約30万ト ン、1990(平2)年度には20万トンを下回る水準まで落ち込み以後16〜17万トン(全体では20〜26万トン)で推移していた。

 そして1997(平9)年9月に三菱石油(株)、1998(平10)年3月にコスモ石油(株)がタンク車輸送を中止したことで以後化学薬品類が年間1万 トン 程度の輸送しか見込めなくなることから([13]p54)、1998(平10)年4月1日に石油埠頭駅を含む全線が営業休 止となった。そして2001(平13)年3月末に正式に廃止された。

石 油埠頭駅、奥の丸善石油のタンクは苫小牧埠頭(株)共同オイルターミナル[17]


2008.3 石油埠頭駅跡地、道路沿いにバラストが残る。中央の荷役施設は(株)ジャパンエナジーの専用線跡


現況図(1979年3月)[17]

『エアリアマップ都市地図 北海道J苫小牧市』昭文社、1995年

▽石油埠頭駅に接続する専用線一覧
専 用者
第 三者利用者
作 業
キロ
輸 送開始
[17]p259
1970
年版
1975
年版
1983
年版
備   考
丸善石油(株)
昭和石油(株)
日本オイルターミナル(株)
シェル石油(株)
三菱石油(株)
日本石油輸送(株)
0.5
1968.12.3



丸善石油、昭和石油共用線
三菱石油(株)と日本石油輸送(株)は1975年版以降
昭和石油(株)

0.7
1968.12.3




丸善石油(株)

0.4
不明




ゼネラル石油(株)
日本石油輸送(株)
日本オイルターミナル(株)
0.7
1968.12.3



日本石油輸送(株)と日本オイルターミナル(株)は1975年版以降
共同石油(株)
日本オイルターミナル(株)
苫小牧栗林運輸(株)
日本石油輸送(株)
0.9
1968.12.3



日本石油輸送(株)は1975年版以降
液化ガスターミナル(株)
日本通運(株)
日通商事(株)
1.1
1968.12.3



1970年版と1975年版はブリヂストン液化ガス(株)
日通商事(株)は1983年版のみ
出光興産(株)
日本オイルターミナル(株)
日本石油輸送(株)
1.7
1969.8.26



日本オイルターミナル(株)と日本石油輸送(株)は1975年版以降
苫小牧埠頭(株)
日本石油輸送(株)
日本オイルターミナル(株)
1.1
1974.11.26
(専用線敷設)



苫小牧埠頭(株)共同オイルタンクを使用するのは、
シェル石油(株)、三菱石油(株)、大協石油(株)、モービル石油(株)で
シェルと三菱は1970年12月から輸送開始していたが、
大協とモービルは1974年12月から輸送開始となっている([17]p259)
シェルと三菱は丸善・昭石共用線から輸送を開始していたためと
思われる
−:未設置 ○:存在

▽苫小牧埠頭(株)共同オイルターミナル基地 ([18]p172- 188)
 北海道開発の進展に伴い道内の石油需要は年々増加傾向を辿り、昭和40年代には道内に立地する製油所の増強や新設が行われたものの、移入量の増大は必至 で港頭貯油設備の増強が要望されていたが、既存油槽所の敷地には限界があることから、新たな基地造成の必要が叫ばれていた。 

 かつて道内の港湾で石油の移入量が最も多いのは室蘭港で以下、釧路、苫小牧、函館などと続いていたが、1969(昭44)年には苫小牧が釧路を抜き2 位に、1970(昭45)年には室蘭も上回って道内最大の揚地港となり、道内の3分の1を扱うようになった。

 苫小牧埠頭(株)は、このような情勢認識のもとで「第二石油配分基地」の造成に意欲を燃やし、1970年に共同オイルターミナル基地建設構想を立て、関 係先 と接触を開始した。この計画は、石油各社が個々に立地するのではなく、同社が単独で施設一切を建設し、これを一元的に管理運営して各社の共同利用に供する というもので、この方式によると各社が個別に建設・運営するのに比べ、法規制上タンク設備にしても隣接タンクとの保有距離が短縮緩和され、用地の有効利用 が図られるほか、設備・管理・作業各部門の単一化によって、配置人員の適正合理化や経費の節減が可能となるなどメリットが多く、国内でもあまり例をみない 新方式として注目された。

 一方、苫小牧港開発(株)もこれとは別に新たな石油配分基地造成計画を立てていたのだが、両社の間で計画の一本化が図られ建設に着手した。
 石油各社との協議の結果、1972(昭47)年12月丸善石油と 約10万キロリットルの備蓄用タンク使用に関する協定を結び、これを成約第1号として翌1973(昭48)年中に大協石油富士興産マルハ産業シェル石油。1974(昭49)年には富士興産アスファルトモービル石油及び三菱石油と利用契約を締結した。

 建設する油槽規模は、第1期工事分として石油タンク19基、15万2,400キロリットル、アスファルト用タンク1基、3,000トンと決定。このうち 84%が民生用灯油格納施設である。

 油槽施設は構内東側に建設された丸善石油専用灯油タンク9基、9万3,400キロリットルが1974年7月に完成。8月に第一船を迎え灯油4,000キ ロリットルがタンクに収納され始動した。西側に建設中の共用及び専用石油タンク10基、5万9,000キロリットル、アスファルトタンク3,000トン1 基も11月初めに竣工。モービル石油扱いの灯油5,200を入れて共用施設も稼働を開始した。

 1977(昭52)年に入って、かねての計画通り第2期工事を実施し、灯油及びガソリン用タンク5基、2万1,000キロリットルを増設した。また 1980(昭55)年にはLPGタンク1基、950トンを建設した。

 タンクの専用部分と共用部分の利用動態をみると、施設面では容量構成が専用7、共用3で専用の占める割合が多い。出荷量は逆に専用が4分の1、共用が4 分の3である。年間回転率は共用の10〜12回転に対し、専用は1回転。これは専用施設が冬場の需要期に備えた備蓄用灯油タンクのためであ る。油種別では灯油が最も多く、全体の55%を占めている。
貨 車積施設 6基(1基当たり80キロリットル/時)([18]p185)

 また現在のコスモ石油(株)の油槽所一覧に おいても苫小牧埠頭(株)の名があり引き続き利用を継続していることが分かる。 


▼室蘭港
 1965(昭40)年に北海道、東北地方で初の「特定重要港湾」に指定された室蘭港であるが、現在は苫小牧港や仙台塩釜港と比べると影が薄い感は否めな い。
 室蘭港にはかつては日本石油(株)の室蘭製油所があるだけでなく、元売各社の油槽所も集積していたのだが、現在は室蘭製油所は閉鎖、各油槽所も姿を消し ており石油の面からも室蘭港の地位低下を感じることができる。

*本輪西駅




▼ 青森港






▼八戸港(豊洲・河原 木地区)  
 八戸港は北東北の「中核国際港湾」に位置付けられている。油槽所の集積は昭和40年代に急速に進んだようだが、現在は集約化 も進行しているため一部の油槽所は廃止されている。しかし例えば廃止された新日本石油(株)の油槽所跡地はLNG基地が建設中であり、今後も八戸港は重要 なエ ネルギー基地としての役割を果たしていくのであろう。

 尚、2008年の八戸港の移入貨物(約405万トン)のうち石油製品は36%(約146万トン)、重油は14%(約57万トン)を占めている。(八戸港海上出入貨物取扱状況より


*本八戸駅  
 本八戸駅からは石油基地に向けて長大な専用線が伸びており、昭和30年代には既に複数の油槽所から石油タンク車輸送が行われ ていた。 昭和40年代に油槽所の新設が相次ぎ、それと同時に接続する専用線の数も増加し、更に1981(昭56)年に盛岡貨物 ターミナル駅に日本オイルターミナル(株)盛岡営業所が開業すると、本八戸〜盛岡(タ)間に石油専用列車が設定されるなど輸送力増強が行われた。

 しかしそのよ うな活況を呈した時期は短く、
1985(昭60)年10月に日本石油(株)は八戸発盛岡 (タ)のOT着の 石油を全面的に仙台北港発に移行し([4]p98-99)、続いて1987(昭62)年4月に共同石油(株)は八戸発盛岡(タ)OT着の石油を仙台北港発 に 転移([4]p99)するなど本八戸駅からの石油輸送は一気に衰退してしまった。但し、米軍三沢基地向けのジェット燃料輸送のみ2006(平18)年6月 ま で継続していた。

『都市地図 青森県B 八戸市』昭文社、1987(昭和62年)1月発 行より
<地 図の上部左から>
昭和シェル石油:A
出光興産:B
カメイ:C
漁協油槽所:D


スタンダード石油油槽所:E
日本石油油槽所:F
東西オイルターミナル:G
出光興産油槽所:H
昭和シェル石油油槽所:I
共同石油油槽所:J
東西オイルターミナル:K
<現 況(2006.3.13の調査等を基に)>
A:ジャパンオイルネットワーク(株)八戸油槽所
  この左に東西オイルターミナル(株)
  八戸油槽所(A地区)
  その左が旧新日石の八戸油槽所豊洲貯油所?
B:八戸LPガスターミナル
  出光ガスアンドライフ(株)
  日本石油ガス(株)
  三菱液化ガス(株)
C:カメイ(株)八戸油槽所
   この左に(株)ジャパンエナジー八戸油槽所
D:全漁連
E:廃止?
F:新日本石油(株)八 戸油槽所(2004年6月末閉鎖)、
   LNG基地建設中
G:東西オイルターミナル(株)八戸油槽所(C地区)
H:不明
I:不明
J:共同石油と書かれた大きなタンクあり
K:東西オイルターミナル(株)八戸油槽所(B地区)
   近くには富士興産(株)八戸営業所等がある

▽石油系輸送に関係する本八戸駅接続の専用線一覧
専用者
第 三者利用者
(真荷主又は通運事業者等)
1961
年版
1964
年版
1967
年版
1970
年版
1975
年版
1983
年版
備  考
青森県(第一専用線)
八戸ガス(株)
昭和石油(株)







1964年版以前は青森県専用線(第一、第二の区別無し)
1967年版は第三者利用者にエッソ、仙台防衛施設局、出光等が追加
1983年版では八戸ガス(株)、昭和石油(株)無し
日本石油(株)
大協石油(株)
石油荷役(株)
日本石油輸送(株)
日本オイルターミナル(株)







青森県第一専用線に接続
日本石油輸送(株)、日本オイルターミナル(株)は1983年版のみ
1983年版では大協石油(株)無し
※東西OT八戸油槽所(C地区)に該当
青森県(第二専用線)







青森県第一専用線から接続
エッソ・スタンダード石油(株)
日本石油輸送(株)





×
青森県第二専用線に接続 日本石油輸送(株)は1975年版以降
仙台防衛施設局







青森県第二専用線に接続
出光興産(株)
日本オイルターミナル(株)






青森県第二専用線に接続 日本オイルターミナル(株)は1983年版の み
共同石油(株)
日本オイルターミナル(株)






青森県第二専用線に接続 日本オイルターミナル(株)は1983年版の み
丸善石油(株)
→東西オイルターミナル(株)
共同石油(株)
日本オイルターミナル(株)






青森県第二専用線に接続 
1983年版から丸善石油(株)が東西オイルターミナル(株)に変更
共同石油(株)、日本オイルターミナル(株)は1983年版のみ
※東西OT八戸油槽所(B地区)に該当
−:未設置 ○:存在 △:一部廃止 ×:廃止


2006.3 八戸LPガスターミナル
出光ガスアンドライフ(株)、日本石油ガス(株)、三菱液化ガス(株)

2006.3 三菱液化ガス(株)

2006.3 共同石油のマークが印象的な(株)ジャパ ンエ ナジー 八戸油槽所

2006.3 カメイ(株)八戸油槽所 奥は(株)ジャ パンエナ ジー 八戸油槽所



▼秋田港  

 秋田港はかつて土崎港と称し、日本海側を代表する港湾の1つで重要港湾に指定されている。2008(平20)年の同港の 移入量は4,168千トン、その内石油製品は1,427千トン、重油は467千トン、原油は200千トンとなっている。(東北地方整備局 秋田港湾事務所webより


*穀保町駅  
 秋田臨海鉄道の穀保町駅は1971(昭46)年7月7日に開業した。
下記の地図では石油基地を貫く長い専用線があるのだが、意外にもこの石油基地に対して は昭和石油(株)だけ にしか専用線は存在しなかったようだ(1970年版、1975年版、1983年版の各「専用線一覧表」を参照)。尚、同駅は石油輸送が廃止になった後も、 秋田鉄鋼埠頭(株)専用線に陸中松川駅の三菱マテリアル(株)岩手工場専用線から発送されるセメントが到着していたが、この輸送も1995年頃に廃止され ており駅 としても廃止されてしまった。

『都市地図 秋田県@ 秋田市』昭文社、1987年10月発行
<左記地図>
日本海飼料


岩谷産業
共同石油


コスモ石油

出光興産

昭和シェル石油




エッソ



マルハ産業

三菱石油

メルシャン
<2001.8.23 調査>
北日本くみあい飼料(株)秋田工場
             秋田営業所

岩谷産業(株)秋田営業所 秋田オイルターミナル
イワタニ東北(株) 秋田支店
(株)ホームエネルギー東北 秋田センター

出光興産(株)秋田油槽所

同上記

(海側)コスモ石油(株)秋田油槽所
(陸側)東北上野輸送(株) 秋田営業所



(株)昭友 秋田共同油槽所
昭和シェル石油(株)秋田油槽所
エッソ石油(株)秋田油槽所

マルハ産業(株)秋田営業所 (三菱系)

(株)エネックス 秋田支店 (日石系)

メルシャン(株) 秋田支店
秋田アルコール蔵置場
(拙webの味の素グループ三楽(株)を参照)
    <2006.8.8調査>
空地(※2004年10月閉鎖)


岩谷産業(株)秋田営業所 
秋田オイルターミナル
など

出光興産(株)秋田油槽所

同上記

(海側)コスモ石油(株)
    東西オイルターミナル(株)秋田油槽所
(陸側)東日本上野輸送(株)
    (エクソンモービル、昭シェルのローリー)

(株)昭友 秋田共同油槽所
エッソ石油(株)秋田油槽所


マルハ産業(株)秋田営業所

不明(確認を失念)

撤去済み


2006.8 手前から岩谷産業(株)、出光興産 (株)、コスモ 石油(株)、その奥は(株)昭友

2006.8 (株)昭友 右がマルハ産業(株)



▼仙台塩釜 港(塩釜港区)  

 仙台塩釜港は東北地方を代表する港湾であり、同地方唯一の特定重要港湾である。2001年4月に地元経済界念願の特定重要港湾の昇格を果たしたのだ が、これは仙台港区の発展によるものであり、塩釜港区は年々相対的にその重要性を低下させている。ただ塩釜港区の歴史は大変古く、その始まりは奈良時代に まで遡ると言う。そんなこともあって長年、仙台港区も含めて塩釜港が正式名称であったのだが、特定重要港湾昇格を機に仙台塩釜港に名称が変更された。
(拙webの仙台塩 釜港も参照)

 塩釜港区における油槽所群は貞山運河沿いを中心に展開しており、現在は集 約化が進んだ影響で空地が目立つようになったとは言え、依然として石油元売会社 や各商社の油槽所が狭い範囲に集中立地している。2008年の塩釜港区の移入量は2,068千トン、その内石油製品が1,075千トン、重油が319千ト ン、LPGが65千トンとなっている。(東北地方 整備局 塩釜港湾・空港整備事務所webより

『出所失念』
*塩釜埠頭駅  
塩 釜基地におけるタンク車[5]p133
<1999年2月20日調査>
・日本石油(株)塩釜油槽所
・太平洋セメント(株)塩釜SS
・富士運輸倉庫(株)塩釜事業所
・ゼネラル石油(株)東北地区事務所
 エッソ石油(株)塩釜油槽所 東北受注センター (三井石油タンクローリー有り)

・カメイ(株) (コスモ石油のタンクローリー有り)

・エッソ石油(株)塩釜エッソガス営業所 エルネットイースト(株)塩釜事業所
 住商液化ガス(株)仙台事業所 (株)エルピーレックス 仙台センター

・出光興産(株)塩釜油槽所
・昭和シェル石油(株)塩釜油槽所
・(株)ジャパンエナジー 塩釜油槽所 →2004.10.1 を目途に出光興産渇槙油槽所に統合し廃止
・コスモ石油(株)塩釜油槽所

・丸紅エネルギー(株)塩釜油槽所
 丸紅エネルギー・ジャパンエナジー 塩釜LPG基地  渡兵運輸
・コスモ石油(株)塩釜(西)油槽所 西の字は消してある
・コスモ石油(株)アスファルト基地
・品川燃料(株)塩釜油槽所 (ニヤクコーポレーション)

仙山線石油専用列車運行開始[5]p133

同左

 塩釜埠頭駅が所属した塩釜線は元を辿ると日本鉄道が1887(明20)年に開業した線であり、大変歴史が深い。そして塩釜線や塩釜埠頭駅の名称に関して は、改称や統合が複雑でなかなかややこしい。

 簡単に整理をすると、上記地図に載せた辺りについては、1933(昭8)年9月に開業した当時は塩釜港駅(貨物)であった。しかし1956(昭31)年 6月に塩釜港駅は塩釜埠頭駅に改称され、その1ヵ月後の同年7月には塩釜駅が塩釜港駅に改称され、同時に旅客営業が廃止された。

 その後、1986(昭61)年10月に塩釜港駅は廃止され、同駅は塩釜埠頭駅に統合された。そして1990(平2)年4月には塩釜埠頭駅の整理が行 われ、旧塩釜港駅−旧塩釜埠頭駅の線路が廃止された。つまりこの時点で上記地図の線路群が全て廃止されたということになる。尚、1989(平元)年3月 に塩 釜埠頭駅はコンテナ扱いを開始したが、1994(平6)年4月には営業を休止し、1997(平9)年4月に廃止され その長い歴史に終止符を打った。

 塩釜埠頭駅の石油輸送は、仙台臨海鉄道の仙台北港駅が1971(昭46)年10月に開業したことの影響を強く受けた。同駅には東北石油(株)仙台製油所 〔現、新日本石油精製(株)仙台製油所〕の専用線が接続しており、ジョイント輸送の進展などにより塩釜埠頭駅から仙台北港駅へ徐々に発送元が集約されて いった ためだ。〔三菱石油、日本石油へのジョイント輸送開始は1977年10月([4]p101)〕

 それでも『'85貨物時刻表』では、塩釜港発の石油専用列車は6本もある。内訳は漆 山行きが2本楯山行きが1本盛岡(タ)行きが1本二枚橋行きが1本陸前山王行きが1本である。漆山行きは途中解結無しで同駅にはシェル出光丸善の専用線があり、楯山行きも解結無しで同駅はエッソの専用線、盛岡(タ)行きも解結無しで同駅は日本OT向けであろう。一方、二枚橋行きは六原三菱製紙)、北上日石)、村崎野昭石)、二枚橋シェル)と解放をしており()内の専用線向けの石油輸送だったと思われ る。陸前山王行きは、同駅で蔵王行き石油列車が連結を行っており、蔵王駅 には共石の専用線があったため同駅向けの輸送に継走されたと 想像される。また長町駅にはシェル共石の専用線、岩沼駅にはゼネ石の専用線がありこれらも塩釜埠頭駅から石油が到着していたと思わ れる。このように塩釜埠頭駅は岩手、山形両県の内陸油槽所向けを中心に石油タンク車輸送の一大拠点であったことが窺える。(専用線は「1983年版専用線 一覧表より」)

 この塩釜埠頭の各石油基地からの輸送が重要視されていた1つの具体例として、仙山線経由での山形方面への輸送においての「石油優先列車」(現在の石油専 用列車)の運行開始というものがある。これは仙山線の輸送力に制約があり秋冬期に使用割り当て制が行われ、石油元売各社はその対策に苦慮していたが、 1965(昭40)年10月ダイヤ改正を機に同線に石油優先列車の運行が実現し輸送条件を著しく改善したものであった。これは日本石油輸送(JOT)の 運用タンク車を対象としたものとしては最初であった。([5]p120-121)

 『塩釜市統計書』によると、塩釜埠頭駅の発送量は1985(昭 60)年は219千トン、1986(昭61)年は149千トンであったが、1987(昭62)年は僅か1千トンに激減した。この時点で塩釜埠頭駅の石 油輸送は全廃されたと見ていいだろう。

 仙台臨海鉄道(株)は塩釜港駅及び塩釜埠頭駅の入換業務の受託を受けていたが、1984年9月に丸善石油が一部を残し大部分をローリー輸送に切り替えら れた のを皮切りに、元売各社は次々と塩釜埠頭駅一本松石油基地から撤退し、1987年3月に昭和シェル石油の撤退により石油発送は皆無となり、受託業務廃止と なった。([4]p63-64)

 その一方で仙台臨海鉄道の石油製品の輸送量は、 『鉄道統計年報』によれば、1985年度は552千トン、1986年度は572千トンだが、1987年度は647千トンと前年度より75千トンも伸びてい る。塩釜埠頭駅からのタンク車輸送は一部はローリー輸送へと転換された分もある筈(楯山駅のエッソ石油向けの輸送など)だが、それでも相当な量が仙台北港 駅に移管されたことが窺える。

 下記の塩釜埠頭駅の専用線一覧表を見ると石油元売各社が軒並み専用線を敷設していたことがよく分かる。また品川燃料(株)や岩谷産業(株)のように短期 間しかそ の名前が現れない荷主もあり興味深いところだ。

 現在の塩釜港区に立地する油槽所としては、最大規模を誇った日本石油(株)塩釜油槽所は閉鎖され姿を消したが、カメイ(株)塩釜貞山油槽所、エクソンモービル(有)塩 釜油槽所、出光興産(株)塩釜油槽所、昭和シェル石油(株)塩 釜油槽所、東西オイルターミナ ル(株)塩釜油槽所(旧、コスモ石油(株)塩釜油槽所)、丸紅(株)塩釜油槽 所、(株)ジャパンエナジー塩 釜 LPG基地、品川燃料(株)塩釜油槽所など各社の油槽所が規模を縮小しつつも現存([10]や各社webを参照)している。

▽石油系輸送に関 係する塩釜埠頭駅接続の専用線一覧
専用者
第 三者利用者
(真荷主又は通運事業者等)
1961
年版
1964
年版
1967
年版
1970
年版
1975
年版
1983
年版
備  考
富士運輸倉庫(株)
三菱石油(株)
富士興産(株)
日本石油瓦斯(株)
日本石油(株)
出光興産(株)
(株)亀井商店

日本石油輸送(株)
岩谷産業(株)
シェル石油(株)
大協石油(株)































×
×








×
×
×
×






×
×
×
×
×






×
×
×
×





1970年版以前は(株)亀井商店が専用者、
富士運輸倉庫(株)は第三者利用者
日本石油(株)
石油荷役(株)







エッソ石油(株)
ゼネラル石油(株)
日本石油輸送(株)






日本石油輸送(株)は1975年版以降
ゼネラル石油(株)は1967年版以降
大協石油(株)


出光興産(株)

シェル石油(株)
共同石油(株)
丸紅(株)
品川燃料(株)
丸善石油(株)
エッソ石油(株)
三井物産(株)
富士運輸倉庫(株)
日本オイルターミナル(株)
モービル石油(株)
渡兵運輸(株)
モービル石油(株)

日本オイルターミナル(株)

共同石油(株)



モービル石油(株)




























































×












×




日本オイルターミナル(株)は1983年版のみ
モービル石油(株)は1975年版のみ
渡兵運輸(株)は1970年版のみ
モービル石油(株)は1970年版のみ、
1964年版以前は塩釜港駅に専用線あり
日本オイルターミナル(株)は1983年版のみ 1987年3月廃止[4]p64



1964年版以前は塩釜港駅に東北丸善石油販売(株)専用線あり
1983年版では使用休止
−:未設置 ○:存在 ×:廃止


2009.7 エクソンモービル(有)塩釜油槽所

1998.5 カメイ(株)塩釜貞山油槽所

1998.5 徳山曹達(株)の液体塩化カルシウムタン ク
 中央は石油基地専用線跡地

2009.7 出光興産(株)塩釜油槽所

1998.5 モービル石油(株)塩釜油槽所、
奥はコスモ石 油(株)塩釜油槽所

2009.7 石油基地末端の品川燃料(株)塩釜油槽所
 奥は丸紅(株)塩釜油槽所



▼小名浜港  

『ニューエスト 福島県都市地図』昭文社、1995年
<2003.10.13調査>

日本石油(株)小名浜油槽所は無し(2001年4月より東西OT小名浜を利用)

出光興産(株)小名浜油槽所
 →2004.10.1を目途にJOMO小名浜油槽所を利用し、出光は小名浜油槽所を閉鎖
   (JOMO 2004.3.1 ニュースリリース:油槽所の相互利 用について

東西オイルターミナル(株)小名浜事業所

(株)ジャパンエナジー 小名浜油槽所

現在は日石と出光が閉鎖され、東西OTとJOMOに集約された形である。



2003.10小名浜港 左:東西OT(B地区) 右: 出光興産(現在廃止)

2003.10小名浜港 東西OT小名浜事業所 奥に (株) ジャパンエナジー小名浜油槽所

2009.4小名浜港 手前から(株)クレハ、(有)小 名浜エル ピージーターミナル、東西OT

2009.4小名浜港 手前から日石及び出光の油槽所跡 地、奥は東西OT



▼新潟東港  

『スーパーマップル 新潟県道路地図』昭文社、2003年

東西オイルターミナル(株)東新潟油槽所

モービル石油(株)(2008.12.1現在は無し)

(株)ジャパンエナジー 新潟東港油槽所

出光興産(株)新潟油槽所

旭カーボン(株)東港油槽所

▽石油等配分基地に進出企業(1985年4月1日現在) [19] p93
業 種
企 業名
面 積(m3)
操 業開始時期
製 品名等
石油配分
出光興産(株)
49,499
1973.10
石油製品
石油配分
共同石油(株)
32,399
1973.10
石油製品
石油配分
モービル石油(株)
8,250
1981.12
石油製品
石油配分
東西オイルターミナル(株)
丸善石油(株)
大協石油(株)
三菱石油(株)

46,076
16,502
16,502

1973.10
1973.10
1973.10

石油製品
石油製品
石油製品
石油備蓄
新潟石油共同備蓄(株)
507,955
1978.1
原油
石油備蓄
昭和石油(株)
100,131
1976.11
原油・重油
天然ガス
日本海洋石油資源開発(株) 
出光石油開発(株)
177,328
1976.9
天然ガス・原油
原材料貯留 
協和ガス化学工業(株)
9,948
1974.2
メタノール
原材料貯留
旭カーボン(株)
12,488
1974.11
カーボンブラック 
原材料貯留
三菱瓦斯化学(株)
94,184
1975.4
メタノール


2003.5 新潟東港

2003.5 新潟東港 旭カーボン鞄訣`油槽所



▼田子の浦港  

 
静岡県は、岳南地域に駿河湾臨海工業地帯の拠点とする「工業港」の建設を決定し、田子 の浦港の工事は1958(昭33)年に着工、1961(昭36)年8月 に開港した。その後1964(昭39)年4月に重要港湾に指定され、1966(昭41) 年4月には関税法による開港の指定と、名実ともに国際港として順調に発展していった。
田子の浦港(立地企業名は2006.5.6現在)

 田子の浦港の
石油製品は、主に神奈川県千 葉県からタンカー船で運ばれ、ガソリン・灯油・軽油・重油とそれぞれの専用タンクに受入れている。元売り各社により、静岡県内東部地域はも とより伊豆半島一円や山梨県長野県にまで供給。広域地域を カバーするエネルギー基地として重要な地位を占めている。(田子の浦埠頭webサイトより)



←ローリー出荷場(田子の浦埠頭(株)webサイトより)

 上述の山梨県や長野県まで供給しているというこ とは、例えばジャパンエナジーの場合、甲府油槽所があった当時は北袖〜東花輪間で鉄道タンク車輸送されていたが、これが廃止された後は、田子の浦港まで船 舶輸送されローリー輸送に継送されるという輸送体系になったということであろうか。出光興産は以前から山梨県内に油槽所は無いようなので、田子の浦港を拠 点にしていたと考えられる。


2006.5 新日本石油(株)田子の浦油槽所

2006.5 鈴与(株)田子の浦第二油槽所、奥は(株)ジャパンエナジー 田子の浦油槽所

2006.5 出光興産(株)田子の浦油槽所

平 成21年田子の浦統計年報にある「海上出入貨物の品種別年次別推移表」
によると、
1999年石油製品1,519千トン重油1,521千トン
2004年石油製品1,304千トン重油1,511千トン
2009年石油製品1,011千トン重油744千トン
である。

石油製品は1999年と比べると2001年〜2005年は若干減少し130万トン前後で推移
した後は暫減傾向にあり毎年のように5万トン前後減り続けており、2009年は約101
万トンとなっており1999年の3分の2の水準まで減少している。

重油は1999年〜2006年は150万トン前後で横這いだったのだが、2006年以降は
減少傾向を辿り2009年は1999年と比べると半減している。



▼大井川港  

 大井川港は大井川町の町営の港として1964(昭39)年に開港し、1966(昭41)年3月には石油埠頭の建設工事が竣工した。また西側の石油専 用岸壁が竣工したのは1971(昭46)年3月であった。大井川町は2008(平20)年11月に焼津市と合併したため、現在は市営の港となってい る。地方港湾としては有数の貨物取扱量を誇っていると言われるだけあって、埠頭には油槽所やセメントサイロなどがズラリと立地してる。それらは他地域と比 べると規模的には小さいように思われるが、逆にコンパクトによく纏められた設備とも言えそうで、地方港湾の1つの成功例に位置付けられよう。下図に赤字で 示したように大井川港には石油・ガスなどの燃料系の企業が多数進出しており、貨物取扱量に占める割合も石油類やLPGが高い。

 取扱貨物量は、ピーク時の1995(平7)年には419万トンに達したが、2000年代は300万トン台で暫減し、2008(平20)年には229 万トンまで減少している。重油・石油製品・LPGの貨物量は1995年は243万トンあったものが2008年には164万トンに減少した。(大井川港 港勢より)
取扱貨物量の推移(昭和39年〜平成20年)


平 成20年移入品目別比率
大井川港 港勢より)


<1997.3.12調査>


伊藤忠オイルターミナル(株)は、昭シェル系
 →現在は伊藤忠エネクス(株)大井川油槽所



(株)ジャパンエナジー 大井川LPG基地にはアスファルトタンクあり

(株)ジャパンエナジー 大井川油槽所には三井ガスあり

(株)TOKAIは三菱LPGタンクあり

兼松油店は「兼松油槽(株)」が正しいようだ
 →兼松(株)大井川LPG基地あり

出光興産(株)はLPGと石油の両方あり

日本石油(株)は鈴与ガスあり
 →現在は東西OT大井川油槽所

コスモ石油(株)大井川 油槽 所は無し(2001年現在で無し)



2005.1大井川港 コスモ石油(株)大井川油槽所と 出光 興産(株)大井川油槽所

2005.1大井川港 (株)TOKAI 大井川港西基 地



▼ 名古屋港(潮見町地区) 

 名古屋港は明治時代に開港し、それ以後埋立によって港の拡張が行われてきた。石油会社の油槽所等の危険物を扱う埋立地として9号地(潮見町)は戦前に誕 生しており、戦後は更に拡張され多数の石油タンクが林立する一大石油供給基地となった。しかしそのような潮見町は現在、元売各社の油槽所はその殆どが閉 鎖・撤去されてしまいすっかりガランとしてしまった。それでも商社系の油槽所などは多数残り、油槽所集積地帯としての面目を何とか 保っていると言えよう。


*汐見町駅  
 潮見町の鉄道貨物輸送は、名古屋臨海鉄道汐見町駅が担っていた。その鉄道貨物輸送の詳細については、拙web「貨物取扱駅と荷主」の「汐見町駅」を参照されたい。



▼伏木港(国分港) 

 現在、油槽所集積地帯としての地位は低下してしまったが、伏木港はかつて北陸地方を代表する臨海油槽所集積地帯であり、北陸一帯に石油を供給する役割を 担っていた。その経緯については「伏木港史」で詳しく述べられ、かつ同書が発刊された昭和40年代末の伏木港の石油基地の様子を窺うこともできる。以下は その抜粋である。

 伏木港外の国分海岸を約10万平方メートルも埋め立てて石油基地を作ろうという計画が、1962(昭37)年あたりから富山県と高岡市で検討され始め た。これと並行して大手の石油会社が北陸地方の経済発展に注目して伏木港への進出を計画し、まず大手メーカーの1つ昭和石油が、同年5月末より貯油タンク 8基(合計1万8,000トン)及び付属施設の伏木油槽所建設工事を開始した。[15]p672

 伏木港石油基地の造成工事は1963(昭38)年10月下旬には完成することになったが、日本石油帝 国石油出光興産昭和石油モー ビル石油日本ゼオン日本鉱業島 宇商店常盤商事広田石油エッ ソスタンダード石油などの企業が造成基地の分譲を申し込んだ。その後、三 菱石油亜細亜石油などの申し込みが続き、10月には 9万9,000平方メートルの用地全部の予約が決まっている。これらの業者によると年間60万キロリットル、タンク全部の建設が出来た1964(昭39) 年夏からは、伏木港の石油取扱量は、一躍130万キロリットルに上ることになった。当時の富山県の年間石油需要量は30万キロリットルだから、4倍 以上の荷揚げ能力をもつことになった。[15]p674-675

 伏木港の石油基地は、北陸における最大の石油基地として極めて重要な役割を果たしている。100台を超えるタンクローリーが、基地海岸沿いの2kmに及 ぶ石油専用臨港道路から高伏道路及び十間道路を通って、県下をはじめ石川福井岐 阜県下における石油需要の大部分をまかなっている。石油の需要は、近年において毎年大幅な伸びを見せているので、伏木国分港の入荷も増加の 一途をたどり1970年には200万トンの入津となっている。現在、石油基地には大手石油メーカー7社のもののほか100基近くのタンクが設立され、約150万トンの貯油能力がある。[15]p675-676

▽石油基地にタンクを持つ会社([15]p677)
所   名
  基数 
容 量(立方m)
備 考
出光興産(株)伏木油槽所
16基
35,600

昭和石油(株)伏木油槽所
21基
25,624
1963年5月開設[22]p385
日本石油(株)伏木油槽所
13基
21,600
1957年7月新設[23]p601
三菱石油(株)伏木油槽所
11基
18,050
1969年9月設置[6]p468
共同石油(株)伏木油槽所
13基
13,720

エッソスタンダード石油(株)伏木油槽所
9基
10,020

モービル石油(株)伏木油槽所
8基
6,300

日本ゼオン(株)伏木油槽所
4基
7,000


98 基
138,214



伏木港の空中写真(Yahoo Japanより)
<1999.4.2現地調査>

昭和シェル石油(株)伏木油槽所は閉鎖されていた。

日本ゼオ ン(株)高岡工場 伏木油槽所
液化塩化ビニルのタンクあり。

三菱石油(株)伏木油槽所は無く
 →廣田石油(株)になっていた。日本石油のタンクローリーあり。
※廣田石油(株)は2008年10月31日に民事再生法を申請したとのこと。

エッソ石油(株)伏木油槽所
 →エクソンモービル(有)伏木油槽所(2008.12.1現在)

出光興産(株)伏木油槽所(2009.7.1現在も残る)


←左上部のタンクが出光、真ん中がエクソンモービル、空地を挟んで日本ゼオン
  右手の沖合は伏木万葉埠 頭の建設が進む。


*伏木駅  
 伏木駅に接続する石油会社の専用線は、「1983年版専用線一覧表」によると日本 石油(株)出光興産(株)エッソ石油(株)共同石油(株)昭和石油(株)があり、 「1975年版専用線一覧表」ではこれらに加えて伏木海陸運送(株)の専用線の第三者利用者(真荷主)に三菱石油(株)があるなど元売各社の専用線が軒並み勢揃い していた。(※但し大協石油(株)は四日市駅から北陸地方までタンク車輸送を行っていたようで伏木港に油槽所を設置していない。丸善石油(株)は福井には 油槽所が あったが、石川や富山には無かったようだ。詳しくは拙webコスモ石油(株)こちらこちらを参照)

 しかしタンク車を輸送を行っていたと思われる北陸地方にこれらの元売会社の内陸油槽所は予想外に少なく(「1975年版専用線一覧表」では日石松 任駅共石敦賀駅及び粟 津駅に専用線がある程度)、たとえ末端需要家の専用線へのタンク車輸送があったとしても、伏木港の石油基地は鉄道輸送への依存度が低かった ように思われる。また以下で取り上げる金沢港福井港に 最新の大型臨海油槽所が建設され、新たな油槽所集積地帯が形成されるにつれて伏木港の石油基地の地 位そのものが相対的に低下していったこともあり、1980年代半ばにはこれら専用線は廃止されたのではないかと思われる。

2004.8 エッソ石油(株)伏木油槽所 緑地は専用線跡地か?

2004.8 出光興産(株)伏木油槽所



▼金沢港  

 1954(昭29)年に大野港と金石港が合併し、「金沢港」が発足した。1964(昭39)年には港湾法による「重要港湾」に指定されている。そし て1970(昭45)年に石油岸壁(-7m)が完成した。また同年には関税法による開港指定を受けた。その後、1988(昭63)年に日韓定期コンテ ナ航路が開設、2000(平12)年に北米定期コンテナ航路が開設されるなど、発展を続けている。
金沢港湾・空港整備事務所 沿革より)

 金沢港の2009(平21)年の取扱貨物構成によると、移入貨物は204万7千 トン、その内の74.5%(152万5千トン)を石油 製品が占める。また重油が5.8%(11万9千トン)、LPGが 4.0%(8万2千トン)となっている。また移入貨物の仕出地別構成 では、最大が山口県26.5%、以下岡山県18.1%北海道11.4%香川県9.7%、新潟県9.5%などとなっている。上位は製油所が立地する県で あることが分かる。(社)金沢港振興協会 金沢港取 扱貨物構成より)

『スーパーマップル 北陸道路地図』昭文社、2008年
<金沢港に立地する石油・LPG基地>


全農金沢石油基地(1983年10月完成)

連合液化ガスターミナル(株)(日 商岩井・コスモ石油・岩谷産業の
3社均等出資で1976年2月設立)

出光興産(株)金沢油槽所(2009年7月1日現在では無し)

(株)ジャパンエナジー 金沢油槽所(1970年11月開所)
(拙web(株)ジャパンエナジー <輸送基地の概要>を参照)

東西オイルターミナル(株)金沢油槽所(1970年10月開所)
(2002年7月に新日本石油(株)金沢油槽所を集約)

キグナス石油(株)金沢油槽所

東 西OT金沢油槽所
東西OTwebサイトより)



▼福井港  

 福井港は無駄な公共事業の一例として挙げられたこともあり、その埠頭を地元では「巨大な釣り堀」と呼ばれているなどという報道もあった。福井港は 1971(昭46)年7月に重要港湾に指定されたのだが、2000(平12)年4月には全国的な重要港湾の見直しの中で地方港湾に格下げされた。

 福井港の2007(平19)年の取扱貨物総数は198.6万トン、その内石油製品は94.8万トンを占める他、重油は26.3万トンなどとなってい る。福井県内で消費されるガソリンの約8割は福井港から荷揚げされるとのことである。(福井港振興協会 福井港の概況より)

『スーパーマップル 北陸道路地図』昭文社、2008年
<福井港に立地する油槽所>
出光興産(株) (2009年7月1日現在では無し)

ジャパンオイルネットワーク(株)福井油槽所

新日本石油(株)福井油槽所
 →東西オイルターミナル(株)福井油槽所
  (1978年12月に日本石油(株)福井油槽所として開所
   2005年4月に新日本石油から借受け)

(株)ジャパンエナジー 福井油槽所
(1978年12月にエッソ石油と共同建設[8]p317、2008年12月1日現在では無し)

東西オイルターミナル(株)福井油槽所
(1979年11月開所、1999年6月閉鎖)

 現在、福井港に立地する油槽所はJONET福井油槽所と東西OT福井油槽所のみで伏木港、金沢港より更に新しい油槽所集積地帯として整備された臨海油槽 所の割には衰退してしまった感が強い。特に東西OTについては、元々コスモ石油や三菱石油の共同油槽所として立地していたが1999年6月に閉鎖され、そ の後新日石福井油槽所が東西OTに移管され再び同社福井油槽所が誕生するという複雑な経緯を辿っており興味深いところだ。



▼大阪 港(梅町地区)  

 大阪港は梅町地区が油槽所集積地帯と呼べる場所となっている。但し、石油元売会社の油槽所よりも桜島埠頭(株)のような港湾系物流会社の油槽所が目立つ のが 特徴だ。大阪圏は堺泉北工業地帯に製油所が多数立地していることもあり、梅町地区の元売会社の油槽所は近年廃止される傾向にある。一方で薬品関係の油槽所 が相対的に目立つようにもなっており、そういう意味では現在、石油系の*槽所集積地 帯と限定した場合は、この地区を含めるのはやや難があるかもしれない。


*桜島駅  
 桜島線は現在、安治川口駅まではコンテナ輸送による鉄道貨物輸送を行っているが、同線の終点桜島駅からはかつて多数の専用線が埠頭に向かって複雑に伸び ており、鉄道貨物輸送が活発に行われていた。しかし1986(昭61)年11月に同駅は貨物取り扱いが廃止されており、網の目のように張り巡らされてい た専用線は全て廃止 されてしまった。現在でも専用線の跡地と思われる空地がところどころに残ってはいるものの、レールが迷路のように展開していた時代を想像するのは難しいく らいに整備はされてしまっている。下記の地図を見るにつけ、その専用線の密度の濃さぶりには感嘆を覚えてしまう。

『ニューエスト大阪府都市地図』昭文社、1981年3月発行
<1996.12.24現地調査など>
:北港化学(株)(キグナス系)
日商岩井(株)北港油槽 所
:桜島埠頭(株)(地図ではゼネラル物産 桜 島貯 油所)
  1962年6月:石油埠頭に油槽所が完成し業務開始(同社webより)
  1970年3月:隣接のゼネラル物産鰍フ施設一切を買い取りをし、
  同社梅町油槽所とした(同 社webより)
(株)ジャパンエナジー 桜島油槽所(1998 年度に燃料油の取扱中止)
:東永運輸(株)
昭和シェル石油(株)大阪桜島油槽所(現在は廃止)
  伊藤忠エネクス(株)桜島油槽所あり(2010年現在)
:近畿輸送倉庫(株)梅町油槽所
  同社は2005年8月にアスト(株)に 社名 変更した
住 友化学工業(株)桜島中継所
 I :東海電化工業(株) →旭 電化 工業(株)大阪基地(2002.1現在)
 東洋埠頭(株)大阪支店

また場所を失念したが、(株)辰巳商会 梅町ケミカルターミナルもあり

▽石油系及び薬品 系輸送に関係する桜島駅接続の専用線一覧
専用者
第 三者利用者
(真荷主又は通運事業者等)
1953
年版
1957
年版
1961
年版
1964
年版
1967
年版
1970
年版
1975
年版
1983
年版
備  考
(株)辰巳商会
東洋木材防腐(株)








1983年版では使用休止
1970年版以前は東洋木材埠頭(株)が専用者
桜島埠頭(株)
日本通運(株)
三井物産(株)








三井物産(株)は1957年版以降あり
昭和石油(株)
大阪営業所(南)
日本通運(株)









ゼネラル石油(株)大阪支店
 →桜島埠頭(株)
共同石油(株)大阪支店
日本石油輸送(株)
桜島埠頭(株)








ゼネラル石油(株)は1967年版以前、1970年版以降は桜島埠頭 (株)
共同石油(株)は1964年版以前は日本鉱業(株)
第三者利用者の桜島埠頭(株)は1967年版以前
東洋埠頭(株)大阪支店
日本通運(株)
東永運輸(株)
安宅産業(株)
日商(株)
日通商事(株)
岩谷産業(株)
北陸工業瓦斯(株)
ブリヂストン液化ガス(株)







東永運輸(株)は1957年版以降あり
安宅産業(株)は1961年版以降あり、1983年版では無し
北陸工業瓦斯(株)、ブリヂストン液化ガス(株)は1975年版以降あり
日商(株)、日通商事(株)、岩谷産業(株)は1967年版以降あり
住友化学工業(株)
双葉運輸(株)
電気化学工業(株)
広栄化学工業(株)
日本石油輸送(株)







電気化学工業(株)は1961年版以降あり、1975年版以降は無し
広栄化学工業(株)、日本石油輸送(株)は1975年版以降あり
昭和石油(株)
大阪営業所(北)
日本通運(株)









(株)島田商会
日本通運(株)








1991年に(株)島田商会は桜島倉庫営業所を廃止(同社webより)
(株)トーメン
日本通運(株)









−:未設置 ○:存在



▼境港  

 山陰地方を代表する港湾である境港の歴史は古く、明治時代より主要港として機能し海外貿易の窓口となっていた。油槽所の集積も古くから見られ境港駅の西 側の境水道沿いに展開していた。しかし美保湾に面した地域に新たに埠頭が建設され、石油基地についても「昭和南地区」に1981(昭56)〜1982(昭 57)年にかけて石油ドルフィンが完成しており、順次移転したようだ。このような埠頭の新設による移転の経緯は、規模的には境港の方が小さいものの 釧路港の東港地区から西港地区への石油基地の移転を思い出させる。(境港管理組合webを参照)

<1998.8.10調査>

東西オイルターミナル(株)境港油槽所
 ジャパンエナジー  コスモ石油
 昭和シェル石油   三菱石油
 →東西オイルターミナル(株)境港油槽所(A地区)

日本石油(株)境港油槽所
 →東西オイルターミナル(株)境港油槽所(B地区)

このように元売会社関係の油槽所としては現在東西OTのみの立地であり、
油槽所集積地帯というにはいささか寂しい状態ではある。

東西OT境港油槽所(A地区・B地区)東西OTwebサイトより)

*境港駅 (※ 「貨物取扱駅と荷主」に境港駅あ り)
 山陰地方の最初の鉄道は境港駅〜御来屋駅(山陰本線)間であり、境港と鉄道の関わりは非常に深いものがあった。陸海接続の拠点である境港駅からの鉄道貨 物輸送としては、ラワン材の専用列車が著名であったが、油槽所の集積があったことからタンク車輸送も行われていた。但しそれは石油基地移転前の話であり、 上記の現在の油槽所集積地帯である「昭和南地区」は鉄道輸送とは縁の切れた立地となっている。この点は釧路港は東港から西港への石油基地の移転の際にも鉄 道貨物輸送を継続すべくインフラ整備されたのと好対照である。

▽境港駅の石油系専用線の推移
専 用者
第 三者利用者
1953
年版
1957
年版
1961
年版
1964
年版
1967
年版
1970
年版
1975
年版
1983
年版
備   考
堀田石油店
境港海陸運送(株)







×
共用 1953年版のみ第三者に日本石油(株)
日本石油(株)
石油荷役(株)







×
共用 拙web「新日本石油(株)」の日本石油(株)の油槽 所参 照
エッソ石油(株)









公共臨港線分岐(0.2キロの地点分岐)
1975年版以前はエッソ・スタンダード石油(株)
1967年版以前は国鉄側線
1961年版のみ第三者にシェル石油(株)あり
第一燃料工業(株)








×
国鉄側線
シェル石油(株)
因伯通運(株)
昭和石油(株)








公共臨港線分岐(0.5キロの地点分岐)
1967年版のみ第三者に昭和石油(株)あり
シェル石油(株)
丸善石油(株)
境港海陸運送(株)
因伯通運(株)








公共臨港線から分岐
○:存在 △:休止 ×:廃止 −:未設置

 境港駅には日石、エッソ、シェル、丸善の各石油各社の専用線があったわけだが、これらは油槽所そのものが全て廃止されてしまい現在は残っていない。日石 及びシェルと丸善は上記の境港の昭和南地区に移転し現在はそれぞれ東西OT境港油槽所として存在しているが、一方エッソ石油は境港の油槽所は廃止してし まったようだ。

 境港駅からの輸送先は例えば湖山駅だろうか。同駅には日石、シェルの専用線が存在した。また東松江駅には橋本産業(株)の専用線が存在したがここも候補 か。

 また境港海陸運送(株)のトラック輸送として昭和40年代、50年代に丸善石油葛ォ港油槽所から山陰各地向けのドラム缶石油の配送や空ドラムの回収を2 トン 〜8トン車で行っていた。[21]p98
 そして境港駅からの石油タンク車輸送は、1985(昭60)年2月限りで 廃止された。[21]p120



▼広島港(月見 町)  

『スーパーマップルF中国・四国道路地図』昭文社、2001年

日石三菱(株)広島油槽所
 →2001年度に廃止(拙web新日本石油(株)参 照)

コスモ石油(株)広島油槽所
 →東西OT広島油槽所

出光興産(株)広島油槽所

(株)ジャパンエナジー 広島油槽所

廣島 エルピーガスターミナル(株)



▼博多港(荒津地区)   

『スーパーマップルG 九州道路地図』昭文社、2006年
<油槽所の現況>
(株)ジャパンエナジー 
 →2004.10.1 を目途に出光興産(株)福岡油槽所に統合し廃止

エクソンモービル(有)福岡油槽所

コスモ石油(株)福岡油 槽所
 →2008年現在廃止。JONET福岡油槽所に統合

(株)新出光 福岡総合油槽所 1972年4月竣工(同社webより)

出光興産(株)福岡油槽所

林兼 石油(株)福岡油槽所〔大東タンクターミナル(株)〕

新日本石油(株)福岡油槽所 →東西OT福岡事業所

増田石油(株)福 岡油槽所

伊藤忠燃料(株)
 →伊藤忠エネクス(株)福岡油槽所及びアスファルト基地(第1・第2)

相光石油(株) (同社 webよ り)
 1959年10月:福岡油槽所を福岡市荒津に移転・増設
 1967年10月:福岡油槽所を拡充、アスファルト基地を建設
 1985年09月:福岡市荒津に福岡第二油槽所を開設

九州石油(株)福岡油槽所 →2008.10.1に新日本石油と経営統合 


2003.8博多港 林兼石油(株)福岡油槽所

2003.8博多港 エクソンモービル(有)福岡油槽所  西 部ツバメプロパン

2003.8博多港 相光石油(株)福岡油槽所 出光興 産(株)福岡油槽所

2003.8博多港 エクソンモービル(有)福岡油槽所  コ スモ石油(株)福岡油槽所



▼八代港(大島 地区)  

立地企業名は現地調査(2006.3.19)及びゼンリン「いつもNAVI」 より作成
<油槽所の現況>

東西オイルターミナル(株)八代第一油槽所
 1969.2開所 旧日本石油

東西オイルターミナル(株)八代第二油槽所
 1969.11開所 旧コスモ石油

エクソンモービル(有)八代油槽所
 →2008.12.1現在では無し

ジャパンオイルネットワーク(株)八代油槽所

出光興産(株)八代油槽所


2006.3八代港

2006.3八代港 (株)Misumi




[1]中津川 亨「物資別共同基地について」『鉄道ピクトリアル』第23巻第12号、通巻第287号、1973年、15-16頁
[2]曽我 治夫「臨海鉄道13社の現況」『鉄道ピクトリアル』第43巻第3号、通巻第572号、1993年
[3]渡辺 一策「ローカル貨物列車ワンポイントガイド」『鉄道ダイヤ情報』第24巻第11号、通巻第154号、1995年
[4]『仙台臨海鉄道のあゆみ(20年間の資料を中心として)』仙台臨海鉄道株式会社、1990年
[5]『日本石油輸送の25年』日本石油輸送株式会社、1973年
[6]『三菱石油五十年史』三菱石油株式会社社史編纂委員会編、1981年
[7]『大協石油40年史』大協石油株式会社社史編さん委員会編、1980年
[8]『共同石油20年史』共同石油株式会社発行、20年史編纂委員会編、1988年
[9]『1999年版 会社総鑑(下巻)《未上場会社版》』日本経済新聞社、1999年、5350頁
[10]『2009年版石油産業 会社要覧』石油春秋社、2009年
[11]「流通コスト削減のかなめ 油槽所の共同化」『石油文化』第44巻第7号、1996年
[12]伊藤 博志「北上地区の貨物輸送近況」『トワイライトゾ〜ンマニュアル11』ネコ・パブリッシング、2002年
[13]『創立40周年記念誌 北の大地を創る』苫小牧港開発株式会社、1998年
[14]『神奈川臨海鉄道30年史』神奈川臨海鉄道株式会社、1993年
[15]『伏木港史』伏木港海運振興会、1973年
[16]『日本石油輸送50年史』日本石油輸送株式会社、1997年
[17]『苫小牧港開発株式会社二十年史』苫小牧港開発株式会社、1980年
[18]『苫小牧埠頭株式会社二十年史』苫小牧埠頭株式会社、1980年
[19]高津 斌彰「新潟臨海工業地帯の発展」『地方工業地域の展開』大明堂、1986年
[20]渡辺 一策・藤岡 雄一「臨海鉄道パーフェクトガイド」『鉄道ダイヤ情報』第28巻第3号、通巻第197号、1999年
[21]『境港海陸運送五十年の歩み』境港海陸運送、1994年
[22]『昭和石油三十年史』昭和石油株式会社、1974年
[23]『日本石油百年史』日本石油株式会社、1988年

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