日本の鉄道貨物輸送と物流: 目次へ
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キッコーマン株式会社
2017.9.17作成開始



▼沿革
年 月
内 容
1917(大正6)年
野田醤油(株)設立、万上味醂(株)設立
1925(大正14)年
野田醤油醸造(株)、万上味醂(株)、日本醤油(株)を合併
第17工場(現野田工場製造第1部)製品を初出荷
1930(昭和5)年
びん詰工場(現野田工場製造第2部)作業開始
1931(昭和6)年
関西工場(現高砂工場)を完成
1961(昭和36)年
吉幸食品工業(株)設立(現日本デルモンテ株式会社)
1964(昭和39)年
キッコーマン醤油(株)に社名変更
1966(昭和41)年
ヒゲタ印製品の販売を受託
1980(昭和55)年
キッコーマン(株)に社名変更
1982(昭和57)年
キッコーマン(株)関西工場を高砂工場に名称変更
1984(昭和59)年2月
国鉄高砂線・高砂駅の貨物取り扱い廃止
1985(昭和60)年3月
東武鉄道野田線・野田市駅の貨物取り扱い廃止
1987(昭和62)年
千歳工場を完成
1989(平成元)年
高砂工場で本みりん製造開始
1994(平成6)年
総武物流株式会社設立(総武通運(株)と野田物流サービス(株)を合 併)
2004(平成16)年
ヒゲタ醤油(株)と資本提携
(株)紀文食品、(株)紀文フードケミファ、(株)紀文フレッシュシステムと資本業務提携
2005(平成17)年
宝醤油(株)を連結子会社に
2008(平成20)年
理研ビタミン(株)と資本業務提携
(株)紀文フードケミファ(現(株)フードケミファ)を完全子会社に
2009(平成21)年
持株会社制へ移行
(キッコーマンwebサイト等より作成)


▼ 物流と鉄道貨物輸送
 日本醤油協会に加盟する醤油メーカーは約2千あり、年間約120万キ ロリットルの生産量のうち、約5割を5社が占めているという業界であり、その中で全体の約3割のシェアをキッコーマン(株)が占めている。

 同社の醤油工場は北海道の千歳、関東の野田、関西の高砂の3工場で、メインは全体の60%を生産する野田工場。各工場の出荷のテリトリーは、千歳が北海 道と東北の一部、野田が名古屋以東の東日本、高砂がそれ以西の西日本で分けられている。

 醤油の出荷の際の荷姿は、多くは段ボールケースだが、容器は2リットル瓶から樹脂製の1リットル入りのものが主流になりつつある。

 これら製品の輸送機関別の利用シェアは、トラックが85%、コンテナが 15%だが、トラックと比べて運賃の安いコンテナの比率を高めたいとしている。そのためコンテナ単位で取引する需要家には、そのメリットを 還元する仕組みを取っている。現在、野田・高砂の両工場で月間約1千個の 利用となっているが、利用割合はもっと高まる見込み。

(『Monthlyかもつ』1992年6月号、p14)

▼千歳工場

▼野田工場
 野田工場は1999年の実績で年間およそ3,600個のコンテナを利用している。しかし以前は同工場で年間1万個のコンテナを利用していた時期もあ り、その当時に比べるとコンテナの利用はだいぶ減っている。
 これは物流コストの削減と商品の納品時間を短縮するため、地域での配送は在庫を持たない中継基地が主体となり、一時全国に28カ所あった地域配送DPが 8カ所まで減らしたため。野田工場は、鉄道コンテナは主に千歳工場の配送センターや地域配送DPへの商品在庫補充、大手顧客への商品直送等に現在は限定し て使用している。

 野田工場において、商品の輸送手段としておよそ92%はトラック及びローリー車だが鉄道コンテナ輸送は6%程を占めており、このうち約35%が宮城野、同25%が札幌(タ)、同15%が梅田又は大阪(タ)、同10%を福岡(タ)、その他15%は不定期でそれぞれコンテナで輸送し ている。コンテナの発送は越谷(タ)駅を利用。

 同工場でコンテナ輸送を利用するのは、輸送単価が安く、省資源の輸送モードであることも理由だが、事故や災害に備えて多機能の輸送モードを用意しておく 意味合いもあるという。

(『JR貨物ニュース』2000年4月15日号、3面)

▼高砂工場
 高砂工場の北陸向けは姫路貨物発、金沢着で専光寺SPに配 達している(『運輸タイムズ』1995年1月23日付3面)。

▼日本デルモンテ(株)
▽わが社の輸送手段見直し 日本デルモンテ(株)福島工場 (1991 年8月26日付『運輸タイムズ』3面)

 日本デルモンテ(株)福島工場(福島県原町市)は、1ケ月平均150個のコンテナでジュース類を全国へ出荷している。これとは別に8〜9月の2ケ月、東 京へ約280個のコンテナでトマトジュースを輸送する。トラックと十分対抗できるスピードと運賃のほか輸送時間が正確なことからコンテナを利用している。 しかし通常の輸送は、北海道と九州の遠隔地を除くとトラック利用のウェートが高く、8〜9月の東京向けも半分はトラック輸送。現在はトラック中心だが、将 来ともトラック輸送力を安定的に確保することが難しいとみて、コンテナ輸送への転換を検討している。

 日本デルモンテ(株)福島工場はトマトジュース、フルーツジュース、ケチャップなどを全国のSP、得意先へトラック(60%)とコンテナ(40%)で出 荷しており、1ケ月のコンテナ利用個数は150〜200個。トラックによる輸送比率が高いが北海道、九州向けは100%コンテナ輸送。関西向けもコンテナ が70%となっており四国、中国へもコンテナ輸送している。

 通常の出荷とは別に大量需要期の8、9月は東京のSPへ約300個のコンテナで製品を出荷している。これは全出荷量の半分である。以前は全量トラック輸 送だったが、1986年からコンテナ輸送も始めた。

 コンテナの発駅は宮城野。しかしトマトジュースの出荷期には約40%を同工場から60km離れた岩沼駅から発送している。8、9月は月曜日から土曜日の 毎日、コンテナ数十個の発送となるため、宮城野駅の混雑を緩和するため、岩沼駅からも分散発送している。

 トラックからコンテナへの転換を検討しているが、問題は発駅(宮城野)への距離が長く、コンテナ集荷料金の負担が大きくなることや通運会社のトラックが 工場と発駅の間を1往復しかできないという運行効率の低さもネックになっている。そこで、同工場では地元企業と共に「原ノ町駅でコンテナ営業をしてほし い」とJR貨物に働きかけている。

 1984年2月、原ノ町駅の貨物取り扱い廃止の際に、存続を陳情したが「常磐線に貨物列車を走らせない」という当時の国鉄の方針で、希望は入れられな かった。しかし同線を貨物列車が走っており、原ノ町駅でのコンテナ取り扱いを希望する地元企業が多いため、日本デルモンテ(株)福島工場長を中心に地元企 業6社が1991年6月、コンテナ取り扱いを開始するための準備委員会を設立した。同委員会は、年間コンテナ輸送見込み数量をJR貨物に提出し、原ノ町駅 でのコンテナ取り扱いを要請している。

▽日本デルモンテ、福島など3工場閉鎖 生産拠点を集約 (2010年 1月26日付『河北新報』)

 キッコーマンは25日、完全子会社の日本デルモンテ(東京)の福島工場(南相馬市)など国内3生産拠点を閉鎖すると発表した。デフレ下で食料品の価格競 争が激化するなど事業環境が厳しさを増しており、生産拠点を集約することで効率を高めるのが狙い。

 福島工場を2011年9月に閉鎖するほか、木島平分工場(長野県木島平村)を10年7月、日本デルモンテ子会社の東北デルモンテ(二戸市)を11年3月 に閉める。

 計約160人の従業員のうち、正社員と雇用期間が決まっていない契約社員は日本デルモンテの他の事業所への配置転換などで雇用確保を目指す。期間が決 まっている契約社員は、工場閉鎖以降は契約を更新しない。跡地は売却する方向だ。

 日本デルモンテは、トマトケチャップやパスタソースといった「デルモンテ」ブランドの製品を主に生産している。現在、国内に5カ所ある拠点をトマト調味 料中心の群馬工場(群馬県沼田市)、飲料中心の長野工場(長野県千曲市)の2カ所に再編。設備投資などに約50億円を投じる計画で、年間約10億円の経費 の削減に寄与するという。

 キッコーマンによると、福島工場では88人が働いており、うち正社員は54人。正社員は群馬、長野工場に配置転換することも含め、これから協議してい く。残り34人は非正規雇用で、閉鎖時点で契約満了になる。

 日本デルモンテによると、東北デルモンテは1966年操業で、従業員34人を雇用している。工場閉鎖方針について、二戸市商工観光課は「情報収集を急 ぎ、対応を決めたい」と話している。

▼紀文フードケミファ(株)

▼理研ビタミン(株)



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