▼ナイロン
糸原料 輸送手段に鉄道コンテナ 防府貨物から南福井へ (1996年6月24日付『運輸タイムズ』5面) 鐘紡(株)防府合繊工場は1995(H7)年度まで、ナイロン糸を防府貨 物駅から南福井駅へコンテナ輸送していた。こ れを1996(H8)年度から糸に 加工する前の原料の段階で出荷し、納品先工場でナイロン糸に加工することにした。この結果、糸原料の輸送が新たに発生し、輸送手段として鉄道コンテナを選 んだ。 同社は財務体質の再建策として事業の再構築を推進している。その一環で繊維部門の生産効率化策としてナイロン糸原料と、糸原料を加工する糸製造を分離独 立させ、 糸の製造を北陸合繊工場へ移管した。 ナイロン糸当時の鉄道コンテナ利用は、1ケ月10個台程で、例えば1995年度4月は16個、5月は8個だった。これを糸原料に転換した1996年度は 利用が伸びており、4 月120個、5月156個の実績である。糸当時はトラックが主体の輸送だったのを、鉄道コンテナメインに切り替えたためで、日・祝日を除く月〜土曜日、1日最大6個の輸送を計画 している。鉄道輸送の特性である定時定型によって安定供給を確保することや、コンテナの保管機能を利用して物流の効率化を図ることを狙っている。 試験輸送では作業性、安全性を確認した。糸原料(樹脂チップ)はフレコン(825s)入りで、12ftコンテナに6袋積載するため18Dコンテナを使用 している。 従来のフレコン(トラック輸送に使用)ではサイズ的に6袋積載することができないため、細身のサイズに変更し、背丈を高くした。 試験輸送では新しいサイズにしたフレコンの到着地における状態を調べたが荷崩れは無く、安全に輸送できることが分かった。背高タイプの18D使用は、フ レコンを背高にしたためフレコンの紐にフォークリフトのツメを差し込んで行う積卸しの作業性を調査するためだが、到着地における作業に問題ないことを荷主 のカネボー物流(株)、JR貨物、通運が確認した。 また、受け入れ工場(原料倉庫)の保管スペースに余裕がない場合、JR貨物の輸送閑散期にはコンテナの保管調整機能を活かすことで着駅頭に一時留置する ことができる。通運に配達指示を行うことによって受け入れ工場は必要とする時に必要量の供給を受けられる。更にSP倉庫中継の輸送が省略できるために中間 物流費が抑制でき、在庫管理の簡略化も図ることも可能となる。 尚、防府合繊工場は顧客向けにポリエステル樹脂(原料チップ)を、防府貨物駅から八王子駅へ1日10個の定型枠を組んで専用ホッパコンテナで輸送する一方、八戸貨物駅にはアクリル綿を汎用12ftコンテナで月間40個輸送している。また、1995年秋にはトラックから転換した フレコン入り原料チップを新座貨物ターミナル駅へ汎用 12ftコンテナで月間40個輸送している。今回、糸原料の コンテナ輸送を実施したことにより、同工場の1日当たりのコンテナ発送個数は20〜25個となった。 |
▼糸の生産拠点 北陸に移す コンテナで原料樹脂 鐘紡防府工場 (1997年
4月28日付『運輸タイムズ』5面) 鐘紡(株)防府工場は防府貨物駅から全国16貨物取扱駅に コンテナ輸送を行っており、1996年度の個数は約3,600個で、 95年度を約8%上回った。主要着駅は八王子、南福井、金沢、八戸貨物、安治川口、名古屋(タ)など。 南福井駅向けの個数は、96年度は約1,320個で対前年 380%と増加した。金沢も増加して前年の約890個が約2倍の1,560 個となり、75%の伸びとなった。金沢向けの増加も、需要の発生に伴い出荷量が大幅に増えたためである。 北陸地区へは汎用12ftコンテナを使用しており、原料樹脂はフレコン詰め。関東はポリエステル樹脂専用のホッパコンテナ(UH6A形式)を使用してお り、バラ化が実現している。八王子駅の着通運はダンプアップ機構付きの専用 トラックで配送を行っている。防府貨物駅〜八王子駅間を専用運用しており、ダイヤと枠を決めて定型化している。 同工場では「トラック輸送に比べ鉄道は所用日数に若干問題はあるが、北陸の大量需要の向け先へは、早めに計画を立てて出荷を行っているため、供給上リー ドタイムの問題は生じていない」と話している。 |
2009.9熊谷(タ)駅 |
駅 名 |
専用者 |
作業 キロ |
S42 |
備 考 |
静岡 |
鐘淵紡績(株) |
1.5 |
○ |
専用鉄道 |
南四日市 |
鐘淵紡績(株) |
0.4 |
△ |
|
高岡 |
鐘淵紡績(株) |
1.5 |
○ |
高岡、二塚間途中分岐 |
福知山 |
鐘淵繊維(株)福知山工場 |
0.1 |
○ |
|
防府 |
鐘淵紡績(株) |
3.2 |
○ |
|
中津 |
鐘淵紡績(株) |
0.3 |
○ |
|
丸子鐘紡 |
鐘淵紡績(株) |
0.8 |
○ |
上田丸子電鉄 |