日本の鉄道貨物輸送と物流:目次へ
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ホクレン農業協同組合連合会
2020.3.8作成開始


■中斜里製糖工場(釧網本線 中斜里駅)
▼甜菜糖は鉄道輸送を継続 重油、石灰石は貨車をトラックに転換 (1997年 2月10日付『運輸タイムズ』3面)

 JR貨物が1997年3月22日に実施するダイヤ改正で、中斜里駅は自動車代行駅となる。中斜里製糖工場は同駅分岐の専用線を使用して重油、石灰石を貨 車で受け入れている。また製品の甜菜糖を鉄道コンテナで専用線を利用して発送している。

 重油は中斜里製糖工場の動力源となる発電ボイラーの燃料として年間5万キ ロリットルを苫小牧地区からタンク車で受け入れている。発着地とも専用線を活用した効率的な鉄道輸送を行っているが、代行駅化後は専用線が 廃止となるため、タンクローリーで製糖工場へ輸送することになる。

 JR貨物は代行駅化後も現行の輸送サービスを維持すると説明しているが、諸般の事情を考慮してローリーによる直行輸送に切り替えることにした。

 石灰石は甜菜糖を製造する段階で不純物を除去するための材料として年間3 万トンを無蓋貨車によるバラ積み輸送で受け入れている。石灰石の発駅は東鹿越で、発駅にも専用線がある。ダイヤ改正では東鹿越駅の貨物扱い も廃止になる。

 石灰石も専用線を発着する現行の効率的な鉄道輸送が出来なくなる。現行の鉄道輸送は迂回しているが、トラック輸送に切り替えると輸送距離が短縮する。専 用線の廃止により専用トラックによる路上輸送に切り替えざるを得なくなった。

 一方、製品の甜菜糖は本州向けの一部である年間約1万トンを 鉄道コンテナで輸送しているが、代行駅化後もコンテナ輸送を継続することを前提として検討を行っている。JR貨物の説明によると代行駅化後は、基地駅とな る新富士駅へ、JR貨物の責任でトラック輸送を行い、同駅からレール輸送を行うため現行輸送と比べて、物流費、リードタイム、その他で何等変更点は無いと のことだ。

 JR貨物からは1994年12月に、中斜里駅将来、自動車代行駅になると説明があった。荷主として現行鉄道輸送の存続を強く求めていたが、3月ダイヤ改正で代行駅化する ことを残念に思っている。製品の輸送だけでも鉄道利用を継続 したいというのが荷主の基本的な考え方である。JR貨物と荷主の信頼関係をより良いものに発展させるためにも代行駅化後の鉄道輸送が荷主の要請に応えるも のであることを要望したい。 (ホクレン農業協同組合製糖加工品課 物流部物流一課)


■磯分内製糖工場(釧網本線 磯分内駅)


■美幌製糖工場(石北本線 美幌駅)


■清水製糖工場(根室本線 十勝清水駅)



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