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富士駅 〜紙・パルプ輸送以外にも見どころ盛り沢山の中堅貨物駅〜
2010.3.7作成開始 2010.3.15公開

<目次>
はじめに
富士駅品目別発送貨物状況
富士駅品目別到着貨物状況
富士駅に接続する専用線の推移
富士駅の概要
富士駅発着の中小製紙メーカー(日本製紙・王子製紙以外)の紙・パルプ 関係のコンテナ輸送
富士フイルム株式会社のコンテナ輸送
富士駅に発着する化学薬品・化学工業品の輸送
 旭化成ケミカルズ株式会社
 昭和高分子株式会社
 東洋インキ製造株式会社富士製造所
 日本エイアンドエル株式会社 (旧、住化エイビーエス・ラテックス株式 会社)
 その他メーカーのコンテナ輸送
■富士駅に発着する食品・食品添加物のコンテナ輸送
 日本食品化工株式会社富士工場
 福泉産業株式会社
 三菱商事フードテック株式会社富士工場(旧、東和化成工業株式会社)
 富士駅発着のその他の食品・食品添加物メーカーのコンテナ輸送
富士駅に発着する自動車部品関係のコンテナ輸送
 ジヤトコ株式会社
 ユニプレス株式会社(旧、山川工業株式会社)
 その他自動車部品メーカーの富士駅発着のコンテナ輸送


1996.12 富士駅構内

2009.5 コンテナ富士駅 隣は王子製紙

■はじめに

 富士市は人口約26万人、紙の都≠ニ呼ばれ、紙・パルプ産業を中心とした静岡県東部の工業都市である。その中心駅であるJR富士駅は今や全国的にも珍 しく なった旅客と貨物の両方を取扱う「一般駅」である。
 さて「貨物取扱駅と荷主」の第1回目にこの富士駅を選んだのは、何といってもこの駅が今に続く我々の貨物調査の原点とも言うべき駅だからだ。1994年 夏に 初め て調査して以来通算10回以上は訪問している富士駅だが、同駅の魅力はコンテナと車扱の両方を扱っている点、コンテナ基地は道路に接しており調査しやすい 点、紙・パルプメーカーを含め多様な荷主が存在する点、そして専用線(日本製紙)が残存する点などいくつもあり、調査に行くたびに新しい発見がある場所 だ。 さらには富士駅に隣接する吉原駅、そこから分岐する岳南鉄道も鉄道貨物輸送の拠点となっており、今でも富士駅周辺は鉄道貨物輸送の盛んな地域と言えよう。


■富士駅品目別発送貨物状況
年   度
総 数
紙・ パルプ
機 械車両類
鉱 石類
肥 料
繊 維類
コ ンテナ
そ の他
1980 (昭和55)年
463,458
269,578
42,300
5,339
67,920
14,656
53,445
10,220
1984 (昭和59)年
313,376
205,558
29,393

7,567
12
62,810
8,036
1987 (昭和62)年
280,282
194,507
1,227



81,900
2,648
1990 (平成02)年
329,493
214,903




114,590

1993 (平成05)年
301,109
182,429




118,680

1996 (平成08)年
275,585
136,464




139,121

1999 (平成11)年
218,114
77,595




140,519

2002 (平成14)年
206,021
66,056




139,965

2005 (平成17)年
202,520
49,043




153,477

2007 (平成19)年
203,778
40,335




163,443

『富士市統計書』より筆者作成

*紙・パルプは1990年代初頭までは20万トン/年レベルを維持していたが、近年急速に縮小している。コンテナ化されたのだろうか?確かにコンテナの輸 送量は増加しており、結果的に総 数は2002年から2007年にかけてほぼ横這いとなっている。(但し1990年頃と比べると約10万トンも減少しているが・・・)
*機械車両類は鞄月ナが荷主だろうか。鞄月ナ富士工場(現、東芝キヤリア兜x士事業所)は空調関係の工場である。
*1980年代まであった肥料の発送は、旭化成工業梶i現、旭化成兜x士支社)が荷主だろうか?尚、チッソ旭肥料兜x士工場は、同社が2009年10月に 三菱化 学アグリ鰍ニ経営統合して発足したジェイカムアグリ鰍フ富士工場となった。

■富士駅品目別到着貨物状況
年  度
総 数
チッ プ・
パルプ材
石 炭
工 業薬品
紙 くず
鉱 石類
セ メント
紙・ パルプ
コ ンテナ
そ の他
1980 (昭和55)年
227,904
49,086
17
26,680
6,894
10,269
79,787
30,018
2,220
22,933
1984 (昭和59)年
120,412
2,445

24,361
90
17,030
17,523
20,757
21,040
17,166
1987 (昭和62)年
74,497
1,325

7,941

2,683

13,020
45,675
3,853
1990 (平成02)年
102,870
250



3,211

11,580
86,725
1,104
1993 (平成05)年
78,379




2,397

3,855
71,415
712
1996 (平成08)年
92,987







92,765
222
1999 (平成11)年
68,020







68,020

2002 (平成14)年
73,725







73,725

2005 (平成17)年
101,250







101,250

2007 (平成19)年
105,420







105,420

『富士市統計書』より筆者作成

*工業薬品は製紙会社向けと思われるが、1980年代には消滅している。全国各地の製紙工場で2000年代まで数多く見られた苛性ソーダ、液化塩素などの タンク車輸 送が富士駅では早い段階で消滅したようだ。船舶やローリーへの転換が早かったということか。
*鉱石類とは何だろう?1990年代初頭まで残っていただけに気になるところだ。
*セメントは住友セメント梶i下記、専用線の推移参照)富士包装所向けの輸送だろう。金指の住友セメント兜l松工場の専用線から発送されるセメントが到着 していたと思われる。尚、表には載せ ていないが、1985年度にもセメントは15tだけ到着(ワム1両分!)がありそれ以後は0となるのだが、専用線は1984年度 に廃止となった考えてよかろう。
*コンテナの到着が1990年代後半にいったん落ち込んだ後、近年増加傾向にあり10万トン/年を超えた。


■富士駅に接続する専用線の推移
専 用者
第 三者利用者
真荷主
第 三者利用者
通運事業者等
総 延長
キロ
1983
年版
1975
年版
1970
年版
1967
年版
1964
年版
1961
年版
1957
年版
1953
年版
1951
年版
本州製紙梶i西線)

富士運送 2.8









本州製紙梶i東線)

富士運送
0.6









東京芝浦電気
(東・西線)

日本通運
2.6









大昭和製紙

日本通運
4.0









大興製紙梶i東線)

日本通運
0.2







三興パルプ?
同左
大興製紙梶i西線)

日本通運
0.3







凸版印刷?
同左
岩山石油

日本通運
0.1





岩山儀作
同左


旭化成工業
チッソ
日本通運
扇興運輸
5.5









相模興業

国鉄機
0.4









住友セメント

藤本産業
フジ興産
0.5









○:存在 △:休止 −:存在せず

*1954(昭和29)年5月、本州製紙叶齬p線が完成した。(海野 實『静岡県の鉄道 今と昔』明文出版社、1986年、41頁)
*本州製紙梶i現、王子製紙梶jの専用線はいつ廃止になったのだろうか?国土交通省国土計画局の国土画像情報(カラー空中写真)閲覧機能を 用いると、1988(昭和63)年度の富 士駅周辺の写真があり、本州製紙鰍フ工場内に引き込まれている専用線の姿が確認できる。JR貨物発足後も専用線が残っていたわけで、1990年頃 に廃止されたと考えられる。(今、気付いたが本州製紙兜x士工場の専用鉄道が掲載されている『鉄道要覧』の各年度の変遷を調べると廃止の時期が分かりそう だ)
*岩山石油鰍ヘエネオス系のガソリンスタンドを経営。旧三菱系か旧日石系か分からないが、現在は田子の浦港の新日石の油槽所から配送だろう。
*1959(昭和34)年1月20日、旭化成工業兜x士工場専用線が完成した。(海野 實『静岡県の鉄道 今と昔』明文出版社、1986年、41頁)
*上記、富士駅発送品目の肥料は1984年度に急減、1986年度を最後に無くなるが、その頃に旭化成工業鰍フ専用線は廃止になったと考えられる。
*相模興業鰍ヘ砂利の発送か?

2006.5  廃止された王子製紙叶齬p線、隣にコンテナ富士駅が見える


■富士駅の概要
『JR貨 物ニュース』2003年2月1日号4面
ここにも貨物駅 富士駅
発送貨物の大半が紙


▽製紙工場に囲まれて
 富士駅周辺の景観を特徴付けるのは富士山と製紙会社の煙突群。富士山の豊富な湧水を水資源に活用する製紙工場が集中して、岳南工業地帯が形成された。
 北隣に王子製紙と大興製紙、南東には大昭和製紙の工場が控える富士駅。そのお客様リストには「−製紙」という社名がいくつも並ぶ。富士の営業所長を兼ね る田中安雄駅長は「紙の町≠フ駅ですから」という。なるほど、コンテナ発送貨物の50%以上を紙製品が占める。
 さらに大昭和製紙の工場には専用線がつながり、ハワム車による紙輸送も健在。ひところ車扱列車のコンテナ化が進んだが、これら車扱列車は首都圏と大阪向 けで、ハワム車に積む方が効率よい製品などを運んでいる。コ ンテナ化するよりトータルメリットがあると、判断された。全般検査(クルマの車検のようなも の)の時期を迎えるハワム車もあるが「補充は可能」とか。

▽活発な九州向け利用
 現在、同駅の輸送力は1日当り3列車計115個。数年前まで1日の発送個数が80個前後と伸び悩んでいたが、現在は輸送力をほぼ使い切 るまでになった。
 営業が実った結果だが、「鉄道を使おう」という姿勢で話を聞いてくれるお客様が多く「ありがたいことです」。
 紙製品以外には食品添加物(筆者註:東和化成工業梶ィ現、三菱商事フードテック梶jコーンスターチ(筆者註:日本食品化工梶jインク(筆者註:東洋インキ製造梶j自動車部品(筆者註:ジヤトコ梶A山川工業梶ィユニプレス梶jフィルム(筆者註:富士フイルム梶jなども発送している。新たに工業団地に進出 した工場の飲料なども伸びてきてい る。平成13年度の発送個数は32,200個だった。
 同駅発コンテナ列車は3本。名古屋(タ)、梅小路、西岡山、広島(タ)、北九州(タ)・福岡(タ)行きの直行コンテナ車があり、最近は九州行きの利用が 活発だ。北海道方面向けも、静岡貨物で中継すると札幌(タ)に翌々日の早朝着と便利だから、九州行きに負けず多い。
 一方、紙関連の原料など到着貨物の取扱いは発送の3分の1程度。そのため静岡貨物から空コンテナを回してもらっている。

▽2つに分かれた構内
 富士駅の構内は2カ所に分かれている。旅客駅に隣接する方には、コンテナホーム1面、車扱荷役ホーム1面と上屋があり、JR貨物の駅フロントと営業所、 静岡通運鰍フ事務所はこちら。
 「コンテナ基地」と呼ばれる、もうひとつの構内は数百メートル離れた沼津方向にあり、日本通運鰍笊x士運送鰍フ事務所はこちら側にある。
 2カ所の構内を列車別で使い分けていて「コンテナ基地」には新南陽から着く5090列車が入線し、広島(タ)などに向かう5093列車として出線する。
 両所合わせて61,454平方メートル。2カ所に分かれているから、どちらも狭い。集配トラックの構内導線を確保するため、空コンテナの三段積みを余儀 なくされている状態だ。
 また駅長として神経を使うのが「コンテナ基地への入出線」である。
 「コンテナ基地」にはホームが2面あるが、コンテナ車を5車ずつしか入線できず、日に3回の入換作業が必要だ。
 ところが一般道路を横切らないと、入換列車を出し入れできない。しかも、横断線路には遮断機がなく、横断歩道と同じ信号があるのみ。だから「赤信号なの に、止まろうとしないクルマもある」。黄色い安全ベルトを着用した駅社員が入換時には張りついて注意を喚起してはいるが・・・。


■富士駅発着の中小製紙メーカー(日本 製紙・王子製紙以外)の紙・パルプ 関係のコンテナ輸送
 
富士駅の紙・パルプ輸送と言えば今でも専用線が残る日本製紙鰍ニ専用線は廃止されたものの鉄道輸送を継続している王子製紙 鰍フ2社が何と言っても大手荷主となる。しかし両社については当サイトでは、「荷主企業事例研究」として個別に纏めることにしている。〔→日本製紙兜x士工場王 子製紙兜x士工場
 
しかし富士駅からは日本製紙鰍竕、子製紙活ネ外の中小製紙メーカーが荷主であるコンテナ輸送も多数ある。そのためここでは それらの輸送を纏めたい。これら中小製紙メーカーの一部では近 年経営破綻が見られ、製紙業界の厳しい状況が鉄道輸送にも影響を与えている状況だ。
発 駅
発 荷主
品 名
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備   考
富士
井出製紙
平板
松山
谷水産業
V18C
1998.2.12富士
井出製紙鰍ヘ2005年4月に自己破産
富士
協和製紙

宮城野
川島商事
C36
1998.2.17富士
協和製紙は検索では見当たらず。
富士
京王製紙

札幌(タ)
OP新道
18C
1998.12.26富士
京王製紙鰍ヘ富士市南町に本社工場
富士
京王製紙

広島(タ)
栄進商会
19D
1998.2.12富士

富士
京王製紙

浜小倉
国松運輸興業 18D
1998.12.26富士

富士
京王製紙

福岡(タ)
福岡物流センター
18D
1998.12.26富士
1998.2.12富士
複数
越谷(タ)
噛光 機密文書
富士
興亜工業
JRコンテナ
JR貨物ニュース
2004.9.1号
2004年春に輸送開始(JR貨物ニュース2004.9.1号)
東京(タ)
噛光 機密文書
富士
興亜工業
JRコンテナ JR貨物ニュース
2004.9.1号
2004年春に輸送開始、東京(タ)構内の文書保管
施設RMSCから月5〜10個の輸送実績あり
(JR貨物ニュース2004.9.1号)
富士
新富士第一

秋田貨物
秋田紙工
C36
1998.9.24宮城野
2002年10月王子製紙の完全子会社化。
2003年1月新富士製紙鰍ヘ安倍川製紙鰍合併し
富士製紙鰍ノ社名変更。
2004年10月に王子製紙の特殊紙カンパニーと統合
し王子特殊紙株ュ足。
富士
新富士第一

宮城野
協和運輸
C36
1998.2.28富士
上記同
富士
大興

北旭川

18D
1998.12.26富士
1998.2.17富士
大興製紙鰍ヘ富士駅に専用線があった。
富士
大興

新南陽

18D
1998.2.28富士
上記同
富山貨物
中越パルプ工業
パルプ
富士
富士共和
18D
1998.2.28富士
富士共和製紙鰍ヘ富士市久沢
富士
天間製紙

宮城野
シロキ東北
UV1 JOT
1998.2.12富士
天間 製紙鰍ヘ2004年3月に破産宣告
富士
本多商事

南長岡
田村商事
18D
1998.2.12富士
本多商事鰍ヘ富士市伝法
富士
丸井製紙

西岡山

C35
1998.2.17富士
丸井製紙鰍ヘ富士市久沢
富士
望月製紙

福岡(タ)

NC1
1998.2.12富士
望月製紙は見つからず、望月紙業鰍ヘ富士市原田
富士
勇和産業

浜小倉

18A
1998.2.28富士
勇和産業鰍ヘ富士市伝法


■富士フイルム株式会社のコンテナ輸送
 富士駅からの紙製品のコンテナ輸送は、王子製紙梶A日本製紙梶Aさらに上記の中小製紙メーカー以外にも存在する。それが富士フイルム鰍ェ荷主のコンテナ 輸送だ。
 富士フイルム鰍ヘ富士宮工場が富 士宮市大中里200にある。富士宮工場は1963(昭和38)年10月に印画紙用バライタおよびバライタ原紙製造のため建設された。
 富士駅からは、印画紙関係の紙輸送が行われているようだが、それ以上に重要な輸送としては、同工場向けに三井化学鰍ェ大竹駅から発送するテレフタル酸輸送がある。但し着 駅は沼津駅である。このテレフタル酸輸送の着荷主 は様々な媒体においても意外と詳らかにされてこなかったかに思うが、『JR貨物ニュース』2002年3月15日号4面の「ここにも貨物駅  沼津駅」によると、「(沼津)駅の荷物の集配区域は静岡県・・・北東部の富士宮市(筆者註:本紙では富士吉田市になっているが誤り)までも距離が30km ほどしかなく、ここにある大手のフイルム工場へ納める化学薬品も同駅に着く。」とあり、さらに「このため上屋に面した西2番貨物ホームには、同フイルム工 場に配達するタンクコンテナが何個も置かれていて、これが駅の特色を際立たせている。」とのことで、これら記事から明らかにテレフタル酸輸送の着荷主が富 士フイルム兜x士宮工場だと分かるわけである。
 さて富士駅が12ft級コンテナしか取り扱えないことから沼津駅到着となっているこのテレフタル酸輸送に限らず、富士駅周辺には大型コンテ ナの潜在需要は少なからずあるように思われる。(下記、日本食品化工鰍フケースも然り) 将来的には富士駅の抜本的改良と大型コンテナの取 り扱いが不可欠と考えられる。

▽富士駅発送の富士フイルム鰍ェ荷主のコンテナ輸送

発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目 撃
備 考
富士 フイルム
レントゲン
札幌(タ)
日通札幌
C35
1998.2.28富士

富士
富士写真フイルム

宮城野
富士フイルムロジスティクス
C31
1998.6.21宮城野

富士 富士写真フイルム
感圧紙
福岡(タ)
フイルム福岡
19D
1998.2.12富士
多数
富士
富士写真フイルム

富士
富士フイルムロジスティクス
福岡営業所
18D
1998.2.17富士

2006.12 富士駅 停車中のコンテナ列車に積載されている三井化学鰍フテレフタル酸コンテナ、富士駅で積み下ろしができればもっと便利だと思うのだ が・・・。


■富士駅に発着する化学薬品・化学工業 品の輸送
 富士駅は12ft級コンテナしか扱えないコンテナ駅だ。一般的にそのようなコンテナ駅では12ftJRコンテナの取り扱いが主体で、タンクコンテナや ホッパコンテナなどの薬品系コンテナの取り扱いが見られないことが多い。しかし富士駅では、数社の薬品系の私有タンクコンテナ・ホッパコンテナを見ること ができる。これはやはり工業都市に存在する貨物駅としての性格が現れていると言えよう。むしろ20ft級以上の大型コンテナの潜在的な需要は相当あると思 われるが、用地的な制約から12ft級に取り扱いを限定しているようだ。

▼旭化成ケミカルズ株式会社
 
言わずと知れた大手石油化学メーカー。全国各地に合成樹脂を発送しているが、東水島→富士の合成樹脂輸送は下記ホッパコン テナ以外に12ftJRコンテナも利用 している。但し12ftJRコンテナ(C31)の着荷主はサンエー化研で あった(1996.12富士駅で確認)。


1996.12富士駅 荷票は合成樹脂:東水島(旭化成)→富士(東京製紙)
このポリエチレン輸送は富士駅で長年見られる輸送の1つである。下記はより最近の写真、コンテナのデザインが変更されている。

2008.3富士駅

2009.5富士駅

▼昭和高分子株式会社
 昭和電工株式会社100%出資子会社。発祥は琥珀の可塑化を目的に設立された理研琥珀工業鰍ニ京都大化学研究所の研究成果 を事業化した高分子化学工業鰍ノ辿り着く。コンテナ輸送されているポリゾール
は合成樹脂エマルジョ ン(エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸共重合水性エマルジョン)である。

2008.3富士駅 UT1-215 UT1-155 ポリゾール専用

2009.5富士駅 UT1-155 UT1-299 ポリゾール専用
UT1形式であることからも分かる通り、相当に年季の入ったコンテナを使用している。
運用は西大分(昭和高分子)→富士で着荷主は王子キノクロス梶A光洋化工鰍ナある。(2006.3西大分駅で調査)
尚、光洋化工鰍ヘ2009(平成21)年2月に光洋産業鰍ノ吸収合併された。(→プレスリリース)  光洋産業兜x士工場は水性ビニルウレタン系接着剤の製造を行っている。

▼東洋インキ製造株式会社富士製造 所
 
東洋インキ製造兜x士製造所は富 士市天間400にある。顔料、加工顔料、オフセットインキ、グラビアインキなどを製造している。同社webによると、 1963(昭和38)年に富士工場が発足したとある。しかし、「専用線一覧表」によると1961年版から身延線富士根駅接続の東洋インキ製造鰍フ専用線が 存在する。尚、1975年版では総延長1.0kmの専用線の記載が残っているが、富士根駅の貨物取り扱いは1980(昭和55)年10月に廃止されたた め、その時点で専用線が廃止されたと思われる。
『JR貨 物ニュース』2003年6月15日号5面
インキ3色を滞りなく供給
ロジコネット兜x士事業所

 ロジコネット梶i本社・埼玉県、西村佳錦社長)は、平成12年にサカタインクス梶A東洋インキ製造鰍フ物流子会社であるインクステクノ物流鰍ニ東洋ロジ テック鰍ェ対等合併した会社。国内に14の事業所を設け印刷インキ、新聞インキ、グラビアインキをはじめ、グラフィックアーツ材料・機器、ワックス、ラミ ネート接着剤など様々な品目の物流業務を担当している。

▽長距離向けは鉄道で
 ロジコネット鞄兼本事業本部富士事業所は、東洋インキ製造富士製造所内にある。ここで製造しているのは主に新聞や広告、週刊誌等 出版物の印刷に使われるインキや、段ボール箱に印刷する水生グラビアインキ及びインキの色材となる顔料など。富士事業所の川合広司所長と吉岡忠雄副所長 に、物流について聞いた。
 最近の新聞といい広告といい、色彩はとても鮮やか。様々な色を表現するのは『色の三原色』紅(赤)・藍(青)・黄の絶妙な配合による。
 顔料工場と隣接しているため、富士製造所ではこの3原色のインキを作っている。一方、活字に使われることの多い墨(黒)は埼玉工場で作っていて、それぞ れ全国に発送される。
 「富士製造所では月に3,500トンのインキを作り、6割が首都圏で消費されます。1割は北海道・東北・九州の物流センター向けの拠点間輸送ですが、そのほとんどを鉄道コンテナで輸送しています。変則的な注文には対応しきれ ずトラックになりますが、長距離ならコスト的に鉄道が有利」と吉岡副所長は説明する。
 発送先としては、東洋インキ製造の物流センターと倉庫を合わせてLC・SPが30以上あり、輸送方法はロジコネットに任されている。

▽計画的に在庫を調整
 オフセット印刷の輪転機用インキは4色1組で印刷機にセットされるが、各色の消費量は印刷の種類や季節で異なる。
 例えば新聞社の印刷所では、毎日の新聞発行に欠かせないインキを切らせてしまうことは絶対に避けなければいけない。そこで物流センターには、数日分の予 備在庫を常時持つようにしている。
 「季節ごとに色の需要はある程度把握できますから、計画を立てて出荷します。受け側に、受け皿としてストックを用意して、緊急に必要とされるお客様に対 応しています。本当に急ぐのは一部ですから」と川合所長は話す。

▽インキ専用タンクで
 12フィートコンテナ1個には1トン入りの「トートタンク」3個を積む。このトートタンクは東洋インキ製造が物流容器メーカーと共同で開発・製作したも ので、十分な強度を出すために3本の鉄鋼で補強している。中に内ぶたがありインキの増減により上下する仕組みで、空気が入らないようになっている。充填口 は下側ひとつで、そこを印刷機に接続して使用することも可能。
 ドラム缶入りでの出荷もあるが、使う度に、乾燥して内部にこびりついたインキをこそぎ落として洗浄する手間がかかる。その点、初期投資がかかっても専用 のタンクを使用した方が、結果的にプラスになる。
 トートタンクをコンテナの中心線に沿って3個並べ、ワイヤで固定する。タンクにもワイヤを通す穴があり、しっかりと固定できる。
 富士駅から12フィートコンテナで1日3、4個、連休前の繁忙期などには15個になることもある。また、20フィートコンテナ(トートタンク6個入り)を24時間稼働している静岡貨物駅から出荷する場合もある。使用済みの空トートタンクもコンテ ナで回収している。
 川合所長は「インキはプリン状で色付き。万一道路にこぼれてしまうと、清掃がとても大変です。運びにくい製品なので、安全確実で時間通り着き、コストも 低く抑えられる鉄道コンテナを有効に活用しています。もちろん環境面でも鉄道を使う方がいいと考えます」と評価した。

▽富士駅発着の東洋インキ製造鰍ェ荷主のコンテナ輸送
発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目 撃
備 考
富士
東洋インキ
インキ
札幌(タ)
インキ札幌
19B
1998.2.17富士

富士
東洋インキ
インキ
八戸貨物
三菱製紙
18D
1998.2.16富士

富士
東洋インキ
インキ
福岡(タ)
東洋インキ製造葛繽B支店
19B
1998.12.26富士
1998.2.17富士
複数
新居浜
住友化学
バイオレット
富士
東洋インキ
ZC1
1996.12.28富士



▼日本エイアンドエル株式会社  (旧、住化エイビーエス・ラテックス株式 会社)
 1999(平成11)年に住化エイビーエス・ラテックス鰍ニ三井化学晦BS樹脂事業及びSBRラテックス事業が統合して設立されたのが日本エイアンド エル鰍ナあ る。出資比率は住友化学鰍ェ85%、三井化学鰍ェ15%となっている。工場は愛媛、大阪、千葉の3カ所である。
 富士駅で見られる日本エイアンドエル梶i表示が住化A&L鰍フままのものも多いが・・・)が使用するUT1やUT5A形式ラテックス専用コンテ ナは京葉久保田駅で一部同形式を目撃しており、京葉久保田→富士で 運用されていると思われる。着荷主はラテックスなので製紙メーカーだと思われるが、やはり王子製紙や日本製紙といった大手製紙メーカーだろか。複数個留置 されており、それなりの輸送量はありそうである。

2006.12 富士駅
左からUT5A-53、UT1-552、UT1-576、UT1-559、UT5A-57 

2009.5 富士駅
UT5A-57 まだ住化A&Lの表示のままである・・・


▼その他メーカーのコンテナ輸送
 上記に挙げた以外にも富士駅には様々な化学メーカー、薬品メーカーが荷主であるコンテナ輸送の発着がある。荒川化学工業梶Aポリプラスチックス梶Aハリ マ化成鰍ョらいは今後もう少し情報が纏まれば個別に項目を作りたいところだ。

▽富士駅発着の化学薬品・化学工業品関係のコンテナ輸送
発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
五稜郭
釧路石灰
プラスタ−
富士

19B
1998.2.28富士

石巻港

肥料
富士

C31
1998.2.26黒磯
福栄肥料叶ホ巻工場が発送?
『MONTHLYかもつ』2006年10月号10-11頁
富士
荒川化学
工業薬品
北旭川

UR18A JOT
1998.2.17富士
荒川化学工業兜x士工場:富 士市厚原366番地1
富士
イハラケミカル工業
空ドラム
東室蘭
北海道曹達
18D
1998.2.12富士
イハラケミカル工業叶カ産部:富士市中之郷1800番地
富士
コーワ
医薬品
札幌(タ)

V18C
1998.2.17富士
興和兜x士工場:富士市大野新田
キャベジンの専用工場として発足、一般用医薬品を製造
富士
白石
炭カル
久留米

18A
1998.2.28富士

高知
白石工業
シルバーW PC
富 士
不二工場
18D
1998.2.16富士
白石工業鞄y佐工場:須 崎市桑田山乙3番地
白石工業兜s二工場:富 士市中之郷1212番地
富士
潟^ップ
プラスチックシート
東青森
潟^ップ
C31
1998.12.26富士

富士
武田薬品
薬品
鍋島
日本特殊
18D
1998.2.12富士

富士
ポリプラ
ジュラコン
盛岡(タ)

19D
1998.2.17富士
ポリプラスチックス鰍ヘダイセル系のエンプラメーカー
富士工場は世界最大のポリアセタールプラント(10万t/年)
富士
ポリプラ
ジュラコン
福岡(タ)

18D
1998.2.17富士
ジュラコンはポリアセタール樹脂の商品名
姫路貨物
多木化学
肥料
富士

JRコンテナ
1998.2.28富士

姫路貨物
ハリマ化成
松脂
富士
ハリマ化成
C20
1996.12.28富士
ハリマ化成兜x士工場:富 士市比奈311-9
大牟田
三井化学
毒61
富士
富士宮通運
UT4C-66
安全運輸
1998.2.12富士
毒61:セレン化合物
鹿児島
サツマ化工
クエン酸
富士
テルモ
UR17A JOT
1998.2.28富士
テルモ梶F富士宮工場、愛鷹工場


■富士駅に発着する食品・食品添加物のコンテナ輸送

▼日本食品化工株式会社富士工場
 日本食品化工兜x士工場は富 士市田島30にある。1965(昭和40)年3月に操業を開始した。尚、1964(昭和39)年11月30日には吉原駅接続の同社専用線が新設さ れ使用を開始されている(海野『静岡県の鉄道 今と昔』36頁)。また「専用線一覧表」では1967年版〜1983年版まで吉原駅接続の総延長0.3kmの専用線が確かめられる。また『富士市統計書』 によると1986(昭和61)年度まで吉原駅の品目別発送貨物に「食料工業」があるため、その頃まで専用線が存在したと考えられる。専用線廃止に伴いコン テナ輸送へ転換されたのだろうか?
 尚、「2003年度環境負荷の小さい物流体系の構築を目指す実証実験」2次募集で認定された実験として、日本食品化工鰍ヘ富士〜千歳間のトラックと船に よる液糖の輸送を、静岡貨物−札幌(タ)駅間鉄道輸送へシフトした。ISOタンクコンテナ集配のためのシャーシなどを充実させて、鉄道シフトを可能にし た。(『JR貨物ニュース』2003年12月15日号、1面)
 2010年1月に静岡貨物でこの輸送用と思われるコ ンテナを目撃している。これは富士駅が12ft級コンテナしか取り扱えないことから静岡貨物駅発送となっていると考えられ、上記の富士フイルム向 け三井化学のテレフタル酸輸送の項でも述べたが、やはり富士駅で 大型コンテナが取り扱えるようにすることが必要ではないか。

▽富士駅発着の日本食品化工兜x士工場が荷主のコンテナ輸送
  発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
富士
日 本食品化工
MS#4600 北沼
三菱製紙
UR17A JOT
1996.12.28富士

六原
三菱製紙竃k上工場
空袋
富士
日 本食品化工
18D
2002.2.16富士
複数
富士
日本食品化工
ネオビスC6 マプス#281
岐阜(タ)
オリエンタル びわ
18D
1998.2.28富士
オリエンタル酵母工業鰍ムわ工場
富士
日本食品化工
空タンク
四日市

V19A
1999.3.28四日市
富士
日本食品化工
ブドウ糖
福岡(タ)
ハウス食品
UR16A JOT
1998.2.28富士




1996.12 富士駅

2002.2 富士駅


▼福泉産業株式会社
 福泉産業鰍ヘ1942年に福泉酒造鰍母体に福泉食品工業鰍設立、清酒・合成酒・焼酎・味噌・醤油・清涼飲料水の製造を行った。戦後の1947年には 日本で初めて「みりん風調味料」を開発販売した。1950年には福泉洋酒工業梶E福泉化学工業鰍吸収合併し、福泉醸造工業鰍ノ商号を変更した。東京証券 取引所に上場している。1965年には福泉産業鰍ノ商号を変更し酒類の製造を廃業し調味料専業となった。
 一方、岳南鉄道は1953年1月に岳南富士岡〜岳南江尾が開通。須津駅も開通と同時に開業したが、1957年版、1961年版、1967年版の「専用線 一覧表」の須津駅には、福泉醸造工業鰍フ専用線がある。第三者利用者は日本通運梶A作業キロは0.3kmである。しかし1970年以降の「専用線一覧表」 には記載されておらず専用線は比較的早期に廃止されたようだ。むしろコンテナ輸送に早い段階で転換した可能性もあるのではないか。
『MONTHLY かもつ』2009年7月号、25頁
会員企業紹介
福泉産業株式会社
〒417-0826 富士市中里150-1
▽物流体制
 当社商品は、本社、工場のある静岡県から運ばれて行きます。商品はトラック輸送とコンテナ輸送を使用し全国各地へ運ばれて行きます。北海道、仙台、大阪、九州へはコンテナでの輸送が主に使われ、各地営業 倉庫へと運ばれます。コンテナ輸送の最大の利点としては遠方への大量輸送に適しているということです。北海道や九州への輸送の場合でもコスト的にもメリッ トは多く、営業倉庫へ商品をストック出来るだけの量が輸送可能なので、さらに先への納入効率も非常に良くなりました。また、環境問題の面から考えても鉄道 輸送はCO2削減につながり、省エネに最も適した輸送手段だと考えます。昨今話題となっている環境活動にも、こうした手段の活用で貢献につながっていると 思います。
 コンテナによる鉄道輸送は多方面から見ても、メリットは非常に多いです。安全かつ安心で、さらに環境に適したこの輸送手段の活用を今後拡大できるよう考 え、社会に貢献できるよう努力して参りたいと思います。

▽富士駅発送の福泉産業鰍ェ荷主のコンテナ輸送
  発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
富士
福泉
みりん
弘前
西沢 弘前
C35
1998.6.30宮城野

富士
福泉
みりん
宮城野
東北国分 仙台(支)
C35
1998.12.26富士
東北国分梶F仙台市泉区明通
富士
福泉
みりん
福岡(タ)
マルキョウ
V18C
1998.12.26富士 マルキョウ梶F福岡県大野城市が本社のスーパー
富士
福泉
みりん
佐土原
三友会菊 宮崎
18A
1998.2.12富士

富士
福泉
みりん
都城
丸田
C20
1998.2.28富士

やはり東北地方、九州地方などの遠隔地向けを中心にコンテナ輸送をしているようだ。


▼三菱商事フードテック株式会社富 士工場(旧、東和化成工業株式会社)
 三菱商事フードテック兜x士工場は富士市 中河原93にある。旧、東和化成工業鰍フ工場で1967(昭和42)年2月に糖アルコールの主力工場として完成し、キシリトールやマルチトールな どの生産を 行っている。
 尚、2007(平成19)年8月に東和化成工業梶AMCフードテック梶A中央フーズマテリアル鰍フ3社が合併し、三菱商事フードテック鰍ェ発 足している。

▽富士駅発送の東和化成工業鰍ェ荷主のコンテナ輸送

  発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
富士
東和化成
2835.G3
小樽築港
三郁物流
C20
1998.2.12富士

富士
東和化成
アマミールHS PO30
札幌(タ)
釧路埠頭
C35
1998.2.17富士
2007年1月、釧路埠頭鰍ニ北菱産業鰍ェ合併し
北菱産業埠頭株ュ足
富士
東和化成
WP20他
札幌(タ)
釧路埠頭
C31
1998.2.17富士
上記同
富士
東和化成
フードル他
札幌(タ)
釧路埠頭
C35
1998.2.12富士
上記同
富士
東和化成
アマミールP
盛岡(タ)
岩手プリミート
C20
1998.2.17富士
イワテプリミート鰍ヘ本社:岩手県紫波郡紫波町星山
富士
東和化成
アマミール
宮城野
理研食品
C31
1998.7.18宮城野
理研食品鰍ヘ仙台港に工場
富士
東和化成
アンソフト
新潟(タ)
水越食品
18D
1998.2.28富士
叶越食品は本社:新潟市東区卸新町
富士
東和化成
T70、PO30
米子
越川
C20
1998.2.28富士

富士
東和化成
U70、P330
米子
?河
C36
1998.8.10米子

富士
東和化成
T70、32シール
東松江
石田弥太郎
C20
1998.2.12富士
叶ホ田弥太郎商店は本社:浜田市浅井町
富士
東和化成
PO40
西岡山
カバヤ食品
V18C
1998.2.28富士
カバヤ食品鰍ヘ本社:岡山市北区御津野々口
富士
東和化成
L70
西岡山
カモイ食品
C20
1998.2.28富士
カモ井食品工業鰍ヘ本社:岡山県倉敷市中島
富士
東和化成
アマミール
松山 仙味エキス
V18C
1998.2.12富士
仙味エキス鰍ヘ本社:大洲市平野町野田
富士
東和化成
アマミールHS
福岡(タ)
日本トランス
V18B
1998.12.26富士

富士
東和化成
アマミールP
福岡(タ)
日本トランス
V18A
1998.12.26富士

富士
東和化成
T70
久留米
鬼丸
C20
1998.2.17富士


▼富士駅発着のその他の食品・食品添加物メー カーのコンテナ輸送
  発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
富 士
味の素
新エスサン
東福山
備南ハイフーズ
UR4 JOT
1998.2.28富士
備 南ハイフーズ:福山市曙町2-17-12
越谷(タ)
石塚硝子
ガラス
富 士
朝霧乳業
18A
1998.2.16富士
朝霧乳業梶F富士宮市人穴203-33
富士
永谷
削り節
福岡(タ)
林砂商店
18A
1998.2.12富士
渇i谷園の工場は近辺に無し
富士
ニッピ
骨りん
神栖

V18C
1998.2.17富士
潟jッピ 富士工場:富士宮市弓沢町1
富士
林原商事
アマミールHS HS40
浜小倉
南風堂
C31
1998.12.26富士
品目は東和化成工業の糖アルコール


■富士駅に発着する自動車部品関係の コンテナ輸送
 富士市には吉原地区に日産自動車(現、ジヤトコ)の工場が戦時中進出したことから周辺には自動車部品関連の企業も多い。富士駅の鉄道コンテナ輸送の荷主 としての存在感は決して大きくはないように思われるが、これは富士駅の荷主が紙・パルプメーカーが多数あり非常に目立つ一方で、それ以外の化学薬品、化学 工業品、食品添加物などの業界にも多種多様な荷主があるために相対的に自動車部品関連の存在感が小さくなっているためで、他の駅であれば十分に目立つだけ の輸送実績があるように思える。

▼ジヤトコ株式会社
『JR貨 物ニュース』2008年4月15日号1面
変速機の部品調達をモーダルシフト ジヤトコ

 変速機メーカーのジヤトコ梶i本社:静岡県富士市、石田繁夫社長)は、2005 年に広島の部品調達をトラックから鉄道にシフトし、翌06年 には岡山からの調達についても鉄道にシフトした。
 ジヤトコ鰍ヘ、トランステクノロジー鰍ニ日産・マツダ・フォードの合弁で設立された日本自動変速機鰍ェ合併、2002年にジヤトコ鰍ニ社名変更、翌年に は三菱自動車より独立したAT・CVT部門と合併して現在に至っている。日産、三菱自動車、スズキなど国内外の多くの車種に適合する自動変速機を製造販売 している。
 同社では広島地区にある協力メーカー7社からの部品調達を3年前から鉄道コンテナにシフトし、富士駅へ1日5〜6個を輸送している。この実績からCO2削減効果が高 い鉄道コンテナの拡大をさらに図り、翌年には岡山地区の協力メーカーであるヒ ルタ工業滑}岡・総社両工場からの部品調達を鉄道へシフトした。
 富士駅に到着したコンテナはセンコー物流センターへ配送され、部品を一旦保管しながら1日4回に分けて、ジヤトコの必要な部署へ必要なだけ供給される。東水島駅から毎日発送があり、行きは部品と帰りは通い箱の往復輸送となっている。


▼ユニプレス株式会社(旧、山川工業株式会 社)
 ユニプレス鰍ヘ1998年4月に山川工業鰍ニ大和工業鰍ェ合併して発足した。富士事業所・富士工場は、富士市青葉町19-1にある。
 同社は日産自動車との関係が強いようだが、着荷主の企業は詳細不明である・・・。

▽富士駅発送の山川工業鰍ェ荷主のコンテナ輸送
  発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
富士
 山川工業
 車両部品
梅小路
 藤野金属
19D
1998.2.12富士

富士
 山川工業
 車両部品
広島(タ)

19D
1998.2.12富士

富士
 山川工業
 車両部品
浜小倉
 池田
19D
1998.2.17富士 コキ2両分(着荷主:勝山もあり)
富士
 山川工業
 車両部品
浜小倉
 勝山
19D
1998.2.12富士
多数

『JR貨 物ニュース』2008年7月1日号1面
自動車用プレス部品を富士から九州へ鉄道で ユニプレス
 自動車用プレス部品の総合メーカーのユニプレス梶i本社・神奈川県、仁藤哲社長)は1945年に設立された。99年よりUPS(UNIPRES Production System)活動を開始、「モノづくりの心をひとつに」を合言葉に、生産部門(工場)、源流部門(技術・工機)、本社管理部門が一体となり収益力、競争 力をあげる経営改革を行っている。在庫ゼロ、ジャストインタイムなど物流効率化への取組みや環境問題にもこの活動理念を基に対応している。富士工場を訪 ね、鉄道利用の現状を生産管理部の高橋潤一部長と生産企画グループの仙名貢課長、生産手配グループの上村健治氏に聞いた。

栃木地区からモーダルシフトスタート
 ユニプレス鰍フプレス事業には、車体部品事業、トランスミッション部品事業、樹脂事業の3部門があり、そのほかに金型・治工具の生産も行っている。日産 自動車鰍中心とした自動車メーカーを取引先とし、先進の技術力で自動車産業を強力にサポートしている。
 国内生産拠点は神奈川・静岡・栃木・広島・九州に合わせて9ヵ所あり、海外には北米3、ヨーロッパ2、中国1の各拠点を設け、合計15の生産拠点があ る。
 初めて鉄道を利用したのは、93年。栃木工場(真岡)から宇都宮(タ)を起点にコンテナ化がスタートした。翌年には富士地区でも富士駅から鉄道輸送を活用し始めた。
 現在では栃木地区の真岡、小山各工場から九州へ合わせて月間2,000立方メートルの製品が、富士地区からは九 州方面へ1,000立方メートル、広島へ500立方 メートルの製品が鉄道で輸送されている。両地区合わせたコン テナ輸送量は全輸送の10%を占めている。
 当初は物流改善のひとつとしてコスト削減を目的にトラックから鉄道輸送へ切り替えたが、06年改正省エネ法施行後はその対策として、環境負荷低減の効果 が高い鉄道コンテナの利用に力を入れている。
  ●
 富士地区から鉄道で発送する場合のリードタイムについて「お客様からオーダーが入った日に製造をします。次の日に倉庫へ移動し発送すると、その翌日には お客様に納品されます。輸送障害により代替輸送が必要になる場合もありますが、普段から対応手順を整え、お客さまに支障が出ないよう各担当者とのコミュニ ケーションを心がけています」と上村氏は話した。
 高橋部長はUPSの活動について触れ「トラブルが起きたらどうするかではなく、『トラブルを起こさないようにする』ための活動をしています。お客様と製 造部門と物流部門の関係者全てが連絡を確実に行い、意思の疎通を図ることで、それらを回避します」と、世界中にタイムリーに製品供給するネットワークを構 築し、コスト競争力を強化する取組みについて語った。
 また仙名課長は「品質、コスト、お客様のニーズ、環境問題など輸送手段の選択には諸条件があります。お客様のニーズである小ロット化、ジャストインタイ ムに効率良く対応するには、少量多頻度輸送を可能にできる点で、JRコンテナは評価できます」と話した。


▼その他自動車部品メーカーの富士駅発着の コンテナ輸送
  発 駅
発 荷主
品 目
着 駅
着 荷主
コ ンテナ
目  撃
備  考
富士 ヨコユ
空パレット
苫小牧
千歳ダイナックス
18D
1998.2.16富士
潟コユバンテック(現、潟oンテック)か?
尚、潟_イナックスは東芝物流鰍ニ共同で、2008年10月から
北海道〜静岡(富士)向けのフェリー輸送を31ftコンテナに
モーダルシフトを実施。
(『JR貨物ニュース』2008年11月15日号1面)
2010.1静岡貨物駅で上記輸送用のU45A-30004を 目撃。
富士
リズム
車両部品
北九州(タ)

19D
2006.3.21苅田港
潟潟Yムは日産自動車向け自動車部品輸送を
西浜松−北九州(タ)で実施。
(『JR貨物ニュース』2003年7月15日号3面)

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