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塩水港精糖株式会社
2020.5.4作成開始


▼ だからコンテナ 塩水港精糖 安全・確実で、しかも安い (1987年9月14日付『運輸タイムズ』3面)

 塩水港精糖は、横浜と大阪に工場を持っており、鉄道コンテナを使っているのは横浜工場。送り先は、名古屋仙台大阪である。大阪のユーザーへは大阪工場から出荷するが、同工場で不足 している製品は横浜工場から出荷する。大阪工場へは工場間輸送≠ナ緊急輸送しなければならないが、これに鉄道コンテナを使っている。

 名古屋、仙台向けがコンテナ輸送の主力で、量的には名古屋向けが多く、コンテナによる輸送量の8〜9割に達する。両地区とも受荷主はユーザー、SP、特 約店とあり、コンテナで送るのはユーザー向け(名古屋の場合は9割がユーザー直送で残りはSP送り)。名古屋のユーザーは桑名にある飲料水などの食品メーカー小牧の製菓会社。仙台はSP送りが多く、ここからユーザーや特約店 へ二次輸送している。

 製品はグラニュー糖、上質糖、液糖とあり、コンテナで輸送しているのはグラニュー糖と上質糖。クラフト紙に入っており、1袋は大袋が30s、レギュラー は20s。20s袋はコンテナに150袋入る。尚、液糖はローリーで輸送している。

 日本通運(株)に委託しており、名古屋と大阪向けは東京(タ)駅か ら名古屋(タ)梅田駅に着けている。仙台向けは小名木川駅から宮城野駅へ運んでいる。製品はスチール製の大型パレットで保管している ので、「パレット引取り」の希望があれば、パレット輸送ができるが、コンテナでは、ユーザーの希望でバラ輸送している。

 出荷場所は横浜市鶴見区にある横浜工場(製品倉庫)と、同地区にある営業倉庫の2カ所。自社倉庫のスペース不足を補うため営業倉庫も利用しており、ここ から出荷する場合は、通運へ連絡している。尚、東京の町田地区で品揃えを目的に営業倉庫を利用している。ここからの出荷もあるが、コンテナ利用は、ごく僅 かである。

 塩水港精糖が鉄道コンテナを利用するのは、安全・確実な輸送ができることと、トラックに比べて運賃が安いからである。しかし、発側にコンテナ利用のメ リットがあっても、荷受け側(ユーザー)に理解がないと利用できない。ユーザーは、トラック輸送並みの朝7〜8時に納入するよう求めており、コンテナがこ のニーズを満たさなければ、利用の同意は得られない。

 名古屋向けの場合は、出荷の翌日午前中にユーザーへ着いているので、スピードでは問題が無い。しかしユーザーは、工場が稼働する前に納入するよう求めて おり、最近、この傾向は一段と強まっている。

 ダイヤの関係などで、コンテナがこのニーズを満たすのが難しいが、同社はコンテナ輸送のメリットが大きいことから、配達時間についてユーザーと話し合 い、できるだけコンテナで輸送したい、としている。そしてこの問題が解決すれば、トラック輸送しているものをコンテナに移すことができ、利用をもっと増や せるとしている。

 通運に対する評価も高い。運賃をはじめ、当工場のニーズに100%応えてもらっている。送り先により発駅が違うが、通運で全て手配しているし、2個積み 大型車で集荷に来る時は、前積みのコンテナを二方開きにし、側面扉から積み込んでいる。また食品のため、常に清潔なコンテナを提供しており、着ユーザーと の間でトラブルを起こしたことも無い。

 桑名の飲料水などの食品メーカーは、鈴木鉱泉(株)ヤマモリ(株)桑名工場、が当てはま りそうだが、食品メーカーという言い方からすると、ヤマモリ(株)か。
 小牧の製菓会社は、しるこサンドで有名な松永製菓(株)で あろうか。


 塩水港精糖(株)のコンテナ輸送は、1999(H11)年3月に梅田駅で「液糖専用」のUT8A-5031の返空を目撃した。
 運用は、帯広〜梅田で、荷主は発着とも塩水港精糖(株)であった。大阪工場から北海道・帯広へ液糖を輸送していたようだが、六花亭製菓(株)のような製 菓メーカー向けであろうか。


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