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秩父鉄道
2020.3.8作成開始

《目 次》
■はじめに
■秩父鉄道の輸送量の推移
■各駅の取扱量の推移
 2006.8武州原谷駅

■はじめに　　▲
　2020(R2)年2月下旬、国内最後の石炭専用貨物列車がついに廃止となった。輸送区間は、三井埠頭(株)専用線が接続する扇町駅から内陸の太平洋セ メント(株)熊谷工場に隣接する秩父鉄道・三ヶ尻駅までだった。そして、この廃止は鉄道による石炭輸送の終焉というだけでなく、ついに秩父鉄道はJR 線に連絡する定期貨物列車が消滅したという重大な意味も持つ。

　かつて秩父鉄道からは、沿線に立地する秩父セメント(株)の各工場から大量のセメントが東海地方から関東・甲信越・東北地方南部まで貨車輸送されたほ か、日本セメント(株)や川崎製鉄(株)向け石灰石、日本鋼管(株)向け鉄鉱石、更にチップや石油など国鉄（JR）線を介して様々な物資が発着していたの だ。もちろんその当時から線内で完結する石灰石輸送も盛んであったのだが、秩父鉄道貨物輸送の魅力と実力は、単純なピストン輸送に止まらない多方面に拡が る多様な輸送体系こそが源泉であると考え ている。

　それだけに、この2020年2月の石炭輸送廃止は秩父鉄道の鉄道貨物輸送の歴史において、大きな節目であり、民鉄の貨物輸送がまた一段と寂しくなったと いう想いを抱かずにはいられない。

■秩 父鉄道の輸送量推移　　▲

年度
 輸送量
1955
1960
1965
 5,405,510t
1970
 7,980,432t
1975
 7,144,845t
1980
 8,497,643t
1985
 6,181,822t

年度
 輸送量
1990
 6,672,795t
1995
 4,834,724t
2000
 3,052,402t
2005
 2,705,407t
2010
 1,859,020t
2015
 1,927,301t
2017
 1,968,106t

　秩父鉄道の輸送量のピークは1973(S48)年度の886万トンである。その前後の1969(S44)〜1983(S58)年度までは700万トンを 超えてお り、この期間がピーク時と言えるだろう。ちなみにピークに次ぐ第2位の量は、1979(S54)年度の874万トンである。ピーク期間を過ぎてもも 1984(S59)〜1992(H4)年度にかけては、550〜680万トン台を維持しており、石灰石とセ メントによる二本柱の輸送体系が維持されていた。

　しかし1995(H7)年度に昭和30年代以来の500万トンを割り込む水準になると、以降は急激に落ち込み1998(H10)年度には300万トン を切り、2005(H17)年度をもってセメント輸送が消滅した。そして2009(H21)年度には、遂に200万トンも下回る水準となった。以降は 190〜220万トンで推移し横這いとなっているが、セメントの内需が縮小する中で生産規模が小さい 内陸工場の位置付けは、相対的に低下しており、秩父鉄道の貨物輸送は石灰石に特化されてしまったことも相まって、今後について明るい見通しは立て難い状況 だ。


■各駅の取扱量の推移　　▲

【1965 年度】
駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
行田
 8,024
 7,832
 15,826
石原
 6,253
 129,658
 135,911
広瀬川原
 851
 6,054
 6,905
武川
 71,000
 1,390,671
 1,461,671


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
武州原谷
 563,476
 98,915
 662,391
大野原
 2,917
 690,459
 693,376
秩父
 921,808
 766,359
 1,688,167
影森
 2,633,999
 64,255
 2,698,254


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
武甲
 389,516
 685
 390,201
武州中川
 40,763
 1,167
 41,930
三峰口
 273,311
 3,206
 276,517

（参考）
駅 名
 発 送
 到 着
 合 計
籠原
 612,397
 315,832
 928,229



▼秩父セメントの各工場の生産量（1965年）
工 場名
 熊 谷工場
 秩 父工場
（第1プラント、第2プラント）
貨 車発着駅
 武川、（籠 原） 武 州原谷、大野原、秩父 合 　計
生 産量
 1,082,457 トン
 1,245,667 トン
 2,328,124‬ トン


【1970 年度】
駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
行田
 6,041
 12,947
 18,988
石原
 1,535
 90,250
 91,785
広瀬川原
 1,787
 13,485
 15,272
武川
 18,481 2,381,069 2,399,550


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
武州原谷
 854,269 284,323 1,138,592
大野原
 0
 1,532,230
 1,532,230
秩父
 990,100 870,833 1,860,933
影森
 4,361,008 38,614 4,399,622


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
武甲
 543,384 33 543,417
武州中川
 56,194
 1,975
 58,169
三峰口
 235,173
 1,759
 236,932

（参考）
駅 名
 発　送
 到　着
 合　計
籠原
 894,222
 575,177
 1,469,399

▼秩父セメントの各工場の生産量（1970年）
工 場名
 熊 谷工場
 秩 父工場
（第1プラント、第2プラント）
貨 車発着駅
 武川、（籠 原） 武 州原谷、大野原、秩父 合 　計
生 産量
 2,379,003 ト ン
 2,291,221 トン
 4,670,224‬ トン



【1980 年度】
駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
行田市
 1,671
 9,266
 10,937
三ヶ尻
 1,001,991
 3,986,843
 4,988,834
武川
 3,832
 31,084
 34,916
武州原谷
 1,230,886
 192,103
 1,422,989


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
大野原
 0
 934,000
 934,000
秩父
 739,164
 315,150
 1,054,314
影森
 4,474,066
 2,176
 4,476,242
武甲
 1,376
 17
 1,393


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
武州中川
 11,351
 84
 11,435
三峰口
 1,510
 505
 2,015


▼秩父セメントの各工場の生産量（1980年）
工 場名
 熊 谷工場
 秩 父工場
（第1プラント、第2プラント）
貨 車発着駅
 武川、三ヶ尻 武 州原谷、大野原、秩父 合 　計
生 産量
 3,433,186 トン
 2,815,055 トン
 6,248,241‬ トン



【1990 年度】
駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
三ヶ尻
 738,031
 3,859,006
 4,597,037
武川
 10,526
 85,863
 96,389
武州原谷
 906,181
 91,238
 997,419


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
大野原
 0
 571,200
 571,200
秩父
 122,486
 284,131
 406,617
影森
 3,980,686
 0
 3,980,686


▼秩父セメントの各工場の生産量（1990年）
工 場名
 熊 谷工場
 秩 父工場
（第1プラント、第2プラント）
貨 車発着駅
 武川、三ヶ尻 武 州原谷、大野原、秩父 合 　計
生 産量
 3,577,906 トン
 2,347,860 トン
 5,925,766‬ トン


【2000 年度】
駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
三ヶ尻
 106,338
 2,540,862
 2,647,200
武州原谷
 1,953,388
 115,432
 2,068,820


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
影森
 665,040
 0
 665,040


▼太平洋セメントの各工場の生産量（2000年）
工場名
 熊谷工場
 秩父工場
（第1プラント、第2プラント）
貨車発着駅
 武川、三ヶ尻 武州原谷
生産量
 2,390,304トン
 1,064,406トン


【2005 年度】
駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
三ヶ尻
 24,036
 2,402,885
 2,402,885
武州原谷
 1,761,894
 41,572
 1,803,466


駅　名
 発　送
 到　着
 合　計
影森
 665,040
 0
 665,040




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